【廃線散歩】短命の武蔵野競技場線@三鷹。線路跡を辿って球場跡まで行ってきました

こんにちは。そらまめです。

いくつか都内の廃線について書いてきましたが、また廃線跡散歩をしてきました。

今回は国鉄時代の武蔵野競技場線跡、JR三鷹駅から遊歩道を歩いて旧武蔵野競技場まで行ってきました。何かあるのか何もないのか・・行ってみないとわからないですからね。

三鷹・武蔵野エリアの他の廃線散歩はこちら


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武蔵野競技場線とは

廃線跡を見る前に、まず武蔵野競技場線とはどんな線だったのかを簡単に説明します。

野球観専用の路線

武蔵野競技場線とは国鉄時代の1951年に開業した路線。三鷹駅から分岐して武蔵野競技場前までを繋ぐ支線です。距離にして約3km程。

武蔵野球場とは武蔵野グリーンパーク球場のことで、5万人ほどが収容できる大規模球場でした。東京ドームでも4万6000人(野球時)ほどなので、かなり大きい球場だったことがわかります。

プロ野球の観戦客を乗せる為、東京駅から球場まで直通させ開業した野球観戦専用の路線ですが、球場のコンディションが悪くたった3か月で休止に・・

球場自体も5年程で解体されてしまいました。

 

なんとも短命に終わった武蔵野競技場線ですが、この路線は0から新しく作った路線ではないのでまだマシだったのかもしれません。

貨物用引込線の再利用

この武蔵野競技場は元はゼロ戦等を製造していた「中島飛行機武蔵製造所」の跡地に作られたもの。その製造所には武蔵境駅からの貨物用引込線※があり、その路線を転用したのが武蔵野競技場線なのです。

※貨物用引込線も武蔵境~浄水場までの浄水場用引込線を転用して作られました

 

武蔵野競技場線では最後くいっと曲がっていますが、工場に向かう貨物用引込線は真っすぐ伸びた線でした。

この貨物引込線は第二次世界大戦末期に空襲で被弾、終戦後しばらく経って武蔵野競技場線となり、武蔵野競技場線が廃止された後は遊歩道として整備され現在に至ります。ごく一部ですがその形跡がモノとして存在しており、戦争遺跡として残されています。(後で出てきます)

廃線散歩

この廃線跡が現在はどうなっているのか、そのルートを辿って歩いて見ました。

三鷹駅北口から線路沿いへ

スタートは三鷹駅です。南口と北口がありますが、北口の方に出ます。


三鷹駅北口

左側バスのある方に向かって歩き出します。

 

そのまま進むと横断歩道があるので渡り、横断歩道を渡ったら左側に曲がります。

このまま真っすぐ行って途中で曲がっても良いですが、ここで線路沿いの道に出た方がわかりやすいです。線路が見えているので間違えることはないと思います。

真っすぐ線路沿いを進む

線路沿いの道に出たら、そのまま三鷹駅を背にする形で真っすぐ歩いていきます。途中にはあの有名な跨線橋もありますよ。

奥に見えてる鉄橋が跨線橋です。

中央線を見ながら真っすぐ進んでいきましょう。写真の中央線の奥は車両基地になっているので、時間があれば跨線橋から基地を眺めてみてください。

太宰治も通った三鷹跨線橋はフォトジェニックな陸橋!三鷹駅すぐで電車が見下ろせるスポット。

 

跨線橋を過ぎたところにはこんなものがいました。

こちらの車両はレール削正車。(レール削正車ついては別記事に書こうかと思います。)

レール削正車は常にいるかどうかわからないので、あまり目印にしない方がいいかもしれません。線路沿いを真っすぐ進んでいればOKです。

 

レール削正車を過ぎると、いよいよ廃線跡のスタート地点!

ポストがあるところが、堀合児童公園・遊歩道の入口です。児童公園を突っ切ってそのまま遊歩道に進みます。

ちなみに堀合児童公園の入り口にはメルヘンチックなトイレがありました。

廃線跡:堀合遊歩道

ここからは武蔵野競技場線があった場所、当時は線路だった場所を歩きます。今は整備されて遊歩道になっています。

※堀合は「ほりあわい」と読むそうです

地図を見るとわかりますが、遊歩道が大きくカーブしていますね。当時の貨物用引込線に接続するにはここでカーブしないといけなかったんですね。

 

ここが堀合遊歩道の入口。

この道=元線路そのもの ではないと思いますが、道が曲がっているのは歩いていてもわかります。

どこかに「廃線跡」や鉄道に関するモニュメント等がないかなと探して歩いたんですが、特に見当たりませんでした。

道路に出たら、左側にある横断歩道を渡りましょう。

少し雰囲気が変わりますが、そのまま真っすぐ真っすぐ進みます。

 


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廃線跡:ぎんなん橋

堀合遊歩道をずっと真っすぐ進んでいると、途中で橋が現れます。ここが大注目ポイントです!

ぎんなん橋という橋ですが、よく見てください・・

これは・・レール!

レールが橋に埋め込まれています。

武蔵野競技場線が廃線になり遊歩道に整備される際に、他のレールなどは全て撤去されていますがここにだけレールが残されているのです。

 

このレールの他に、当時のコンクリート製の橋台が残されているようなんですが、草木がすごくて見ることは出来ませんでした。

恐らくこの右下に写ってるのが橋台の一部じゃないかと思うのですが・・

もしかしたらこれもそうかも?冬に行かないとはっきりとはわからなさそうでした。

このぎんなん橋までで堀合遊歩道は終わり、今度はグリーンパーク散歩道に変わります。グリーンパーク散歩道に変わっても廃線跡の遊歩道には変わりないので、引き続き真っすぐ進んでいきます。

廃線跡:グリーンパーク散歩道

堀合遊歩道からグリーンパーク散歩道に変わっても、遊歩道のままなのでそのまま歩きます。

横断歩道を渡ります。ここまで道路沿いの遊歩道でしたが、ここで少し道路から離れていきます。真っすぐ道路沿いの道を行かないようにご注意を。

どんどん進むと、原っぱの公園があります。結構広い。


この写真は来た道を振り返る形で撮ったものです

ここにも案内板がでていました。どうやらここは戦争時は高射砲陣地だったようですね。廃線とは関係ありませんが、こういうのも読むとその地のことがわかって面白いです。

特に何か遺構として残されている感じではありませんでした。

 

引き続き、廃線跡を進みます。だんだんゴールが近づいてきましたよ。

ここは謎のモニュメントと小さい池のある場所ですが、ここが貨物用引込線と武蔵野競技場線の分岐地点です。


この写真は来た道を振り返る形で撮ったもの

廃線跡:分岐点

ここにも案内板がありました。

案内板に地図が記載されていますが、上が工場に向かう貨物用引込線の線路、下が球場へ向かう武蔵野競技場線になった時の線路で、この現在地から線路がカーブして競技場に向かう形になっています。

 

実際の道はこうなっています。

この写真だと左がカーブで右が真っすぐに見えますが、実際は右がカーブしている道になります。

左が引込線、右が武蔵野競技場線の線路です。

このカーブした道を進んでいくと、もうまもなく元球場のあった場所に到着します。

廃線跡:グリーンパーク球場跡

分岐点を進んでいくと、武蔵野中央公園という大きな公園が現れます。その武蔵野中央公園の右側に進んでいくと、URの団地が見えてきます。

そこが武蔵野競技場線が目的地としていた、東京スタジアムグリーンパーク球場です。

もちろん今は球場はありませんし何にも残っていはいませんが、地図で見るとこの辺りは円のような形になっていて、球場の名残を感じ取れます。

 

中心の広場に案内板がありました。

他に碑やモニュメントなどがあるかな~と探しましたが、あったのはこれくらいでした。すぐ閉鎖した球場だしそんなもんですかね・・

 

ちなみに、肝心の武蔵野競技場線の終着駅である競技場前駅の跡地ですが、この団地のすぐ隣にあるマンション?施設?か何かになっていてその場所に行くことはできませんでした。調べたところ、こちらも特に碑があったりするわけでもなさそうです・・


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おわりに

廃線跡というと使われなくなったレールが柵として使われてたり、何かしら残されているところもありますが、この武蔵野競技場線はぎんなん橋のレール以外何も残されていませんでした。

遊歩道も綺麗に整備されているので廃線跡でも歩きやすいですが、ただ街中を歩いているような感覚になるので、廃線跡を目で楽しみたいなら地図で見ていた方が良さそうです。

この廃線散歩でよく出てきた「貨物用引込線」、その元となった浄水場用の引き込み線(武蔵境~浄水場)の廃線跡も遊歩道になっているので、次回はそちらの廃線散歩とこの廃線3本の歴史を少し見ていきます!

 

廃線・廃駅についてはこちらもどうぞ

今回の廃線散歩で参考にした本はこちら↓

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