ドキュメンタリー。格差問題は別として富裕層の豪遊を見るのは結構好き。船の係留費がいくらとかボトル1本いくらとか無駄知識が蓄積される。富豪のパーティーで出るボトルは750mlじゃないことも多いから、超高額なのか分かりにくい。モナコ市民との結婚以外でモナコに住める条件は、いつでも使える50万ユーロが口座にあることと、前科がないことらしい。富豪はモナコ以外にもいるから、豪遊自体に目新しいものはなかったけど、一般人の暮らしというのが興味深かった。1ベッドルームのアパートで家賃が月2,000〜3,000ユーロだから、政府から補助が出て700ユーロぐらいで住めると言っていた。医療費は無料。就職でも優遇される。帰れる場所があるから、一度海外に出て色んなことを学んで戻ることが出来るのもいいと言っている人もいた。ただそれは元からモナコに住んでる人限定で、モナコ市民と結婚して市民になるには10年経たないと申請出来ない上に、期間を20年に延長する案も出ていて、ハードルはまぁまぁ高そう。このままだと財政が逼迫すると言っていた。所得税はなしで、付加価値税が高い。富豪だけで国は成り立たないから、市民に補助があるんだろうけど、考えられてるなと思った。規模が小さいから問題が見えやすいというのもあるかも。日本みたいな国は貧困の人を放置しても国がまわってしまう。70人につき1人という警官の数だから、ブランドもので着飾って外出しても安全と言っていた。刑務所も取材していたけど、食事がステーキとパスタだった。

 

 バレエ団を立て直したカロリーヌ公女(=グレース・ケリーの長女)の話が興味深かった。「文化は教育や健康と同じで重要。お金を払ったり触れるのに苦労するものであってはいけない。伝統とは炎を受け継いで行くもので、灰を崇めるものではない。」と言っていた。国家予算の5%を芸術に費やしているらしいから、芸術はタダであるべきと思っているわけではなく、ある程度国が援助して敷居を低くすることが必要と考えているんだと思う。

 

 元から住んでいる人で「金持ちは人を色眼鏡で見る」と言ってる人がいたり、結婚して移住した人で、「金持ちとそれ以外の人に対してのレストランでの扱いが違う」と言ってる人がいたり、プラス面だけじゃなくて、マイナス面も取り扱っていてよかった。特に行きたいとは思わなかったけど。

 

 国のあり方として興味深いなと思った。タイトルは人工島建設に関わってるイギリス人が言ったことから来てると思う。

 

 入手した無駄知識

 鉛筆付加価値税20%

 鉛筆F1グランプリ時の収入が国家の歳入の7%

 鉛筆一番大きいクルーザーは全長156メートル

 鉛筆クルーザーの停泊代最高2114ユーロ(一泊)