Rue de Condé

都会から田舎へ -NY Finger Lakesでの生活-

土地と言葉と文化

こんにちは

 

今週は職場でscam被害に巻き込まれたり (私が被害にあったわけではないが)

日本のリモートが忙しすぎて肩こりがひどかったり・・・

うざい同僚にイラついたり (ほとんどいい人ばかりだけど一人どうしても馬が合わない)・・・

 

早くサンクスギビングの連休よ来てくれ・・・!

遊ぶどー


Thanksgivingといえば・・・

今日アメリカならでは面白ニュースをみました

思わず吹き出しそうになった

 

ニュースのタイトルは

”(調理済み) ターキーはcarry-on (機内持ち込み)、グレーヴィはCheck-in".

同じニュースが見つけられなかったけど、以下に似た内容が。

www.cnn.com

グレーヴィは他の液体と同じく少量ならジップロックにまとめて入れてキャリーオンもできるが、おそらく多くの場合はそれより多いでしょうね 

 

 

まぁそれはおいておいて

 

先日Gayogo̱hó:nǫ' (FLXエリア、主にCayuga Lakeのエリアの先住民の言葉) のクラスで

面白い表現を習いましたので紹介させてください。

 

【フィンガーレイクス先住民】

今までチロチロと書いてますが

私の今住むIthacaに250年ほど前まで住んでいたのがGayogo̱hó:nǫ' (ガイオコーノ) 族です。(Cayuga族と書かれることがほとんどですが、これはコロナイズした側が呼び始めた呼び方であり、本当は正しくありません)

 

Gayogo̱hó:nǫ'族の話す言葉はそのままGayogo̱hó:nǫ'といいます。

 

ヨーロッパからアメリカ大陸に入植がはじまり

Gayogo̱hó:nǫ'をはじめとしたHodino̱soh:nih (ホディンソーニ -部族によって発音が若干異なる-。Gayogo̱hó:nǫ'を含む6部族、これもSix NationsやIroquoisと呼ばれる。Iroquoisはコロナイズ下側の勝手につけた名前なのでこちらもあまり好まれない) は住む場所という物理的なものだけでなく、言語を奪われました。

 

現在Gayogo̱hó:nǫ'を第一言語として話すのはわずか9人

そのうち、最年少の方は40代で、あとの8人は70~80代以上の高齢者です。


【何回冬を越した?】

そんなGayogo̱hó:nǫ'の面白い表現を習いました。

 

"何回冬を越しましたか?"

 

直訳では"How many winters you went through?"

という意味になるそうです。

 

これ、どういう意味か分かりますか?

 

 

 

意訳では

「あなたは何歳ですか?」

 

という意味です。

 

 

なるほど、NYのこの地で暮らしたGayogo̱hó:nǫ'らしい表現だなと思いました。

冬は彼らにとってもとても厳しく、他の季節とは大きく異なるものだったんでしょうね

 

日本でも「冬をこせるかどうか」なんて、

時代設定古めの映画とかドラマで聞くこともあるかもだけど

 

日本の場合は

命、生きることと結び付けた時に

冬をそのままつかうのではなく

「春を迎えられるか (=何回桜を見られるか)」

という婉曲的な表現のほうが多いかな

なんて思いました。

まぁこれも普段の会話ではまず聞きませんし

「何歳ですか」から少しずれてますが・・・

 

日本人 (主に本州?) にとっては春という季節は非常に特別な季節

出会いと別れ

終わりと始まり

 

まぁ

深い本当の表現の由来はきちんとは分からないけど

 

 

この表現を聞いたときに

そんなことを感じたのでした。

 

【土地と言葉】

土地と言葉、環境と言葉というのはとても面白いつながりがあります

専門家ではないのでアレだけど

 

日本語にしかない表現 (訳が難しい表現) が沢山あるのと同じで

その言語にしかない言葉というのが多くある

 

Gayogo̱hó:nǫ'も例外ではなくて

先生 (カナダで生まれ育ったので英語もネイティブ) ですら良く

「これは英語ではうまく言えないんだけど」

とよく前置きをする

 

そういう言葉の多くが

その土地の環境に大きな影響を受けていると思う

イヌイットの言葉では雪を表す言葉が20近くあるそうだし

日本には沢山の雨の言葉がある

 

Gayogo̱hó:nǫ'もイサカやこのエリアにつながる言葉がたくさんあって

普段の言葉だけでなく

歌い継がれてきた歌にも沢山はいっているらしい

 

ただ、Gayogo̱hó:nǫ'が土地を追われて移住させられたカナダのサウザンオンタリオのreservationではイサカと全く土地が違うので

イサカの土地に戻るまで、言葉の意味が良く分からなかったという

 

【ある言語に特有の言葉を集めた本】

Landmarks

これはアメリカでもかなり評価が高い本で、この記事内容に一番近いかもしれない。

自然、土地、人間、言語 (UKについて) とその相互のつながりについて、

本の虫の夫・イサカンの友人の多くも大絶賛。

 

たった一つの単語によって

人は風景を鮮やかに思い描くだけでなく

その時の空気、感覚、記憶までつながっていく。

美しい本です。

 

こちらも辞書のようにパラパラと虫食いできます。

Discover Robert Macfarlane's joyous meditation on words, landscape and the relationship between the two.

Words are grained into our landscapes, and landscapes are grained into our words. Landmarks is about the power of language to shape our sense of place. It is a field guide to the literature of nature, and a glossary containing thousands of remarkable words used in England, Scotland, Ireland and Wales to describe land, nature and weather.

Audibleで無料で聞けます (2カ月無料体験)

 

翻訳できない世界のことば

数年前にちょっと話題になった本

実家にまだあるから今度送ってもらおう。

素敵なイラストで、絵本みたいにみれる。

はじめから読み始める必要がなくて、パッと開いたところを虫食いするのも◎

 

英語版はこちら

 

 

 

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