PCR検査抑制をコロナ初期から言ってた人たちがこびナビの運営メンバーにいる。コロナ初期のPCR検査に関する攻防や直接のやり取りを当時ツイッターで見ていた時はへ〜と思っていた。その事象自体に興味を持ったのは、他の先進国に比べて日本の検査数が圧倒的に少なかったから。抑制を言ってた人たちは「PCR検査は感度が低い」、「偽陽性が多い」、「偽陽性の人まで病院に殺到して医療崩壊する」、「そもそも治療法がないのだから陽性と分かったところで無意味」等言っていた。検査結果が出るまでに感染するかもしれないから意味がないというのもあった。普段、実験でPCRを使う研究者とかが、抑制論者を猛烈に批判していた。抑制のため(大規模検査をする余裕がなかったことを隠すため抑制しているように見せていたという説もあり)、日本の10万人あたりの検査数がしばらくアフリカの小国並みだった。

 

 しがらみ、利権、私情等色々あるからそれらを理解した上で話を聞くのがいい。PCR抑制を言う某医師は某サッカー番組のサッカーにおけるコロナ対策特集に出ていたけど、わりと早い段階からPCR検査を定期的にしていたJリーグの対策に関して否定していなかったし、頻度は妥当と言っていた。サッカーに便乗して本を書いているから、Jリーグの対策に疑義を呈したくなかったのかなと思った。Jリーグがスタッフ含め全員に検査してることは、この医師の主張と対立するし、Jリーグのチームは全国に点在しているから、感染の流行度にも濃淡があって、その点においても対立する。


 私情や感情をはさまずに淡々とデータや論文を科学的に分析しているこちらのブログの方が私にとってはこびナビより有益。そもそもこびナビは背後にPCR抑制を言っている人がいるというのを聞いて、興味本位でのぞいただけだけど…。それを知って読むと興味深くはある。ミスバスターズという怪しい噂を検証するという企画が特に興味深い。ミスバスターズで言っていることが本当なのか他で裏を取らないと分からないという、もう一体何なのという企画。

 

 

 

 

 コロナを総括する時になって、抑制を言ってる人が何を言うのか興味がある。ただツイートや動画をひっそり消すだけかも知れないけど。すでに、「検査を否定しているわけではない、闇雲に検査することはよくないと言っている」とすり替え始めてはいる。そういう主張であれば、どういう状況ならどれぐらい検査が許容されるのかを示すべきでは…。PCR検査に関して説明している日本語の情報はいくらでもあるから、それを読めばいい話なのだけど、抑制を信じる人は最初から信じたい思いがある人なのではと思う。

 

 「医者としては、症状がある人に検査をして、命を救うことに注力するのは理解出来るけど、公衆衛生の観点からは、検査を抑制することには非常にリスクがある」との見解を示していた教授がいて、日本のPCRを巡る争いは医療対公衆衛生なのかなと思った。こびナビ副代表は公衆衛生の修士で、博士じゃないから抑制を言うのだろうか…。公衆衛生学博士が一人ぐらいいて欲しい。PCR抑制を説いてきた医師が二人メンバーにいるのに、信頼のおける情報を提供するサイトとして振る舞うのはどうかと思う。そもそも何の専門家集団なのか分からない。こびナビをそういうサイトとして喧伝することで、PCR抑制にも箔が付くことを危惧している人もいた。メディアもノーチェックで取り上げるし、こびナビ自体に疑問を呈しているメディアはとりあえず見当たらない。医者となるとわりと盲信的に信じてしまう人が多いのは何故だろう。一番、へーと思ったのはこびナビの運営母体(一般社団法人保険医療リテラシー推進社中)の住所(マンションの一室)と謎の会社(有限会社友貴)の住所が一緒だったことだった。日本がクリーンな国ならそのまま信じてもいいのかも知れないけど、全然そうではないし、よくあるパターンという印象。

 

 金とイデオロギーかなぁと思っていたけど、

 

 例えば、ここ10年ほどのあいだ顕著になった、日本社会の反知性主義的傾向は、新型コロナ対策の失敗においても如実に現れている。専門知の軽視、優れた専門家ではなく、政治に阿る専門家の登用、検査抑制をめぐる議論では、「権威主義的性格」の持ち主が一見もっともらしい「知識」をひけらかして世論を混乱させたその悪影響は甚大なものだった。これらすべては、莫大な予算が投じられた「対策」を無効化し、本来避けられたはずの犠牲を増やし続けている。

 

 

 

 これだと思う。反知性に加えて、力技で押さえ込むというのもある(これは前からかも。もともとベースがモラハラやパワハラという印象もあるし)。日本のコロナの問題は、科学以前の話…。

 

 少しワクチンに疑問を呈したら反ワクチン呼ばわりされる風潮に、こびナビは追い風を吹かせている。私は絶対リスク減少率に言及しただけで、医系博士の友達に反ワクチン認定されたし、だるいなと思っている。ワクチンを打ちたくない人は、打ちたい人の権利を妨害しているわけではないし、打ちたくない人がいると、自分に早く回ってくる可能性が上がるかも知れないしむしろいいのでは。そもそも陰謀論を理由にワクチンを打たない選択をしている人なんて少数派だけど、ワクチンを打たない人は非科学的な態度を取っていると決め付けられる。ワクチンを推奨してる人にも非科学的な態度を取っている人はたくさんいるけど(根拠が乏しいのに大丈夫と言い切るとか、そんなのあり得ないと言い切るとか、絶対って言葉を使うとか)、それは無視されている。アメリカの調査で、人口密度が高い都市に住んでいる老人が一番接種していて、密度が低い田舎に住んでいる若者が一番接種率が低く、なんだかんだで人々はリスクに見合った選択をしていると結んでいるものがあったけど、日本でもそうなのかは分からない。日本は都市部に人口が集中している国ランキングで上位にいるはず。コロナの死者よりワクチン接種後の死者の方が多い県があるけど、コロナ感染者よりワクチン接種者の方が多いんだから当たり前ですまされている。PCRは抑制して、ワクチンだけは欧米追随もよく分からない。

 

 デマはワクチン以外でも世の中色々あるし、それはコロナに限らず、正しい情報の取得方法を周知していけばいい。医療は元々情報の非対称性が大きい分野。こびナビに関しては真摯じゃないという印象を一番強く受ける。