箱根登山鉄道の電動貨車、モニ1型は、1975年に東横車輛電設で製造された工事用車両です。
「モニ」という名称が与えられてはいますが、両端の運転室に挟まれた車体中央部が雨晒しの無蓋車の形状からは、「モト」と呼ぶに相応しいものと思います。
このモニ1は、日中はあまり走行することはないそうです。
ところが、はからずも、5月2日(月)、箱根湯本駅の駅舎を出て、蕎麦でも食べようと、塔ノ沢方向に商店街へと歩き出した時に、箱根登山鉄道の電動貨車、モニ1の走行シーンに出会いました。
箱根湯本へは、表参道から10:16発のメトロはこね21号(MSE 6000形)に乗車し、11:47ですから、12時少し前のことと思います。
走行してきたモニ1に気づいたのは、駅前の鉄橋を渡り切ったあたりで、呆気に取られながらも、急いでズボンのポケットに入れておいたスマホを取り出そうとしました。
しかし、モタモタするうちに、走り去ってしまい、カメラに収めることができませんでした。
蕎麦を食べた後、登山鉄道に乗車し、彫刻の森美術館に向かいましたが、写真を撮りそこなったときの後味の悪さは、この趣味の人には御同意いただけると思います。
その日は、孫文や与謝野晶子、鉄幹夫妻も宿泊したという、小涌谷に位置する情緒あふれる三河屋旅館でくつろぎ、日頃の疲れを癒しました。
温泉と小田原の海の幸などの日本料理に満足したことは、いうまでもありません。
翌日、3日は昨日の小雨から打って変わって朝から好天の絶好の行楽日和。
しかし、10時チェックアウトギリギリまで宿で過ごして、何もせず、そのまま上りの電車で帰るつもりです。
宿の送迎マイクロバスで、箱根登山鉄道の始発駅である強羅駅に送っていただきました。
そこから、箱根湯本駅に戻り、駅弁を買ったりや土産物屋をうろついたりして、何処へも寄らずまっすぐロマンスカーで帰宅します。
この選択が、とっても良い選択になりました。
まず、強羅駅のホーム側線に、昨日逃したモニ1が佇んでいました。
いるのではないかと思ってはいましたが、昨日逃しているので、ここでモニ1にお目にかかれたことに、心踊りました。
ボディーに描かれたイノシシくんのイラストが愛嬌があってとっても好ましいですね。
箱根登山鉄道の下り電車は、コロナによる移動制限が解かれたゴールデンウィーク期間中であるので当然ですが、どの電車も大勢の乗客が乗っていて、ケーブルカーに乗り換える人などで混雑が広がるばかりです。
それに対して、上り電車は、空いている座席も目立つほど、車内はゆったりとしていました。
汽車旅を味わえて、鉄道ファンには、これほどの楽しい時間はありません。
乗車したのは、3100形2連+3000形、アレグラ号の最後尾車両です。
急カーブを走る箱根登山鉄道では、窓を開けずとも前に付く車両が前に進む姿を見ることができます。
このような、遊園地の豆汽車のような可愛らしさが箱根登山鉄道の魅力だと思っています。
終着駅も近づいてきた頃、女性の車掌さんが、4月29日から売り出したキーホルダーの車内販売に来られたので、1つ購入しました。
500円です。おまけとして、乗車記念カードを付けていただきました。
カードの裏には、本日の担当欄には、「たのしんでね」と記載されていました。