私のセカンドハウスも早いもので、建ってからもうすぐ一年になる。
そのセカンドハウスが建って半年後には、隣地に家が建ち、定住されている。
私は敢えて別荘地ではなく一般の土地を購入したので、周りには地元の方々が普通に生活されている。
一年が経ち、私がセカンドハウスへ行った時に必ずお会いするのは、お隣さんとお向かいさん。
セカンドハウスから目視で確認できるのは、3軒。 内1軒は建てる前に挨拶に行ったきり、一度もお会いしていない。
一般の宅地といっても、市内からは、そこそこ離れ標高(500m)の高い所に位置しているので家はあまりない。
いつもセカンドハウスに着くと、お隣さんが何かをしている。 お隣さんは、田舎ぐらしに憧れて、ここが売り出されたのを知り、急いで購入したとの事。 高齢のお母さんと二人暮らしだ。
このお母さんは、私がセカンドハウスに来ると喜んでくれる。 寂しいからだ。
夜は、真っ暗でし~んと静まり返り、怖いと言う。
私の家から漏れる明かりを見ると安心するらしい。 娘さんは夜勤などで家にいない事があるからだろう・・・
日中は畑や花壇、色々と綺麗に手入れされており、私達より半年以上も遅れて住まわれたにも関わらず、遥かに追い越されてしまっている。
今では、私達の方が色々と教えてもらう方だ。 お隣さんはここに住んでいるので仕方ないだろう。
たまにしか行けない私には出来る事が限られている。
いつも、よく言われるのが、いつからここに住むの? まだ来れないの? 早く定住して! 寂しいから。
ここの方々からしたら私は贅沢だ。 家を複数持ち高い交通費を払って行き来しているんだから・・・
もう一つのお向かいさんは、高齢夫婦二人暮らし、先祖代々から続く地元民で、ここでの暮らしに慣れている。 周りに見える森はこのご夫婦の所有地らしい。
私の仕事柄、お向かいさんは、ある物を作って欲しいと頼みごとをしてきた。 お安い御用とばかりに私も引き受け、後日それを差し上げた。 たいそう喜ばれた。 これから色々お世話になるので、代金は要らない、と言うと代わりに野菜や栄養ドリンクをくれた。
それから、ひと月後ぐらいに行くと、前回より少し小さめのまた同じものを頼まれた。 夫婦物として飾りたいらしい。
まぁ、いいだろう・・・それほど手間でもないし、こっちもたまにしかセカンドハウスには来れないので、何かあった時に頼み事でも出来るし・・・
また後日、出来上がった物を渡す。 この時も代金は取らなかった。 大喜びだ。
それから、3~4か月経った頃、またまた同じ物を頼んで来た! ん~ ちょっと図々しいなぁ
今回は私も、直ぐには作らなかった。
ついこの前渡したんだが、次こそは代金をもらおうと考えていたが、もらうのをやめた。
その時に、次何か頼まれれば次こそは代金頂きます、と伝えた。 三度目の正直というやつだ。
何でも、妹さんにあげるらしい。
このお向かいさんが、近所や知り合いの人にそれを見せると、これは値打ちもんだ!と言っているらしい・・・そうかなぁ
今回のパターンはよくある事で、人の好意に自制が効かなくなったパターンだ。
私も悪い。 初めにしっかりといくらかでも代金をもらっておけば良かったのだ。
実はお隣さんにも、別のある物を頼まれていた。
お隣さんはまだ私達より少し若く、バリバリ働かれているので、人付き合いもしっかりとしているらしく、代金も、またまた要らないよ。 と言ったが、封筒に入れて渡してくれた。
人を試している訳ではないが、どちらも片手間で出来る物ばかりだったんで、ほんまに要らないや、との考えに基づいたものだった。
しかし、いつも妻には叱られる。 あんたは人が良すぎるねん! ちゃんと頼まれた事には、しっかりと手間代もろたら、あとくされないやろ!! 変に同情したり勘ぐると後々大変になんで!
ぐぅ~ごもっともでございますぅ~
だが私もこんな人間なんで、人からの好意には大いに期待してしまうたちなのだ。 ちっせぇ~なぁ
まぁ、なんやかんやと言い近所づきあいは出来ているんじゃないか?と思う。
お向かいさんは、私がこの土地を購入する前から生えていた木の落ち葉が凄いから切って欲しいみたいな事を言っていたが、私は目隠しが無くなるのと、莫大な金がかかるから出来ない、と断っている。
こんな事もあり、頼まれごとを快く引き受けた事によって、これ以上文句は言えないだろう。
あっ! こういう下心があかんのか!