斎藤環「イルカと否定神学 対話ごときでなぜ回復が起こるのか」(医学書院・シリーズケアをひらく) 2025年の、お正月早々の読書は斎藤環という人の「イルカと否定神学 対話ごときでなぜ回復が起こるのか」(医学書院)でした。読み始めたのが、お正月早々で、あっちにフラフラ、こっちにフラフラしながら、読み終えたのが今日、1月15日です。
市民図書館の新刊の棚で見つけて読み始めたのですが、結局、ウーンと唸って終わりました(笑)。
斎藤環という人は、ボクと同い年で、精神科の医者というか、臨床家です。人気があるらしく、いろいろ書いていらっしゃいますが、この本は「オープン・ダイアローグ」という、彼が、ここのところいろいろ書いていらっしゃる精神科の臨床の実践を論じた本です。
「オープン・ダイアローグの否定神学性」の検討というのが著述の目的のようです。
とりあえず、ボクなりですが、少し説明すると、オープン・ダイアローグというのは「複数の人間による対話」のことで、否定神学というのは「神のなすことは人間には計り知れない」というように、洋の東西を問わず、超越的存在である神様を説明する時に「~ではない」という否定の形でしか言及できない話法のことのようです。
で、イルカですが、あの、水族館とかで輪クグリとかの芸を見せる、あのイルカです。「ダブル・バインド」という概念を提唱したグレゴリー・ベイトソンというアメリカの学者が例に挙げた動物です。ついでにいえば「対話」のネタはミハイル・バフチンですね。
まあ、こういう説明では何もわからないと思うのですが、要するに、精神科の臨床の現場において、患者に対して、複数の対話者による対話=オープン・ダイアローグが治癒の方向に有効であるという実践事実について「なぜか?」を解こうとしているのが本書というわけです。
臨床現場の具体的描写が、ほぼ、皆無で、論述による、いわば「哲学論議」に終始していますから、おもしろい、興味深い、ところはたくさんありますが、多分、ボクのような素人には、結局、よくわからない本でした。
ただ、ボクが面白かったのは、この著者は、以前、たとえば文学についてあれこれ言う人で、ちょっと「なんだか、なあ???」という印象の人だったのですが、本書では「わからない」こと、あるいは、「わかっていないこと」を語っていらっしゃるところですね。
まあ、こんなふうに書いても何をいっているのか「わからない」と思いますが(笑)、興味をひかれた方は、本書で納得?、困惑していただきたいということですね(笑)。




----Blo-katsu AD----
----Blo-katsu AD----
追記
ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)