「令和臨調」と言うのは聞きなれない団体だ。
経済界や学界の有志でつくる団体で、30日に初めての提言をまとめた。
今回の提言は平野信行氏(三菱UFJ銀行顧問)と翁百合(日本総合研究所理事長)
有志と言うだけあって政府や経団連の息がかかっていない。
それだけにエッジの効いた提言だ。
①経済の停滞や賃金の伸び悩みの一義的な責任は、必要な投資と事業改革を行わず、生産性の向上を実現できなかった民間部門にある。
②政府と日銀の政策対応が、長期にわたる異次元金融緩和、バラマキ的な財政支出、労働市場改革の遅れ、既得権保護的な規制の維持によって民間部門に対して「ぬるま湯」的な環境を与え続けたことの是非も問われるべきではないか。
過去10年間の認識はこの通りだと思う。
お互いが傷のなめ合いをしてきた10年と言うことになろう。
ここは、政界も経済界も若返りを図るべきではなかろうか。
トヨタの豊田章夫社長が次期社長に50歳代を選んだ。
幸いにも日銀の黒田総裁が3月で退任する。
当初2年くらいは見るべきものがあったが、残りの8年間、「ぬるま湯」を続けた罪は許されるべきではあるまい。
次期総裁により、日銀は本来のスタンスに戻り政府との共通目標は、「物価上昇」から「生産性向上と賃金上昇」へ向かって欲しい。
日本が湯水のように国債を発行しても世界の金融市場が容認しているのは、日本が世界で最大の金持ち国だから。
しかし「花見酒」のように浮かれているといつか破綻する。
そうならないように財政規律を守らなければならない。
霜履んで堅氷至る
物事が起こるには前兆がある。前兆が見えたらそのための用心や対策を怠るなという戒め。