上場株式配当所得の所得税や住民税などの配当控除計算方法を解説

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確定申告での配当控除を解説。住民税や所得税それぞれの配当控除のやり方とは。

今日の記事では上場株式における配当所得の控除計算、源泉徴収か確定申告すべきかの判断材料について説明していきます。

配当控除の恩恵を受けるには、実質的な控除額の理解が大切。

今回は課税所得1000万円以下の方を対象に、配当所得における【総合課税方式】での国内株配当にかかる所得税や住民税の詳細な税率に詳しく見ていきましょう。

☆ 本記事は2021年度の確定申告について調べた記事です。申告につきましては法改正など最新の情報ご覧ください。

配当所得の総合課税での配当控除と所得税率

○ 課税所得毎の所得税率

国内上場株式における配当所得に関する配当控除において、総合課税における課税所得毎の所得税率は下記表の通りです。

課税所得金額 所得税率
〜195万円以下 5%
〜330万円以下 10%
〜695万円以下 20%
〜900万円以下 23%
〜1000万円以下 33%

配当控除の適用と効果については、これら税率の理解が大切です。よく理解しておきましょう。なお、今回は1000万円超のものについては割愛させていただいています。

○ 所得税における課税所得毎の配当控除

 

さて、配当所得における上記の所得税率に対して、配当控除はどのようになっているのでしょうか。

ちなみに上記リストにある課税所得1000万円以下では、配当控除は10%が適用されます。

この配当控除は課税1000万以下では一律10%になっています。

それでは下記の表で控除率10%を控除する前、控除後の税率について記載していきます

○ 所得税における配当控除後の所得税率

国内上場株式における配当所得に関して、課税所得毎に配当控除でどのように所得税率が変わっていくのかを見ていきましょう。これらも下記表を参照してみてください。

課税所得 控除前所得税率 控除後所得税率
〜195万円以下 5% 0%
〜330万円以下 10% 0%
〜695万円以下 20% 10%
〜900万円以下 23% 13%
〜1000万円以下 33% 23%

ちなみに特定口座で源泉徴収された際の配当は、所得税および復興特別所得税で税率は15.315%。

配当控除を比較する上で大切な税率なので、こちらも合わせて覚えておきましょう。

続けて配当控除にもうひとつ大切な要素である住民税率についても確認していきます。

配当所得の総合課税での配当控除と住民税率

○ 課税所得毎の住民税率

今度は国内上場株式における配当所得の配当控除において、住民税率について見ていきましょう。総合課税における課税所得毎の住民税率は下記表の通りです。

課税所得額 住民税率
〜195万円以下 10%
〜330万円以下 10%
〜695万円以下 10%
〜900万円以下 10%
〜1000万円以下 10%

表では1000万円超のものは割愛させていただいてますが、総合課税における住民税率では10%での適用となります。

○ 住民税における課税所得毎の配当控除

さて今度は住民税に関して、配当所得における課税所得毎の配当控除についても確認していきましょう。

課税所得1000万円以下では、配当にかかる総合課税での住民税率における配当控除は2.8%となります。

これらを適用すると、住民税率はどのように変化するのでしょうか。

実際に計算してみましょう。

○ 住民税における配当控除後の住民税率

課税所得1000万円以下の配当における、配当控除後の住民税率は7.2%になります。

税率計算は簡単です。10-2.8=7.2となり、7.2%の配当における配当控除後の住民税率が算出されます。

さてこれで課税所得1000万円以下の配当における、配当控除後の税率計算の材料がそろいました。後は

続けて配当控除前と配当控除後の税率について確認していきましょう。

確定申告の配当控除の恩恵を享受できるか否か

○ 配当源泉徴収税率20.315%が目安

国内株式での特定口座利用における配当所得では、現在は20.315%の源泉徴収がなされています。では配当に関してこの数字を参考に、「所得税および住民税ともに総合課税で申告」ををした場合の適用税率を下記表を参照してみましょう。

下記表は配当所得において、総合課税での配当控除の利用における、課税所得毎の「所得税率+住民税率」の税率を指しています。

課税所得 総合課税    
〜195万円以下 7.2%
〜330万円以下 7.2%
〜695万円以下 17.2%
〜900万円以下 20.2%
〜1000万円以下 30.2%

再三の確認となりますが、源泉徴収方式だと所得税および復興特別所得税が15.325%、住民税が5%ので合計20.315%。

例を挙げると課税所得695万円以下の配当所得で配当控除を利用すると「所得税率+住民税率」は17.2%。これは特定口座での源泉徴収方式20.315%を下回っているので総合課税を検討してみても良いかもしれません。

○ 申告の手間と手残りどちらを取るか

現在の上場株式の取引きや配当所得は、特定口座における源泉徴収制度を利用されている方が多いのではないでしょうか。

特定口座での源泉徴収は申告しなくても納税してくれて便利なものです。

いっぽう総合課税で配当所得の配当控除の適用を受けるなら、確定申告は必須となります。

自身の手間を取るか、手残りをどちらを取るか、それらをしっかり考えて配当控除を検討してみましょう。

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