戦争というものは突然始まるものではない。
1941年12月8日、日本はハワイの真珠湾を攻撃し太平洋戦争が勃発した。
その遠因は、1931年の「満州事変」にあると考えられる。
軍部は満州全土の占領計画を立て柳条湖の鉄道爆破し、満州全土に戦線を拡大した。
この状況になるまでに、ロンドン海軍軍縮会議をめぐって、日本では意見が二つに割れていた。
幣原喜重郎外相、
日本と英米との国交が円満なる限り、支那は遠交近攻または云夷制夷の政策を弄するの余地がないけれども、日本と英米とが離反して相対峙するならば、支那はこれに乗じて、何事についても、日本に反抗するの態度を執るに至るであろう。
遠交近攻ーーー遠い国と親しく関係を結んでおいて近くの国を攻めとる政策
云夷制夷(いいせいい)ーー他国の力を用いて別の他国の力を抑える政策
一方東郷平八郎元帥は、
我が巡洋艦は立派に英米に比し、主力艦以上の高率を持ているものを、なお謙遜して許す限りの最小限駆け引きなしに主張したからには、一歩も退くことはできない。
将来の支那は禍根である。日本の武力が畏敬すべきものでなくなったら東洋の平和はたちまち乱れる。
今にしてみれば、幣原喜重郎の考えで日本がまとまっていれば無謀な太平洋戦争などを起こさずに済んだだろう。
しかし日本は軍部(関東軍)に引きずられるかたちで、しかもこの時国民もマスコミもこの流れに乗ったのだ。
もっとも大部分の国民は正確な情報を与えられていなかっただろうが。
最近の防衛費倍増の動きは極めて危険な匂いがする。
特に専守防衛を逸脱して「敵基地攻撃能力」を持てばリスクは増大する。
1発ミサイルを撃って2000発撃ち返されたらどうするのか?
国会の議論は大事だ。与野党とも堂々の論戦をやるべきだ。
そのためにも、スキャンダル議員は早くやめるべし。