レンブラントの変態漫遊記

レンブラントの変態漫遊記

プロレスが大好きな変態の日記です

The Cut~2021.10.9『LIDET UWF Ver.1』観戦記~

2021.10.9の夜に、新宿FACEで『LIDET UWF Ver.1』を観戦してきました。

 

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『GLEAT』が贈る、UWFルールを押し出したブランド・『LIDET UWF』!
 
7.1の『GLEAT』旗揚げ以来、『LIDET UWFブランドとして初の単独興行は、プロレス史に今も刻まれている"10.9"…!
 

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当日は東京・大阪で注目のビッグマッチが行われる興行戦争の中、今大会はチケット完売!
 

 

 
今回は、『LIDET UWF Ver.1』の観戦記になります。
 
昔のUWFを知らない私ですが、それでも、楽しい興行である事に間違いはなかったです!
 

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Cut inするぜ One more time 乗っかって来な 皆 Ride on time
君の抱えるデカい問題はこのグルーヴの前じゃ些細な存在さ
決めろ覚悟 見極めろ角度 ミクロからマクロ 駆け抜けろ悪路
楽土は僕らの中にある Let's C.U.T.!
 
Just Cut!
そう、君の目で見つめな すべてを
そう、君の目で見いだしな すべてを
Let's cut! (Cut!) Up! (Up!) Chop!Rip!Slice!
この世界の正体は僕らのeyes
 

Base Ball Bear - The Cut -feat. RHYMESTER-

https://www.uta-net.com/song/148258/

 
 
 

大会概要~緊張と静寂の狭間に放つ、ビッグバン~

今大会を見終えて、まず私が感じた点…。
 
『LIDET UWF』は、【緊張と静寂に訪れる爆発】を体感できるブランドなのではなかろうか、と。
 
同じGLEAT、同じ新宿FACEなのに、大会の前週(9.29)に行われた『G PROWRESTLING(以下:G PRO)』とはガラッと異なっていた雰囲気。
 

 

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ポップで大衆ウケしそうな『G PRO』とは、まるで別物。
『G PRO』の掲げるスローガン(※『疾走感溢れるスタイリッシュなプロレスリング』)よりも、ある種スタイリッシュに感じられたのは、会場に入ってから興行が終わるまでの緊迫感と、約90分という興行時間の短さのせいか…。
(ただ、この空気感こそ、差別化に繋がっていてアリだと思いました。)
 
 
大会開始前から会場内に張りつめる空気は、田村潔司による公開スパーリングに起因していた気がします。
 

 

 
薄暗がりでも見入ってしまう存在感、まさにプレミアム!
 

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この日は全6試合がラインナップ。
Ver.1の目玉となったのは、セミの『LIDET UWF vsハードヒット』によるダブルバウト、メインの『飯塚優vs橋本大地』でしょうか?
 

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本旗揚げ戦の『GLEAT Ver.1』で組まれた、『伊藤貴則vsSHO』の伊藤みたいに、【相手の攻撃を不必要に受けに行ってしまう】ような、良くも悪くもUというよりプロレス的な部分も感じてしまった違和感は、今大会には無し。
 
 
GLEATのエグゼクティブディレクターを務める田村潔司が、試合後の総括コメントで【幕の内弁当】という表現(=重なった試合が無かった)を用いて評価していた事も分かりみが深い、充実度高めな内容でした。
 
 
『ハードヒット』勢を【ヘタクソな漫才】と評して波紋を生んだ大会総括でしたが、全部聞いてみると「ちょいちょい口悪いけど、正鵠は突いてるかな」という印象。
 

 

 
ただ、個人的には、田村が印象に残らないと評していた『ハードヒット』や女子の試合より、田村のリクエストで呼んだ中野巽耀の試合の方が印象にのこら…(以下略)。
(あれに関しては、カズ・ハヤシに手枷と足枷を嵌めるようなマッチメイクも悪かったよ~)
 

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試合雑感

旗揚げ戦は全体的に、『各方向に網を張りながら、今後の方向性や指針を窺っている』ような印象を受けました。
プレ旗揚げ戦のVer.0(2021.6.9新宿FACEで行われた『ハードヒットとの対抗戦』という軸に対して、少し距離を置いてきたようなカラーリング。
 
 
前述の通り、セミファイナルで対抗戦は組まれていたものの、同じくハードヒット陣営で登場した、関根シュレック秀樹vs藤原ライオン)や井土徹也(vs松井大二郎)の試合は、対抗戦というよりも単純に力試しだった気がするので、その軸からは外れちゃうかな…、と。
 

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10.9という日付と歴史に拘るなら、『橋本大地vs中野巽耀』はマストになるんでしょうけれど、『飯塚優vs橋本大地で今を見せに行く姿勢は凄く良かったと思います。
 

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セミで組まれた『佐藤光留&ロッキー川村2vs伊藤貴則&田中稔』は、ロッキーによる終盤の掌底猛ラッシュで、田中稔からKO勝利!
 

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試合直後のリング上とバックステージで、ハードヒット勢が舌鋒鋭くLIDET陣営を批判していた訳ですが、個人的に、その資格を有していたのはロッキー川村2だけだと思いました。
 

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記者会見で「泣いて謝ったって許さない(by佐藤光留)」と言い放った怒りも、姿勢も、あの日の試合で体現できていたのは川村だけ。
 

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終盤、田中稔をノックアウトした掌底連打なんかは、見る側も鬼気迫るものを感じましたから。
 

 

 
私自身、佐藤光留は好きですが、伊藤や田中稔とのマッチアップで圧倒できていた訳でも無かった(寧ろ、伊藤のジャーマンでダウンを取られていた)ので、印象は薄い。
大会3日前の10.6に、ラウェイで試合を行った影響を差し引いても、若干の説得力に欠けるかと…。
 

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『LIDET UWF』の本旗揚げ戦メインとなった『飯塚優vs橋本大地』は、残りポイント2-4と大地優勢の状況で、大地が飯塚からSTFでギブアップ勝利という結果に。
 

 

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予想以上に飯塚が良いところを見せられないまま、大地が完勝という内容でした。
 

 

 

 

この日の昼に行われた大日本プロレス後楽園ホール大会で、新人選手の吉田和正から勝利した技で、『LIDET UWF』のエース候補を屈服させた事実が地味にエグかった…。
(ルールの違いもあるので、単純に比較できないとは思いますが…)
 

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まとめ〜現代でリビルドされた3文字が見たい〜

『LIDET UWF』の本旗揚げ戦となった、今回の10.9新宿FACE大会。
 

 

全席完売という結果に加え、大会の内容も非常に良かった一方、ブランドの今後の方向性や未来に関しては、(良くも悪くも)まるで予想がつかないと感じたのも事実。
 

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起爆装置的に取っ掛かりのありそうな『ハードヒット』との対抗戦路線にしても、誤解を恐れず言うなら、双方いがみ合ってもコインの裏表。
個人的には、ある種ニッチを突くブランド同士故、対抗戦路線を突き詰めたとて、【共存・共生の為の対抗戦】以上のものが生み続けられるのか、という不安もあるんですよね…。
 

 

次回が12.30の『GLEAT Ver.2』になりそうな『LIDET UWF』を、連続ドラマのような『G PROWRESTLING』みたいに、【月イチペースで東名阪】という開催頻度に持っていくのは現状難しいと思うので、その辺の先行きにも不安を感じた次第。
(そもそも、松井大二郎以外の『LIDET UWF』主要メンバーは、『G PRO』などで試合数も確保出来ているので、無理に頻度を上げなくても回る気はしますし…)
 
だからこそ、泥臭く進む『ハードヒット』とは対照的に「例えファッションと言われようが、今風に落とし込んで魅力を高めていく」事だったり、連ドラ仕立ての『G PRO』では出来ないような【UWFルールと縁遠い印象の選手】(SHO、橋本大地etc)を単発で呼ぶ路線だったり、様々な事に挑戦できる可能性と余地が、まだまだ『LIDET UWF』には秘められているように感じました。
 
 
私自身リアルタイムでUWFの熱量を経験していませんが、今大会の記者会見で、『UWFスタイル』について飯塚が語っていた、「プロレスも格闘技も両方高いレベルに持って行って、2つを融合させる」という旨の内容の方が、個人的には佐藤光留の拘りより分かりやすくて、しっくり来たのが正直なところ。
 
 

 
新日本プロレスの『ストロングスタイル』や全日本プロレスの『王道』にも似た響きを持った、『UWF』の3文字を掲げている以上、昔の呪縛が付いて回るのは不可避でしょうが、新日も全日もそうした理念から形を変えて今を生きている訳で。
私は、『UWF』だって今の時代なりにスタイルを模索→リビルドしても良いんじゃないかな、という気がしてます。
 

 

 
だから、そういう過去に囚われ過ぎず、新しい『UWF』に向かって前進してほしい。
実際、内容は面白かったので、次回も足を運びたいと思いました!
 

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