30代後半組み込みエンジニアの転職:転職サービスの選び方

2021年6月現在、筆者は30代半ば過ぎの組み込みエンジニアです。

今後のキャリアや、昨今のコロナ禍における働き方、仕事のやりがい、etc…
転職を考えたきっかけは様々ありますが、マイペースにここ半年ほど転職活動を続けていました。

転職は昔よりも一般的になってきたと言われていますが、とは言え転職経験がない方の方が大多数だとは思います。

筆者もそんな大多数の中の一人であり、転職を進めるにあたりどうすれば良いのか、どんなサービスを利用すれば良いのか、手探りしながら進めています。

この記事では、組み込みエンジニアとして各転職サービスを利用した筆者の実体験をもとに、
それぞれのサービスの特徴や、筆者がどのように利用したのかをご紹介したいと思います。

転職エージェント型サービスとSNS型(非エージェント型)サービス

転職活動を始めようとした場合、何らかの転職サービスを利用するのが一般的かと思います。
この転職サービスも多種多様に存在しますので、どのサービスが自分に適しているのかを見極める必要があります。

筆者も実際に下記に挙げる転職サービスを利用して転職活動を進めていきました。

『転職サービス』として利用されるのは大きく分けると、
・転職エージェント型サービス
・SNS型サービス

の二つに分類されます。

どちらも『求人者に対し企業とのマッチングの提供』という目的は同じですが、
企業とのアプローチの仕方はエージェント型かSNS型かで大きく異なります。

転職エージェント型サービスの特徴

転職エージェント型のサービスは一言で言うと、
エージェント』さんが求職者と企業の間に入ってお世話をしてくれるサービスです。

求職者は自分にマッチする企業を探し、その企業に対しアプローチしたい。
企業側は企業の求める人材を探し、その人材に対しアプローチしたい。
その間を取り持ってくれるのがエージェント型サービスになります。

そのため求職者の観点から見ると、エージェントさんは
希望する条件の企業の紹介
企業への応募や日程調整等の代行
・求職者の書類や面接への対策
・企業側との条件面の交渉
と言った、転職のスタートから成功するまでを徹底的にサポートしてもらえます。

以下では筆者が実際に利用した転職エージェント型サービスについてご紹介していきます。

リクナビNEXT

就活でお世話になった人もたくさんいるであろう、国内最大手のサービスです。
私の場合は転職活動を始めるとっかかりとして、まずはこちらに登録しました。

どちらかと言うと転職を決意してからと言うより、
なんとなく『自分が今転職したとしたらどのぐらい選択肢があるのだろう?』というのが気になり登録しました。

利用してみての所感

条件に応じて大量の求人案件から検索ができますし、エージェントさんからの連絡も頻繁に頂けます。
バイト探しのように気軽にどんな求人があるのかを調べられるのはとても便利です。

『今から転職活動を始めても大丈夫なのかな?』と不安な方は、まずは登録してみて現状の自分の選択肢がどの程度存在するのかを確認して、現状認識してみると良いのではないでしょうか。

マイナビITエージェント

こちらも就活で利用した人が多いであろう、マイナビが運営するIT系に特化したエージェント型サービスです。

私は本格的に転職活動を始めた際にこちらに登録をしました。
登録すると担当エージェントが一人付き、面談を経て求職者にあった求人を多数紹介していただけます。

利用してみての所感

エージェントさんの進め方にもよるのかもしれませんが、私の担当の方は『少しでも気になればまず応募!』というスタイルで、スピード感重視の印象です。

実際、40代に近くについて案件数も少なくなりますし、書類選考のハードルも高いです。
エージェントの方は書類選考の通過率は1割程度と話していましたが、実際それぐらいの感覚です。
そんな背景もあるため、少しでも転職の可能性を高めるためにも”まずは応募”という進め方になるようです。

求人案件としては大手企業からベンチャーまで幅広いですが、どちらかと言うと大手などの企業が中心のような印象です。
大手にしようかベンチャーにしようか悩んでいる状況であれば、どちらも選択肢として進んでいけるところがポイントかと思います。

エンワールド

個人的にお勧めしたいのは、こちらの『エンワールド』さんです。

外資系企業への強さを売りにされている転職エージェント型のサービスですが、国内で成長中のベンチャー・スタートアップ企業の案件も多く扱っているというのもポイントの一つかと思います。

リクナビやマイナビのように大量の案件から選ぶと言う進め方ではなく、求職者の要望に応じて『これは!』と思う案件を丁寧に紹介してくれます。

時間をかけて1社ずつ丁寧に進めたい方に向いている印象です。
逆に一度に何社も同時に進めたいような急を要する場合はリクナビやマイナビの方が向いているでしょう。

利用してみての所感

面談によって転職者の希望を伝えると、希望に沿った分野に強いエージェントの方から個別に企業を紹介していただけます。
なので転職者に対して一人のエージェントがつくと言うよりも、転職者の希望に沿った案件を持っているエージェントの方からそれぞれ連絡を頂く形になります。

私の場合は『IoT』『ロボティクス』といった分野に興味がありました。
面談時にそのことを伝えると、その分野に強みを持ったエージェントの方からそれぞれ紹介を受ける形になり、およそ3名程度の方とやり取りを進めていきました。
また面談時にベンチャーにも興味があることを伝えると、ベンチャーと大手の違いや転職時の考え方など、基本的なところからしっかり相談に乗っていただけたのもありがたかったです。

エージェントと企業間の連携もスムーズな印象ですので、選考の進め方に対しても非常に安心感があります。

外資系(日系)企業やベンチャーなどにご興味ある場合、ぜひ登録してみてはいかがでしょうか。

SNS型サービスの特徴

SNS型サービスは、その名の通りfacebookのようなウェブサイトに自身を登録し、
企業とつながる“ことで応募やスカウトを受けるというサービスになります。

SNS型のサービスの場合、facebookなどで友人に対しつながりをリクエストするかのように、
求職者と企業が直接お互いのつながりを求めることになります。

求職者は自身のプロフィール欄に履歴書や職務経歴書に近い内容を入力します。
また企業はその企業の情報や求人情報を掲載します。

企業側はこのプロフィールを確認してスカウトを送ることもできますし、
求職者側は気になる企業に対して応募書類としてプロフィールを使用することができます。

そのためSNS型サービスの場合は場所の提供であり、エージェント型のように求職者と企業との間に第三者が入って調整を行ってくれるわけではありません
その代わり、企業の担当者と直接会話ができるため、面接以外でもお互いの情報のやり取りを気軽にできるというのがメリットになります。

組み込み系を含めたIT分野での求人が多く、かつ大手企業よりはベンチャーやスタートアップと言った若い企業の求人が主というのが特徴と言えます。

またIT系と言ってもどちらかと言うとWebやシステムよりの求人の方が多い傾向にある印象です。
組み込み系の求人もありますが、絶対数としてモノづくり系よりもWeb/システム系のベンチャーやスタートアップの方が多いことから、求人の比率もそのような傾向にあるのでは?と感じます。

それでは以下に、筆者が実際に利用したSNS型求人サイトについてご紹介していきます。

Wantedly

主に若手の方向けのベンチャー・スタートアップとのマッチングを目的としたサービスという印象が強いです。
とは言えリーダーや責任者などベテランを対象とした案件も多いため、実際は幅広く利用可能なサービスかと思います。
(ベンチャー・スタートアップが主なので、比較的企業側も年齢層が若いと言うのはあります)

求人ではあるものの給与など具体的な条件は明記されないのは一つの特徴かと思います。

記事中には
・なぜやるか
・どうやってやるか
・こんなことやります
の項目に分けて職務内容が書かれており、細かい条件よりも求めるスキルや企業の想いが前面に書かれています。

「この内容に共感できるならば、まずは気軽にお話ししましょう」というスタイルですね。

利用してみての所感

Wantedlyを通じて何社かお話をさせてもらいました。
選考ではない(と言っても実質選考だったりしますが)という体で、肩肘張らず企業の方とフランクにお話しできるのはとても貴重な体験でした。

その結果、考え方に共感できれば応募に進みますし、そうでなければそれきりというのもあります。

まだ実績の少ないスタートアップ企業の場合、企業側の考えやこの先のビジョンなどを知ることが重要だと思いますので、そう言った企業を狙っている方には必須のサービスではないかと思います。

Green

GrennはSNSと言うよりは非エージェント型と言った方がしっくりくるかもしれません。
Wantedlyよりもう少し幅広くIT系の求人情報を扱っています。

求人情報には給与などの条件面も明記されており、気になる企業に対してはGreenから応募を行うことができます。

また逆に自分の職務経歴書相当のプロフィールを載せることにより、企業側からもスカウトという形で連絡を頂くことができます。

利用してみての所感

エージェントが間に入らないためフォローはありませんが、自分のペースで進められると言うのは非常にやりやすいと感じました。

また選考の過程での企業側とのやりとりも全て自分で行うため、企業の方と直接お話ししながら進められると言うのはメリットと言えるかもしれません。
面接以外に企業側の対応や雰囲気を見ながら進められますので。

一方で、やりとりに不安がある場合でも全て自分で処理しなければなりませんので、その辺りが評価の分かれるところなのかな?とも思います。

LinkedIn

LinkedInは転職サービスと言うよりはSNSそのもので、世界で約7億人が利用するビジネス向けソーシャルメディアです。

“ビジネス向け”という通り、プロフィールにはいわゆる自己紹介の他、求職状況やこれまでの職歴など自分をアピール可能な項目が用意されています。
またメニューの中に『求人』という項目があり、そこから求人情報を参照・応募も可能です。

また登録したプロフィールはLinkedInを利用している採用担当やエージェントの方に公開することができるため、プロフィール経由で個人に直接メッセージを頂くこともできます。
(転職に興味がない場合は、プロフィールを採用担当者に非公開にすることも可能です)

利用してみての所感

私の場合は「プロフィールを見て頂いたエージェントさんからのアプローチを待つ」という形で利用していました。
実際、上述の『エンワールド』は直接登録したのではなく、LinkedInでメッセージを頂いたことがきっかけです。

特定のサービスに登録しなくても各社のエージェントさんと会話が可能になりますので、そこで『この人だ!』と思ったエージェントさんに出会ったら話を進めると言う方法も良いのではないかと思います。

各サービスをどのように利用して進めてゆくか

ここからは、上記のサービスをどのように利用しながら進めていくのが良いのか、
筆者の考えを述べてゆきたいと思います。

個人的にオススメしたいのが、
・まずは大手転職エージェント型サービスに登録して自分の市場価値を知る
・市場価値を理解した上で、
 ・大手企業を狙うのであれば大手のエージェント型サービスで進める
 ・ベンチャー/スタートアップを目指すのであればSNS型サービス等で進める

という進め方です。

大手転職エージェント型サービスで自分の可能性を把握する

私が転職活動を始めてまず気になったのは、今までの自分のキャリアや年齢だと現実的にどのような求人が存在するのかどうか。
一般的に40代に近づくと転職が難しくなると言われている中で、自分が応募可能な求人がどれだけ存在するのかを確認したいと考えました。

そこで私の場合はまず『リクナビNEXT 』に登録しました。

リクナビNEXTはエージェントやキャリアアドバイザーと進めていくこともできますが、SNS型のように企業や他のエージェントからのオファーも得ることができます。
自分で求人を検索する以外にも様々なエージェント/企業からの通知をもらうことで、自分のキャリアに対する反応を得ることができたのは、非常に有意義でした。

この反応を多いと取るか少ないと取るかはその人次第ですが、何となく狙っていくポジションの照準が定まってくるのでは?と思います。

またエージェントの方とお話をすることによって、履歴書や職務経歴書の書き方や面接での答え方など、必要なことを一から丁寧に教えて頂くことができます。

私の場合、いざ転職活動を始めようと思っても職務経歴書の準備は結構悩みました。
最終的にはエージェントさんに添削をして頂くことで自分の経歴の特徴やアピールすべき点が明確になったので、まずはエージェントの方と二人三脚で進めていくというのが安心感があるのではと思います。

狙いたい企業の規模に合わせて、利用するサービスを選択する

いくつかサービスを利用してみて感じたのは、自分のチャレンジしたい会社が比較的大きな会社なのか、ベンチャーやスタートアップといった規模の会社なのかで、選ぶべきサービスも異なってくると言うことです。

感覚的には大手のサービスほど大手企業などの求人が多く、SNS型のサービスや規模の小さなエージェント型サービスの方がベンチャーやスタートアップ企業の扱いが豊富な印象です。
むしろSNS型の場合はほとんどがベンチャーやスタートアップ企業で、規模の大きな会社は見かけたことがありません。


エージェントを通した場合は企業が成功報酬で支払う額も大きいため、比較的規模の小さな会社はSNS型のサービスの方が利用しやすいのでしょうね。

またベンチャー・スタートアップでも比較的規模が大きくなって成長過程にある企業は、エージェント経由での紹介もあります。
ベンチャーやスタートアップに興味があるけれど大手と比べてどうなのだろう?と心配な場合は、エージェント経由で紹介されている企業であれば成長度・注目度の高い企業であるとも言えるのではと思います。
『エンワールド』のようにベンチャー・スタートアップの紹介も手掛けているサービスを利用することで、選択肢を広げることも可能になるのではないでしょうか。


一方、大手企業等の応募を行うのであれば『リクナビ』や『マイナビ』と言った大手のサービスを利用しないと、求人にたどり着くことが難しいように思います。(企業に直接応募の場合は別ですが)

また会社の規模が大きいとそれだけ応募人数も多く、書類選考の時点でも厳しい競争となることが考えられます。
少しでも応募企業にマッチする書類の作成や面接準備を進めるためにも、エージェントさんの助けを積極的に活用しなければ、選考を進めていくのは非常に厳しいと感じます。
(正直、書類選考で落とされるのは本当に多く、1割通れば良いかなといった印象です)

まとめ

この記事では、30代半ばを過ぎた組み込みエンジニアとして筆者が転職活動で利用したサービスと、その利用方法についてお話ししてきました。

初めての転職活動であれば、どうやって進めたら良いか、どんな書類を作れば良いか、面接でどんな話をしたら良いか、わからないことが山のように出てきます。

まずは大手の転職エージェント型サービスに登録して、そのイロハを教えてもらいましょう。

自分のこれまでのキャリアや経験をエージェントと相談することによって、自分がチャレンジ可能な現実と、そこに向かってどう進めば良いのかのアドバイスを得ることができます。

その後自分のチャレンジしたい軸が固まったのであれば、その軸に沿ったサービスの利用を考えましょう。
そのままエージェントにお任せでも良いし、SNS型で積極的に企業側とお話しするのも良いでしょう。

あなたの転職活動にとって、少しでも何か参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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