EF58形電気機関車に魅せられた人は数知れず、同機は大型車日本一有名な機関車と言っても過言ではありません。
デッキ付きの2C+C2の軸配置の機関車の下回りに先台車までカバーする長いボディーを載せ替えて生まれた、その流麗な形態は唯一無二のものです。
どのゲージでも、最新のEF58の模型は、細密度、走行性能動的とも、もうそれ以上手を入れるところがないまでの完成度になっています。
その走行ぶりは、直線を前後しているだけならば何も問題はありません。
しかし、カーブに差し掛かると、先台車と一体の端梁がボディーから飛び出す程に横揺れする様は、興ざめしてしまいます。
16番は走らせるゲージとして誕生しました。
Nゲージなら尚更、その傾向は強いと思います。
それならば、走行時にこそ、少しでも違和感のないモデルになるように、足回りの構造を見直したいと考えた訳です。
それで、先日、一つの方策として端梁をボディーに取り付けることを提案いたしました。(天賞堂のEF58ウォームを整備する(3)〜掴み棒のこと〜)
列車単位で編成を組み、走らせるモデルと割り切れば、先頭に立つ側のカプラーは、お飾りでも構わないはずです。
テンダー蒸気機関車、電気機関車でもEF55の場合は、付随車の連結は第2エンド側に任せることにためらいはないかと思いますので、EF58でも同じように割り切ってはいかがでしょうか。
言葉であれこれ言っているだけでは、どういうことなのか、分かりにくいと思いますので、さっそく実際に試作してみました。
取り出したのは、これも天賞堂のEF58、上越型(ボディーのみ所有)です。いずれ下回りを確保できたら完成させたいと思っています。
工作自体は、全然難しいところはありません。
悩んだのは、先台車の台枠をカットすることになるので、後戻りできないと躊躇したことぐらいです。
工作の実際は、次のとおりです。
①先台車台枠をカプラー取付孔の手前で、糸鋸で切断する。
②端梁及びカプラー台の取付板を作成する。
取付板は、チャンネル材(5×15×5:とアングル材(5×5)をハンダ付けして製作する。
取付板には、カプラー取付用にφ2.0のタップを立てる。
床板との取付には、φ1.4のタップを立てる。
こうして組み立てたものが、下の作例です。
これまでの先台車、端梁一体型の構造は、静止時のプロポーション重視であるとすると、私が試作した端梁ボディー取付方式は、走行、ことにカーブのきつい模型レイアウト走行時の動的プロポーション重視ということになります。
いかがでしょうか。
できれば、模型メーカー各社にも、この方式の可能性だけでも、ご検討いただければ有難く思います。
16番やHOでは、オプションで先台車端梁一体型の交換パーツを用意していただき、どちらかを選択できるように。
また、Nゲージではそっくり下回り交換ユニットを別売いただくというのはいかがでしょうか。
おわりに、この方式の弱点について触れておきたいと思います。
先台車取付板を切断してしまいますので、足回りのサイドビューに問題が生じます。
先台車取付板切断によりスキマができてしまうからです。
完全な解決にはなりませんが、下図のような形にカットすることで、かなり目立たなくなると思います。わ
今はまだモデルを完成まで持っていく目処が立っていませんが、いずれ完成させて、カーブを走行するシーンを実際に確認できればと思っています。