なぜ昆布だしは、沸騰する前に取り除くのか

私事ですが、料理する際にわざわざ本物の煮干しや昆布で出汁をとる、というようなことはあまりしません。顆粒のほんだしという、便利なものがあるからです。

しかし、ちょっと凝った料理をするときには、前日から出汁を取って準備したりします。

中でも昆布出汁をよく使うのですが、「昆布だしは沸騰する直前に取り出す」と言われています。

これは何故でしょうか。

 

 

昆布を沸騰前に取り出す理由

昆布の出汁の取り方は、

1、水に数時間漬けておく水出し
2、煮て出す湯出し

と2種類あります。

煮て出汁を取る時に、お湯の温度が70℃を超えると、昆布からアルギン酸という食物繊維の一種が溶け出してきます。

昆布のぬめり成分でもあるアルギン酸は、風味を損なう成分なので、これが溶け出しくる前に、昆布を取り出してしまおう、という訳です。

出汁の取り方

♢水出し

水出しは、硬く絞った布巾などで表面を拭いたのち、最低3時間、できれば一晩水に浸して出汁を取る方法です。

水1リットルに対して、使う昆布は10~20g程度。

味の方は、すっきりとした上品な味わい、とよく表現されています。

ボウルに水と昆布を入れ、匂い移り防止のために、蓋かラップをして冷蔵庫へ。

♢湯出し

湯出しも、表面を拭いた昆布を水を入れた鍋に入れ、30分~1時間水で戻した後、ゆっくりと火にかけ、煮出して行きます。

鍋から小さい泡が出始めた頃合いで、取り出すと良いのですが、短時間でそこまで持っていくと、旨味成分が完全にできっていないので、

出来れば20分くらい時間をかけて、その段階まで持っていくと美味しい出汁が抽出できます。

水出しに比べて濃厚な旨味が引き出せます。

昆布の表面の白いモノの正体

昆布は屋外で乾燥させている場合が多く、表面に砂粒などが付着している可能性があるため、使う前に硬く絞った布巾なので拭きます。

流水で洗ってしまうと、旨味成分まで溶け出てしまうので、水洗いはしません。

また、使う前の乾燥した状態の昆布の表面に、白く浮き出たカビのようなものがある場合がありますが、これはカビや汚れではなく、

マンニットと呼ばれる糖類の一種で、昆布の旨味成分の一つです。

これを汚れだと思って、一生懸命落としてしまうと、昆布の旨味を逃がしていることになるので、注意しましょう。

ちなみに昆布出汁は、煮出し水出し共に、ある程度の量をまとめて取っておいて、冷蔵庫で保存しながら、何回かに分けて使うことは出来ます。

ただし、長期保存は出来ないので、3~4日で使い切るようにしてください。

 

出汁を取った後の昆布の活用方法

実は、出汁を取った後の昆布は、まだ出汁を出すことができます。
いわゆる二番出汁と言われるものです。

弱火で10分程度煮だすだけです。

また、もう出汁には使わないという場合でも、昆布にちょっとひと手間かけて、おかずにすることもできます。

一番簡単なのは、佃煮ですかね。

出汁を取った昆布をお好きな大きさ、形状に切って、
フライパンで、しょうゆ、みりん、お砂糖、かつお節適量ずつで炒めるだけです。

お好みでゴマ、唐辛子、ショウガなどを入れても、美味しいです。

その他、煮物とかにも使えちゃいます。

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