漫画、アニメ共に「スパイファミリー」を楽しく鑑賞しているが、気を抜くとつい「スパイ&ファミリー」と呼んでしまう。

恐るべし「スパイ&スパイ」。

偉大なりファミリーコンピュータ。




もしくはスライ&ザ・ファミリーストーンかも






そんな話はさておき。


私は河川シーバス釣りを始めて今年で5年目を迎える。

ウェーディング童貞のおかっぱり一筋だ。

平均的な釣行回数は年間60~70回。

サンデーアングラーに毛が生えた程度の釣行ではあるが、それなりに魚に恵まれ、それなりに経験を積んできたと自負している。


シーバスをルアーで釣ることは難しい。


私たちアングラーを虜にするシーバス。

そこそこのサイズまで育てば河川の生態系ピラミッドでは頂点に位置づけされるはずだ。

当然、絶対数は少ない。

また常に着き場が変わり、居場所を探し出すのが難しい。

ルアーにスレることも多く、シーバスの姿を確認できてもルアーには無反応…なんてことも日常茶飯事。


そんな釣りを数年続け数少ない貴重な釣果を振り返ってみれば、やはりそこには不文律が垣間見える。

釣れたには釣れたなりの理由があるのだ。

世間一般で言われている通り、河川シーバス釣り攻略のカギとなるのは…


【ベイト】【流れ】


といってまず間違いないだろう。


シーバス釣りはベイトありき。
そんなフレーズをよく耳にする。
餌となる小魚がいなければフィッシュイーターであるシーバスもいないのは当然の話。
逆を言えばベイトを見つけさえすればシーバスの出現が期待でき、釣れる可能性はぐんと上がるというワケだ。
そのため、上級者になればなるほど常にベイトの存在を意識して釣りをする。
場所の見切りが早い事などその最たる例だろう。

ベイトがいるのかどうか、よく分からない。

私に限って言えば、これが正直な感想だ。
Twitterで「今夜はベイトっ気がないなぁ」なんてほざいてみるのは、ちょっと玄人ぶってみたい時。
5年目とは思えない稚拙スキルに目も当てられないが、シーバス釣りをする際、私はベイトの有無を殆ど把握できていない。
種類を特定するに至っては殊更難しい。
コノシロを始め割かし大きめのベイトには気付くこともあるが、多くのシチュエーションで私はベイトの存在を感じていない。
「ベイトはきっとここにいる」
言わば信仰に近い思い込みに支えられ、日々のフィッシングライフを過ごしている。

当然その多くは錯覚である。
ベイトはいない。
年がら年中ホゲ散らかしているのは、つまりそういうことであろう。
対象魚がいない場所で延々と釣りをしてしまう悪循環。
錯覚は代償を呼び、ついにはいつまで経ってもシーバスが釣れないマンが出来上がることになる。


河川シーバスの代表的なベイトとしては、ボラ(ハク、イナッコ)、イワシ、サッパ、コノシロ、鮎、サヨリ、ハゼ…そしてアミやバチなどが挙げられるだろうか。
恐らく他にも沢山いるはずだ。
実際に肉眼で見たことがあるのはその3割にも満たないが、一般的に見聞きするのはそんなところか。

ベイトの有無が把握できなければ魚を釣ることは難しい。
ベイトを特定できなければ再現性を高めることは難しい。

数年かけてたどり着いた結論。
そろそろ頭を使ってみよう。
行き当たりばったりの、フーテン暮らしの寅さんみたいな魚釣り。
もう卒業しよう、令和5年は賢くいこう。

釣り場に着いたらベイト探し。
いない、もしくは回遊が期待できないのであれば思い切ってその場を捨てる。
粘らず見切る。
その習慣が身につくだけで私の釣りは劇的に変わるだろう。
シーバス打率は上昇し、より効率的なフィッシングスタイルが確立されるはずだ。

ベイトが見つかればそれが何なのか、その種類までしっかりと検証する。
「あらま!今日はなんだか賑やかねぇ!」で済ますのはもうよそう。
ベイトを特定した上での釣果は次に繋がる。
再現性に繋がる。


そんなわけで十数年振りに眼鏡を新調した。

ベイトを確実に見つけだす方法…私が導き出した答えは「視力の矯正」だ。
世界はこんなに美しかったのか!
眼鏡屋さんを出て私は驚いた。
近視や乱視が進みギリ運転が出来る程度の視力しかなかった私は、ずっと幻の中にいた。
マヌーサをかけられた哀れな初老だった。

私はもうベイトを見逃さない。
橋脚の陰に隠れていようが、ちょっと深めのレンジを泳いでいようが無駄だ。
視力1.0はどんなベイトも察知する。
彼らはもうお手上げだろう。

ベイトを判別するのは、目で見ることだけが全てじゃない。
勿論分かってる。
が、サーチ能力や予測能力といった自身のスペックには触れずにいたい。
傷つきたくない。
人間的欠陥を認めたくない。
知らぬが仏といった言葉もあるのだ。
私は釣りIQなんて知らなくていい。

さあ、気づけばもう2月。
河川シーバス釣りの開幕まであと少しだ。
今年はこれまでとは一味も二味も違った展開を目論んでいる。