こんにちは。いつもありがとうございます。
商業出版エージェントの にのまえ遼です。
2022年がスタートしました。
本年もよろしくお願いいたしますm(__)m
最も手軽にできる出版…というと、やっぱり、電子書籍ですよね。
有料電子書籍の利用率は20.5%(電子書籍ビジネス調査報告書2021より)。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外出自粛による巣ごもり消費や、社会現象ともなった大ヒット作品の影響が大きく、電子書籍を利用する人は確実に増えています。
電子書籍でメジャーデビューしよう!みたいなセミナーも増えてきていますが、読まれている本の約20%が電子書籍だと、電子書籍を出すことで、メジャーデビューできそうな気がしますよね。
他にも、手軽にできる電子書籍で実績を作れば、商業出版がしやすくなるのでは???と考えて、電子書籍を出す人も多いようです。
でも、本当にそうできるのでしょうか?
インプレス総合研究所が、2021年に発表した、電子書籍の動向、電子書籍に関する市場規模の推計結果を見ると…。
2020年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)の日本国内における電子書籍市場は4821億円。
その内訳を見ると…。
文字ものが556億、雑誌が263億、そして、コミックが4,002億なので、電子書籍の売上のほとんどが漫画なのです。
本を読む人の中で、電子書籍の利用者は約20%。
そして、電子書籍の利用者のほとんどが、漫画を楽しんでいる。
この現実を見ると、漫画以外のジャンルで、電子書籍でメジャーデビューしたり、電子書籍で実績を作って商業出版って、結構、ラクダが針の穴を通るレベルで難しそうですよね…(;’∀’)
もちろん、電子書籍で漫画を楽しむ人が、今後、他の本も電子書籍で読み始める…という可能性は十分にあります。
楽天グループ株式会社が、「楽天ブックス」ユーザー10,050人を対象に、紙の本と電子書籍の利用状況を聞いたところ、「紙の本のみ」が最多で53.2%。
「どちらも利用する」と回答した人が39.9%となっています。
楽天ブックスの利用者に限定すると、電子書籍を利用している人は、約40%もいるんですね。
電子書籍で購入したことのあるジャンルを見ると、やはり「漫画」が最多で77%。
続いて、「趣味・実用」書が2位で68.1%。3位が「小説・エッセイ」で57.1%となっています。(複数回答可)
これまで電子書籍で購入したことがあるジャンルを、複数回答可で質問したアンケートなので、どのジャンルがどれくらい売れているのかの内訳は分かりません。
「漫画を20冊、実用書を1冊、エッセイを1冊購入した」って人は、3ジャンルとも購入したことがあると答えるでしょうからね。
ただ、このデータを見ると、漫画で電子書籍を利用し始めた人が、他の本も購入していることは確か。
でも、インプレス総合研究所のデータと合わせると、2022年現在では、日本で電子書籍でメジャーデビューってのは難しいかもしれませんね。