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商標権の登録料納付期限、ちゃんと管理してますか?|「木久蔵ラーメン」の商標権トラブル

弁理士/ネーミングプロデューサーのヤマダです。

日々報道されるニュースの中から皆さんのビジネスに役立つネタ、知的財産に興味を持ってもらえそうなネタを紹介します。

今日のネタは、「木久蔵ラーメン」の商標権トラブルです。

■ 「木久蔵ラーメン」の商標権トラブルについて

落語家の林家木久扇(元・木久蔵)さんがプロデュースした「木久蔵ラーメン」について、木久扇さんの事務所とラーメンの製造会社がトラブルになっているそうです。

「木久蔵ラーメン」製造会社が木久扇さん事務所を提訴 事務所側は争う姿勢


トラブルの原因となったのが商標権の消滅。

契約内容の詳細がわからないので何とも言えませんが、製造会社側は、

●木久扇さん側が保有していた商標権が消滅していたため対価支払いの停止を求めたところ、一方的に契約解除を通告された。
●出荷停止や在庫処分等の損害を被った。

と主張しているようです。

■トラブルの原因は登録料の納付の納付忘れによる商標権の消滅?

ヤマダが確認したところ、木久扇さん側は商標「林家木久蔵」についての商標権を保有していました(商標登録4867275。対象商品は「スープ付きラーメンのめん」や「調理済みラーメン」等)。

しかし、この商標権は2015年5月27日に消滅しています。商標権の権利期間は10年ですが、何回でも更新することができるはずなのに。

おそらく、登録料の納付(商標登録の更新手続き)を忘れてしまったために商標権が消滅してしまったんです。

その後、木久扇さん側は、商標「林家木久蔵ラーメン」を新たに出願しています(商願2021-77146。対象商品は商品「調理済のラーメン」等)。

今年の6月21日になって出願しているところを見ると、製造会社とのトラブルで商標権の消滅が発覚し、慌てて商標権を取り直そうとしているのではないでしょうか。

■商標権の消滅を防ぐためには登録料の納付期限を管理する必要がある

このように商標権は登録料の納付期限をきちんと管理をして登録料を納付しないと権利が消滅してしまいます。

せっかく商標権を取ったのに放ったらかし...。そういう例は意外に多いんです。特に弁理士を使わず、自分で商標登録の手続きをした人は危ないですよー(笑)

以前、ヤマダのところにも、「自分の商標権が今どうなっているのか全くわからない!」とSOSを出してきた方がいらっしゃいました(苦笑)

登録料の納付を忘れて商標権を消滅させてしまい、その商標を他の人に取られてしまった方もいます。

商標権を持っている方。

今、自分の商標権がどんな状態になっているか把握していますか?
権利切れになっていませんか?

今一度、商標権の内容を確認してみてください!

■特許庁の「特許(登録)料支払期限通知サービス」を利用する

何故、「木久蔵ラーメン」のようなトラブルが発生するかというと、商標登録時に1回目の登録料を納付した後、次回以降の登録料について特許庁から納付期限を知らせる通知は来ないからです。

商標権者が自分で登録料の納付期限を管理する必要があるということです。商標登録を依頼した弁理士さんが管理してくれるのであればよいですが、そうでない場合は困りますよね。

そんな場合は、特許庁が小規模事業者向けに提供している「特許(登録)料支払期限通知サービス」の利用を検討してください。

アカウント登録を行うと、希望する特許(登録)番号に対して、特許料等の次期納付期限日をメールで知らせてくれるサービスです(無料)。

特許(登録)料支払期限通知サービスについて

特許(登録)料支払期限通知サービス 

■まとめ

今日のまとめです

●登録料の納付を忘れると商標権は消滅する
●商標権の消滅を防ぐためには登録料の納付期限を管理する必要がある
●特許庁の「特許(登録)料支払期限通知サービス」を利用する


では今日はこの辺で。


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