ああ酔った酔ったと言って酔ってない 三猿

 

 

 

 つい最近、笑点の円楽さんが亡くなったが、得意の演

目は禁酒番屋だった。ボクが今までに一番面白いと思っ

た落語家は上方(関西)の爆笑王と言われた桂枝雀だっ

た。本当に腹の底から笑ったものだ。

 この枝雀の噺に、よく酔っ払いが出て来る。枝雀によ

ると、酒に本当に弱い人は、「酒の匂いを嗅いだだけで

酔うという話を聞いただけで酔う」とか、酔った人ほど

「酔ってない」と言い、「酔ってないよ、六法全書だっ

て読める」と豪語する人がベロベロだったりという噺が

ある。総じて落語には酔っ払いがよく出て来る。落語じ

ゃなくても、ススキノ界隈でもう一軒行くぞーなんて騒

いでいるのに限ってかなりベロベロなのが多い。

 ボクの上司に酒乱で有名な人がいた。時々飲みに誘わ

れたが、飲みながら何時酒乱になるかと気が気でなかっ

たものだ。