販売をしている人にとって絶対に一度は悩む「売上」
調子良く売れる時もあれば、何をやっても売れない時もあります。
店舗によっては「個人売上」があり、他のスタッフと比べて自分がどれだけ売れていないかがはっきり分かるので、気持ちだけ焦って更に売れなくなるという悪循環。
そんな環境の中において販売業で働く以上は絶対的に必要なスキルが「販売力」です。
では、どのようにして「販売力」を上げればいいのか?
販売の業種やブランドなどによって接客のスタイルも変わると思いますが、今回は私の経験をもとに、ショッピングモールなどに入っているアパレル店舗を想定して「販売力を上げる6つの方法」について具体的にお伝えします。
販売力を上げるメリット
販売力を上げるメリットは「会社からの評価が高くなる」ことです。
あなたに対する会社の評価が高くなれば、役職が上がり、収入が増え、生活が豊かになります。
販売業で働いていく上で稼ぎたいと考えているならば「販売力」はマストです。
販売力がある人の特徴
・一年通して安定した売上が作れる
・自分の売り方を周りに伝えることができる
・常に新たな販売方法を考えて行動している
・購入されたお客様の満足度が高い
・自分の顧客様が多い
「販売力がある人」は、単純に売上金額が高いだけではなく、お客様を満足させることができています。
だからこそ、その満足したお客様たちは、次も満足するために店舗に足を運び、販売力がある人から商品を購入します。
その結果「販売力がある人」はリピーターの数も増えていき、1年通して安定した売上が作れるようになるのです。
次からは、販売力を上げるための具体的な方法についてお伝えしていきます。
①販売力を上げるための「アプローチ」
お客様とのファーストコンタクトで「どのように声をかけて接客へと入っていくのか」という部分に苦手意識を持っている人が多いです。
これはよく聞くアプローチでの声かけですが、お客様からの返答は「はい」などの一言が多く、そこから会話は続きません。
アプローチを苦手としている人は
と勝手に思い込んでおり、その緊張感がお客様に伝わっています。
まずはアプローチの考え方を変えましょう。
声かけをする = 嫌がられている
ではなく
声かけをする = いい情報をお伝えする
という考え方です。
例えば、あなたの店で人気の商品が「レザージャケット」だとしたら
という人気商品の情報をお伝えすることで、興味を持つお客様がいるかもしれません。
その一方で、いきなりこのような内容を言われてビックリされる人もいます。
そこでポイントとなるのが「共感ワード」でのアプローチ方法です。
ファーストコンタクトでの声かけはお客様が共感できそうなワードを含んだ声かけをすることにより、自然と会話ができ、一気に距離を縮めることができます。
ポイント 共感ワードはあなたのお店に関することや、季節のこと、洋服に関する悩みなど、誰もが感じたことのある内容、いわゆる「あるあるネタ」を伝えれば大丈夫です。
お店あるある
「この陳列見てもらうと分かるんですけど、今年はアウターの種類が多いんですよ。でもこれだけあると、どれが自分に合うのか迷いますよね!」
季節あるある
「夜になると気温が下がって寒いですけど、日中はまだ暖かいじゃないですか?こういう気候の時の服選びって難しいですよね!」
洋服の悩みあるある
「冬は落ち着いた色が多くなるんで、明るい色を組み合わせた時のバランスに悩みますよね!」
このような共感ワードを含んだアプローチから入ってお客様とのコミュニケーションをとり、そこから自店の情報を伝えていく流れになります。
販売力を上げるためにアプローチで意識することは次の2点です。
◆ マイナスな思い込みをなくして、お客様にいい情報をお伝えするという心構え ◆ 共感ワードを含んだコミュニケーションでお客様との距離を縮める
是非とも実践で試してみてください!
●アプローチに関するテクニックはこちらの記事でもお伝えしています!
②販売力を上げるための「ヒアリング」
共感アプローチでお客様とコミュニケーションをとる際に意識することは「ヒアリングをしっかりと行う」ことです。
自然な会話の流れの中でお客様の情報を聞き出していきましょう。
アパレルにおいては「クローゼットの中」の情報を知ることで、商品提案の仕方が変わってくるので重要です。
上記の流れでアウターを勧めていくのであれば
・今お持ちのアウター、インナー、ボトムス、シューズの種類
・今年購入したアイテム
・オシャレをしてどこに出かけることが多いのか
などを聞き出します。
この時、次から次へと質問を繰り返すとお客様は
と警戒されるので気をつけてください。
そこで警戒心を持たれずに質問するために「第三者話法」というテクニックがあります。
第三者話法とは?
第三者の意見を紹介して間接的に伝えることで信ぴょう性が増し、こちらの話を警戒せずに聞いてもらうことができる話し方です。
先程の
・今お持ちのアウター、インナー、ボトムス、シューズの種類
・今年購入したアイテム
・オシャレをしてどこに出かけることが多いのか
ということを第三者話法を使って質問すると
ポイント このように、第三者であるお客様や友人の話をすることでリアリティーが出て、他の人の情報を聞いた上での質問なので「自分は◯◯です」と答えやすい心理状況になっています。
ヒアリングを行う際は第三者話法を用いて、スムーズに情報を聞き出してください。
●こちらの記事では聞き上手について3つのポイントでお伝えしています!
③販売力を上げるための「商品提案」
受け身の接客ではなく、こちらから積極的に商品提案をしていかなければ中々販売力は上がりません。
ここで重要なことが商品提案する際の「理由付け」です。
販売力がある店員と販売力がない店員の違いの一つに商品提案力があります。
販売力がある店員は「その人に合わせた商品提案」をします。
販売力がない店員は「全員に同じ商品提案」をします。
ここでの違いは「特別感」です。
「全員に同じ商品提案」をしている店員の言葉は誰にでも当てはまるようなトークなので、お客様からすると
と感じてしまいます。
せっかく共感アプローチで距離を縮めても、また距離が開く結果になってしまうので気をつけましょう。
逆に販売力がある店員は「その人に合わせた商品提案」を行うので、お客様からすると
と特別感を感じることにより、店員への信頼度も上がるのです。
では、「その人に合わせた商品提案」をどのようにして行うのか?
それはヒアリング時にお客様の情報を聞き出しているので、そのお客様情報をもとに商品提案の「理由付け」を行うのです。
この「理由付け」をしっかりとトークに入れることでお客様にも特別感を持ってもらえます。
上記の②ヒアリングで第三者話法を使って質問しましたが、そのお客様の答えをもとに「理由付け」をしていきましょう。
ヒアリング時にプライベートな話を聞き出せたのなら、その情報をもとに理由付けしても構いません。
ポイント
「こういう理由があるから、この商品がおすすめ」という明確な根拠が必要で、それがあるからお客様も納得して話を聞いてくれるのです。
●こちらの記事ではアパレル業界で年収を上げる方法についてお伝えしています!現状の年収に不満がある人は是非ご覧ください!
④販売力を上げるための「ベネフィット」
「ベネフィット」とは、お客様がその商品を使うことで得られる利益のことです。
販売力を上げるためには、商品の良さを知ってもらうだけではなく、その商品を使うことで、「お客様の未来がどのようにプラスになるのか」を伝える必要があります。
ベネフィットを伝えることでお客様の感情を動かすことができるのです。
自分の好きなデザインの服を着る ↓ テンションが上がる ↓ 気持ちが前向きになる ↓ 誰かに見てほしいという気持ちが強くなる ↓ 行動を起こす ↓ 人との出会いが増える ↓ 運命の人が見つかる
自分の体型に合ったスーツを着る ↓ シルエットがきれいになる ↓ 見た目の自信が生まれる ↓ 一つ一つの行動が変わる ↓ 気持ちに余裕ができる ↓ 視野が広くなる ↓ 仕事の幅が広がる ↓ 出世する
このようにお客様との会話の中で、その商品を使うことでの明るい未来をイメージしてもらえるようなトークを意識してみてください。
●こちらの記事では、ベネフィットの考え方など詳しくお伝えしているので合わせてご覧ください!
⑤販売力を上げるための「クロージング」
「クロージング」とは「締めくくり」の意味で、お客様に購入する意志を確認することです。
「①アプローチ→②ヒアリング→③商品提案→④ベネフィット」までスムーズにいっても、最後の⑤クロージングが弱いと購入まで至りません。
販売力が弱い店員は、このクロージングが弱い傾向にあります。
お客様からの「これを買います」を待っているだけだと中々売上には繋がりません。
ましてや、高単価の商品になればなるほどお客様も購入を慎重に考えるので、待ちの姿勢では「検討します」と言われ、そこで終了です。
だからといって「是非ともこちらの商品を使ってください!」と勢いだけのクロージングでは売れません。
そこで「クロージング力」を上げるための方法として「仮定の質問」というテクニックがあります。
仮定の質問
もし〜◯◯ならどうですか?
仮に◯◯としたら、どちらがいいですか?
もし〜、仮に〜と文頭につけることにより、お客様に頭の中でイメージしてもらい、その答えを聞くような形になります。
ポイント 店員としても仮の質問ということで気軽に質問できますし、お客様もガッツリと質問されている感じを受けないので警戒心なく答えてくれるのです。
上記の⑤ベネフィットで、商品を使うことでのお客様の未来がどのようにプラスになるのかを伝えることができていれば、後は支払い方法に対する仮定の質問をしてください。
クロージングを成功させるコツは自然の流れの中で購入を前提とした話で進めることです。
クロージングでは最後の一押しが重要などと言われますが、それはお客様によって変わります。
まずは仮定の質問でお客様の答えを求めて、購入前提の流れで進めていきましょう。
注意ポイント
「仮定の質問」から購入の流れで進める際は
①アプローチ→②ヒアリング→③商品提案→④ベネフィット
までがしっかりできており、お客様の気持ちも前向きになっている時に行ってください。
お客様の気持ちが高まっていない状況でクロージングを行なっても、うまくいかない可能性が高いので気をつけましょう。
●売れない日が続いてモチベーションも下がる中、どうすればいいのか分からなくて迷っている人はこちらの記事をご覧ください!
売れない時にすることは?【販売員中心の考え方を捨ててください!】
続きを見る
⑥販売力を上げるための「ロールプレイング」
ロールプレイングとは、販売時の状況をイメージして、店員役とお客様役に分かれて販売のトレーニングを行う学習方法です。
①アプローチ ②ヒアリング ③商品提案 ④ベネフィット ⑤クロージング
お伝えしてきた内容に沿って①のアプローチから⑤のクロージングまでをロールプレイングしてください。
お店のスタッフにお客様役をしてもらってもいいのですが、私がオススメするのは一人でロールプレイングをすることです。
つまりは「店員役」と「お客様役」を二役演じながら①のアプローチから⑤のクロージングまでの流れを行います。
一人ロールプレイングのメリットは
◆ 常に自分のペースでできる
◆ 時間があればいつでもできる
◆ 納得いくまで繰り返しできる
など、相手がいないからこそ気を遣う必要もありませんし、集中してできるので頭に入りやすいのが特徴です。
ポイント ①「アプローチ」では、お客様と「共感」することを意識したロープレを! ②「ヒアリング」では、お客様に「第三者話法」を使った自然な聞き出しのロープレを! ③「商品提案」では、お客様に合わせた「理由付け」で説得力のあるロープレを! ④「ベネフィット」では、お客様の「未来がプラスになる」ことをイメージさせられるようなロープレを! ⑤「クロージング」では、お客様に「仮定の質問」で自然な流れから購入を促せるようなロープレを!
一人ロールプレイングに慣れてくると、頭の中だけでイメージできるようになります。
そうなれば、出勤中のバスの中や、昼食後のちょっとした空き時間、お風呂に浸かりながらなど、どんな時でも販売力を鍛えることができるのです。
自分なりのトークを考えて、繰り返しロールプレイングをしてみてください。そうすれば自分でも気づかないうちに販売力が上がっているはずです。
●アパレルで働いていて「現在よりも給料を上げたい!」と思っている方はこちらの記事をご覧ください!
まとめ
今回は私の経験をもとに「販売力を上げる6つの方法」について具体的にお伝えしました。
①アプローチ
②ヒアリング
③商品提案
④ベネフィット
⑤クロージング
⑥ロールプレイング
販売力を上げるためにはこの6つは絶対に必要であり、全てが繋がっています。
まずは騙されたと思って①〜⑥を繰り返し行なってください。
そうすれば、自分に合った言い回しや、トークのテンポ、ベネフィットからクロージングまでの持っていき方などが体感で分かってくるはずです。
是非とも今回の記事を参考にしていただき、販売力を上げて、販売という仕事の高みを目指して邁進してください!