今日は久しぶりに出勤の日。
ルーチンワークを開始して暫くすると、今日はミスターNもご出勤だった模様。
相変わらずマスクをつけまたまたま、左側の通路を通る姿が見えた。
5分もたたないうち、またミスターNがお通り遊ばされた。
それからたまた、2,3分後も。
ちらっと左横を見た瞬間、ミスターNと目が合った。
ぞわーーーーーーっとしたものが体を駆け巡る。
嫌悪感と拒絶感がまざり、体が硬くなる。
冷や汗を感じる。
ダメだ。生理的にダメ、この男。
普通に女性を見るのではなく、女性を「女」として見ている目だ。
これは微妙に違う。
体が感じることだ。
女性なら分かってもらえるだろう・・・。
トイレに行く振りをして通路に出ると、まだミスターNが立っていた。
何やらスマホをいじっている。
ミスターNとは逆の方向に行って、3階のトイレに行った。
戻るとまだ立っている。
……話しかけるか!
無視無視。
この ふら~っ とした行動。
女を求めてさまようKY独身男子独特の雰囲気。
こわい。
でも独身でなくても、こんな風にさまよう既婚男子もいる。
もっとこわい。
社内ストーカーのようなものを感じる。
さてランチの時間。
私はいつものように12時15分頃に席を立った。
隣のフロアにいるミスターNもその頃離席したようだ。
他のメンバーも同じころの時間。
会ったことのない部長の中林さんだけ、さっきから退席中。
ここんとこ連日ランチ時間の前後に2,3時間退席中だゾ???
武藤さんは相変わらず自席でランチ。
他のメンバーのオンラインステータスでもチェックしてんのか?
この暇女。
中林さんは最近まで数年間、ある超一流メーカーのアメリカ支社長をしていた模様。
こちらも光り輝く国立大学ご卒業。
でもそのアメリカ支社が閉鎖になり、この外資企業に転職した方。
武藤さんの秘書共有ファイルに、部長職以上の略歴ファイルがあったから、ちらっとのぞき見。
ふーん。
昔は海外転勤は栄転のシンボルだった。
私が新卒入社で海外転勤帰りの方々は、帰国後素晴らしいポジションに就いて、昇進されていた。
でも・・・
今は無理に格上げして左遷される対象者が海外に転勤になることが多い。
10年前に勤めていた会社で秘書をしていた時、ファイリングを頼まれた資料を読んで愕然としたことがあった。
「XX君を現在の主任地位からシンガポール支社長に任命したい。現地に行かせた後、辞めるように仕向けると良いのではないか。」
といったコメントが役員会議の議事録に載っていた。
おそろしーーーーーー。会社ってこわいところ。
XX君は私と同世代で、当時は主任クラス。
いきなり海外支店の社長なんてふつー考えられないよね~。
英語もままならなかったっつーのに。
ほんとにシンガポールに飛ばされてあれからどうなったんだろう・・XX君。
現地で再就職でもしたんかね?
それとも辞めて日本に帰国して別の会社に??
もちろんこの中林部長も、そんな対象だったんだなと思わされた人だった。