『日本国記』  「杵築大社」は出雲大社ともいう     限りなく真実に近いアナザーストーリー  【61A】    ひじかたすいげつ 
 

 

 つづく

 

 一般に、「スサノヲ」=「出雲の王」であるが、実はそうではない。

 

 古事記でいう「スサノヲ」はイザナギとイザナミの子孫であり、「天照大神」の弟であり、「荒ぶる神」であり、八岐大蛇を退治したといわれる。

 

 しかし、本当の「スサノヲ」は神ではなく、B.C.三世紀の人である。ヤマトの伝承では「スサノヲ」=「出雲の王」であり、「ナムジ」=「大国主」であったが、本当は「スサノヲ」は「ナムジ」であった。

 

 そもそも「スサノヲ」が「天照大神」の弟であれば、「スサノヲ」はヤマト族であるはずであり、出雲族ではないはず。三貴神である「天照大神」と「ツクヨミ」と「スサノヲ」は兄弟であった。

 

 ところが、古事記は「スサノヲ」が「荒ぶる神」であり、出雲の王であり、ヤマト族である「大国主」をいじめたことにした。「大国主」は人望があり、西日本では崇敬されていた。古事記も当初は本当のヤマト族である「ナムジ」を「スサノヲ」として描いてはいたが、なぜか途中からヤマタノオロチ退治して「テナヅチ」と「アシナズチ」の娘を救う良い人になる。そして「ナムジ」を「大国主」として描いた。そのため「古事記」は途中からわけのわからない展開になっている。しかしそれ以外は、日本書紀よりは本当のことを描いているといわれる。日本書記は対中国(唐)用に書かれたからである。

 

 

 ヤマトのいう「スサノヲ」は、イザナギが鼻を洗ったときにできたイザナギの子であり、「天照大神」の弟であり、荒ぶる神」であり、「天照大神」を怒らせた天岩戸隠を誘引した張本人であった。ここまでは本当。ところが古事記では、ここから「スサノヲ」は急に良い人になり、ヤマタノオロチを退治し、ウサギを助ける「大国主」に変身する。そして、出雲の王である「大名持」が「荒ぶる神」=「スサノヲ」にされ、「大国主」に変身した「ホントウノスサノヲ」をいじめることにされている。そうして、「出雲の王」=「スサノヲ」=「荒ぶる神」=「オオナムジ」にされた。

 

 ところが、本当のスサノヲはそこからも変身せず、「ナムジ」=「荒ぶる神」=「ホアカリ」となる。「ホアカリ」は「出雲の王」=「第八代大名持(大国主)」の娘である「高照姫」を娶り、出雲を支配しようとした。それを古事記は「ナムジ」=「良い人」=「大国主」とし、「出雲の王」=「高照姫との結婚を妨害しようとする舅」=「アシハラノシコヲ」=「スサノヲ」として描いた。そして「高照姫」は「須勢理姫スセリヒメ」と名を変えられた。これが古事記の真相である。そのため「スサノヲ」は途中から違う人に変身している。

 

 古事記の記述がもし本当なら、宮中八神殿に「大国主」がいてもおかしくないはず。そこには「事代主」がいるくらいであるから。しかし本当の「大国主」は「出雲の王」であり、「第八代大名持ヤチホコ」であり、「ナムジの舅」ではあったが、ヤマトとは関係のない出雲族であった。

 

 出雲の八王子のひとりである「ホアカリ」が、ヤマトのいうように「大国主」を助けた良い人であったのは、その「大国主」は「ナムジ」として描かれたからであった。つまり、ほんとうの「ホアカリ」は「八王子のひとり」ではなく、「ナムジ本人」であったためである。

 

 

 「ナムジ」は「天照大神の弟」であり、「荒ぶる神」であり、「スサノヲ」であった。そして、「出雲を征服しようとしたホアカリ・ニギハヤヒ」でもあった。その名は「天照国照彦火明櫛魂饒速日命」であった。つまり、「ナムジ」は「スサノヲ」でもあり、「アマテラス」でもあった。

 

 「大国主」は「第八代大名持ヤチホコ」であり、ヤマト側に殺された出雲の王でもあった。そのためヤマトは「大国主」の祟りを恐れ、杵築大社に祀ったのであった。

 

 そういう意味では「四拍手」の四回目は「死」ではあった。

 

 

 つづく

 

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