2021/11/09

釣りをするうえでのライフジャケットやクマ鈴など安全装備や保険に関して私的装備の紹介

Underwater,フライフィッシング,東京フライフィッシャーのしがない戯言

ヒヤリ・ハットの経験は数え切れないほどある。幸い大きな怪我や事故は一度もないが、ヤバいかも...と思った体験は何度かあり、その度に安全装備や保険の重要性をひしひしと感じてきた。

これまでに様々なアイテムを試してきたが、今現在使用・契約しているモノやコトについてジャンルに分けて説明したい。ディスコンになっていないものに関しては、アイテムへのリンクもはっておく(アフィリエイトリンクではないので安心?!してほしい)。

なお、フライフィッシングに特化した内容ではないので、釣行時における安全装備と保険という観点でルアーフィッシングや餌釣り師にも参考になると思う。

ここで説明するのは私自身今現在導入している装備や契約している保険であり、過去に導入していたものは省く。把握していないモノ・コトに関しては詳しくないので、詳しい記事を見つけるかご自身で試してほしい。また、あくまでも私自身での利用方法であり、他の方の考え方や使い方とは一致しない部分もあると思う。異論は認めるし、その点をふまえて読んでほしい。

水の事故に備える

水に対する備えとしてはライフジャケットやフローティングベストの類が筆頭に上がるだろう。ライフジャケットに関しては3タイプ、フローティングベストは1タイプ、それ以外の浮力体として1タイプ導入している。

まずはライフジャケット。

ボートシーバスやバスフィッシングなどボートフィッシングでは主に肩掛け式(桜マーク付き船舶検査適合品/タイプA)を使用している。自動膨張式と手動膨張式があるが、肩掛け式に関しては手動膨張式を使用している。ボートでは波をかぶることが多く、また、降雨状況に左右されたくないというのがその理由。自動膨張式は波をかぶったり通常の雨では膨らまない仕様だと思うが、不安要素は極力排除したいので手動膨張式にしている。なお、肩掛け式は肩がこり、夏はとても暑いのがデメリット。

漁港や港湾部のシーバスゲームではウエストベルト式を使用している。バックパックやショルダーバッグを装備していても装着可能な点がポイント高い。このタイプでは自動膨張式と手動膨張式の2つを運用しているが、いまは自動膨張式をメインで使用している。防波堤のような高い場所から転落した際に気を失う可能性があり、手動で紐を引けないことが想定されるためだ。

本流域や流れの強い川、深い場所の多い川では、鮎師向け?の襟巻き式を使用している。このタイプはベストを着ていてもショルダーバッグをかけていても邪魔にならないため重宝する。フライフィッシングだとライフジャケットでは取り回しが悪いがフローティングベストでは大げさすぎるようなシーンは多く、本流域はまさにそれだが、そんなシチュエーションにぴったりだと思っている。
VARIVASライフジャケット ショートタイプ

次にフローティングベスト。

荒々しくない小磯やサーブゲームではフローティングベストを使用している。これに関してはいわゆるロックショアゲーム(磯でのルアーフィッシング)で使うような前面がスッキリしたタイプを使用している。私はルアーフィッシング用を使用しているが、カヤックフィッシング用のものでも代用できるだろう。シーバスのウェーディングゲームで使う一般的なフローティングベストは前面にタックルを収納するための出っ張りがあり、足元がよく見えないうえに、腕を動かす動作の多いフライフィッシングでは非常に使いづらいのでまったくオススメしない。
ダイワ タクティカル ゲームベスト

そして浮力体。

厳密に言うとライフジャケットではないので浮力体としたが、簡易的なものとはいえあるのとないとでは大きな差があるので紹介したい。具体的にはレスチューブ一択になるが、これは渓流域や南の島でのフラットフィッシングで使用している。ライフジャケットは必要ないが、万が一のときになにかあれば、という不安感を解消してくれるオススメアイテムだと思う。私自身これを導入してから気持ちが楽になった。
レスチューブ

漁港行脚でフェルトスパイクシューズ。

スパイクのみかフェルト+スパイクかの判断だが、磯場がメインならスパイクまたはスパイクフェルト、堤防主体ならフェルトスパイクが好ましい。なので、漁港ならフェルトスパイクシューズがベストと判断している。車でのランガンがメインならペダル操作を考えてなおさら(スパイクフェルトでもよいが、製品によってはペダルに引っかかりやすいのであまりおすすめできない)。単に漁港だけであればスニーカーやトレッキングシューズでもよいのだが、波をかぶった場所やスロープは通常のシューズだとかなり滑る。そうした場所に入らなければ問題ないが、安心して釣りをしたいのなら必携だろう。私自身もう無理?をしなくなったのでフェルトスパイクシューズはあまり履かなくなってきているが、スロープでの釣りもするのであればあったほうがよいと感じる。漁港に隣接する危険性の低い小磯に立ち入ることも叶う。ただし、小磯がメインになるならフェルトスパイクよりスパイクフェルトがおすすめ。

転ばぬ先の杖、ウェーディングスタッフ。

本流域や流れの速い川、地形が読めない湖やアカエイに怯える干潟など、ウェーディングスタッフが活躍する場面は多い。以前は必要ないと思っていたが、歳を重ねるたび、あるいは、様々なフィールドで様々なシチュエーションを経験し、次第になくてはならない存在になった。本流では必携と考えた方がよいし、アカエイの多い水域でエイガードを装着しないのであればあったほうがよい。ただし、ソルトで使う場合は塩ガミや腐食でどうしても痛むので、ソルト用には中韓からたくさん出ているトレッキング用の安物を流用し、本流域ではしっかりとしたフォルスタッフと、用途に応じて使い分けている。
FOLSTAF WADING STAFF 

補足として、完全防水のバッグ。

パタゴニアやストリームトレイルあたりが定番かつ先駆者的なアイテムだが、昨今様々なブランドから出ているので選択肢は増えた。私はパタのロールトップとショルダー、ヒップパックバッグを荷物の量で使い分けている。空気を含ませてzipを完全に閉じれば浮力体になるので便利。本流域では流されたとき、あるいは、フラットフィッシングで潮が満ちてきて腹〜胸まで浸かってしまったことを考え、完全防水のバッグで釣りをするのはリスクへの対処としてオススメできる。

危険生物に備える

アカエイから物理的に防御するエイガード。

干潟や河口付近でのウェーディングゲームでは必須ともいえるアイテム。ウェーダーの中で履くタイプと外側に装着するタイプがある。どちらもシーバスのウェーディングゲームを想定したものであり、軽快に歩き回るフラットのフライフィッシングにはいまいちマッチしない。私は前者を導入しているが、本来はウェーダーの中に装着する前提のものであるため、これをむき出しで使用するフラットでのウェットウェーディングスタイルだと諸々考慮が必要。原則として水に浸けることは想定していないため、耐水性のある素材を使ったものが前提。そのうえで、併せて使用するシューズと足のサイズとのバランス(サイズ感だけでなく、足元を締めた場合にバックルや紐などのパーツが干渉しないかどうかも)を取る必要がある。軽快さ・耐水性・信頼性を考えると、フライフィッシングにおいては事実上パズデザインの「RAY GUARD」一択のような気がしてならない。
RAY GURRD Ⅱ

クマ鈴。

渓流域あるいは山深いところにある湖への釣行ではクマ鈴必携がデフォルトだろう。私はチーンと鳴る周波数の高いものとガラガラと連続音が鳴る周波数の低いものを使用している。リスクの高いエリアではその両方を同時に着けることもある。クマ鈴は川の音にかき消されやすいのと、立ち止まっていると鳴らないため、時折手で揺らして音を出すことにしている。なお、北海道釣行では航空機でクマスプレーを持ち込めないため(後述)、その代用として強力な音が出る防犯用の電子アラーム(防水タイプ)をメインに使用している。なお、熊鈴は立ち止まっていると音が出ないのと渓流だと音がかき消されてしまうので、ホイッスルも併用している。
クツワ スターライン 防犯アラーム

そして迎撃用のクマスプレー。

クマスプレーは最後の砦ともいえる武器になる。クマだけでなくイノシシやサルにも有効だろう。航空機で輸送できないため(陸送は可能なので事前に宿へ送ることもできるが、帰るときの手続きが面倒なので二の足を踏む)本当に必要な北海道で運用したことはないが、本州では過去何度か構えたことがあり、野反湖では安全ピンを抜いたことが一度だけある。クマ鈴と比較して高額だが、何度かクマに遭遇している身としてはクマ出没エリアでは身につけていないと不安で仕方のないカラダになってしまった。ちなみに、クマの襲撃に備えるにはすぐに取り出せるようにしておかないと意味がないので、ホルスターないしそれに準ずるホルダーはセットで用意しておきたい。
カウンターアソールト

そしてスズメバチやアブへの対処。

ほぼ渓流での携行となり、意外とかさばるのであまり持ち歩かないが、過去一度スズメバチに刺されているため二度目のアナフィラキシーショックが怖く、夏から秋にかけて不安なときはスズメバチ撃退スプレーを持ち歩くこともある。エピペンを処方してもらうかどうか、長年迷っている。
スーパースズメバチジェットミニ
エピペン

それからマダニ。

過去一度だけマダニが腕に付着していたことがあり(幸い吸血前だった)、感染症対策として、それ以来マダニ除去ツールをエマージェンシーキットに入れて持ち歩いている。
ドクターシェック ティック・ツウィーザー ウルトラ

ヤマビル。

私はナメクジやカタツムリなどが大の苦手。そのため、ヤマビル被害が想定される場所へ行くことは基本的にないので特に対策は行っていない。過去の話をすると、フライを始めた頃に丹沢の渓流に何度か行くことがあり、当時は食塩水を持参していた。いまはヤマビル忌避剤が各社から出ているので、それを使用したほうが確実だろう。なお、丹沢ではないが一度だけ腕を這われたことがある。近年ヤマビルの生息地が広がっているので注意したい。私がよく通う山梨の旧武川町〜韮崎市の山側エリア(具体的には石空川〜小武川周辺)で広がりを見せているので危惧している。私自身このエリアでまだ遭遇していないが、今シーズン又聞きでの吸血被害やこのエリアで贔屓にしているキャンプ場での被害を聞いたので、もうこのエリアで釣りはしないと誓ったくらいヤマビルが大嫌いだ。正直、ヤマビルはどうにもならないので、最大の対策はヤマビル生息地へは行かないことだろう。

ハブクラゲやアンドンクラゲなどの毒クラゲ。

南の島でのフライフィッシングでは毒クラゲに注意したい。水遊びならともかく釣り人ではまずいないと思うが、上半身裸で短パンに素足はよくない。最低でも上半身はラッシュガードやフィッシング用の速乾性シャツ、足はタイツかロングパンツでかためたい。なお、渓流のウェットウェーディングで使うゲーターを履けば、クラゲや毒魚からの防御はもちろん、サンゴに足を引っ掛けたときのケガも防止できる(私は慣れてしまったのでほぼ履かなくなったが)。そもそもの話として、海中の危険生物やケガ以前に日焼けを避けるため素肌はできるだけ露出しないことだ。
パタゴニア トロピック・コンフォート・フーディII
リトルプレゼンツ ウエットゲーター 

刺されてしまったらポイズンリムーバー。

意味がないと云われることも多いポイズンリムーバーだが、器具を使わずに口で吸い出すほうが危険ではあるので持ち歩いている。幸いいままで出番は一度もない。基本的には毒虫を想定したものだが、マムシやハブなど毒蛇に噛まれた場合でも使えるだろう。
ドクターヘッセル インセクトポイズンリムーバー

ケガや遭難に備える

まずは遭難保険。

ケガへの対処としては通常の医療保険でまかなえるだろう。ほとんどの人は契約しているのではないだろうか。ただし、野外活動を考えた場合は少し弱いかもしれない。ケガは医療保険でもよいが、遭難したときの補償は付帯されていない。捜索費用はばかにならない。ヘリを使った場合は最低でも数十万〜、すぐに救助されればよいが長引けばそれだけ費用がかさみ、100万、200万はあっという間だろう。専門の保険が各社から出ているので、釣行が多い人は(保険金の合計金額に注意しつつ、)別途契約することをおすすめする。数日のみの短期契約と年間契約がある。私は通常の医療保険はもちろん、野外活動専門の保険にも年間で2つ(ケガに特化したものと、レスキューに特化したもの)契約している。なお、保険あるいは特約付帯によっては携行品も補償対象になり、ロッドやリールの破損や紛失、盗難もサポートしているものがあるのでぜひ検討してほしい。
モンベル傷害総合保険
jRO

そしてビーコン。

遭難関連でもう一つ。これは一択でしか無いが、ココヘリを契約している。私はULスタイルでのハイキングと山岳キャンプも嗜むため山に入ることが多く、釣りに関係なく契約している。ココヘリは沢登りや渓流釣りも補償対象としているので、山岳渓流や山深いところにある湖への釣行でも必ず身につけている。かなり優れたサービスなので、山岳渓流を嗜む人はぜひ検討してほしい。なお、すぐに退渓できるプチ山岳渓流ならともかく、ガチな山岳渓流に入る場合は登山届を出してほしい。いくつかサービスがあるが、私はコンパスを利用している。
ココヘリ
コンパス

飲料水確保のための浄水器。

基本的にキャンプやハイクで山に入るときにしか持ち歩かないが、ガチ山岳渓流釣行で遭難したときを想定し、バックパックの中に入れることがある。私は一般的なハンディタイプとエマージェンシー用ストロータイプの二つ運用しており、釣りの場合は軽量でかさばらないストロータイプを持ち出すことが多い。難点としては直接飲むかたちになるので煮沸処理ができないこと(ハンディタイプの場合は浄水器で濾過してから煮沸することが多い)。話が逸れるが、ハンディタイプは携行しやすいので海外旅行でも重宝するだろう。私は海外はもちろん日本でも生水をそのまま飲むことはほぼなく(自宅では必ず浄水器を使用)、アジア圏では氷が入ったドリンクは絶対に避けるくらい警戒するので出番はないかもしれないが、どうしてもミネラルウォーターが手に入らないときの保険になる。
KATADYN Befree
HYDROBLU Sidekick Straw Water Filter

エマージェンシーブランケット。

日帰り山岳渓流釣行でのビバークを想定(テン泊ならテントやシュラフがあるので携行しない)。山岳キャンプあるいはテン泊でのハイクを行っている人であればわかるが、標高千数百メートル超えは盛夏でも朝晩かなり冷える。
SOL ヒートシート エマージェンシーヴィヴィ
 

なお、今後追加しようとしているアイテムに山岳用の発煙筒がある。実は過去に自動車装備用の発煙筒の携行を検討したことがあるのだが、重いので断念していた。
山岳用小型発煙筒(ポッケム)
赤色発煙筒「ココデス」

それと、最近気になっているのは、落水検知サービス。
JM-Safety
淡水域はサポート外とのことなので、ガイド船を使わずにレンタルボートでのボートシーバスゲームやオフショアでのシイラ・カツオゲームが我々フライフィッシャーの利用シチュエーションか。私はやらないが、沖堤とかでも。頻繁に水に浸かるようなフラットでは意味がなさそうだ。


...と、ここまで私が今現在実際に運用している安全装備と保険などについて紹介した。他にもあったような気がするが、思い出したら書き足したい。

こうやって書き出してみると、水の事故はもちろんだが、生命の危機という意味で山岳渓流のリスクが高いことをあらためて感じた。

また、幸いそれぞれ一度だけや一回だけということも多くそれ以降危ない目には遭っていないが、たまたま運がよかっただけど思うようにして警戒心と緊張感を保ちながら楽しむようにしている。

基本的にチキンで心配性なのであれもこれもと備えてしまうが、万が一のときを考えここは妥協できない。お金で買える安心安全は惜しまないのが持論。いずれも出番がないのが理想であり、これらを過信しないことが最大の保険だということは肝に銘じておきたい。


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