単独猟 第21回 “背後”            (鹿) 犬なし / スコープ&ボルトアクション銃

【単独猟のポイントは記事の最後にMEMOをまとめています。本文の太字部分と連動させています】

※第一種銃猟免許保持者が有害鳥獣対策の従事者として法令に則り駆除したものです

2021年4月某日 

有害鳥獣駆除で初めての春を迎えます。
猟期と違って木々にも藪にも葉が茂って見通しが悪くなっています。

下の画像は同じ場所で撮影しています。1枚目は立って、2枚目は座っています。

このように茂ったエリアでは立ったまま獲るのは難しそうです。
といって中腰で山を登り続けるのも難しいでしょう。

開けたエリアを中心に回ればいいのでしょうが、そういった地形や植生が続くわけではないので悩ましいです。


実際に歩いて感じるのですが、冬の見通しがいい時期とSLLS(Stop.Look.Listen.Smell)のやり方を変える必要がありそうです。

SLLSの記事を書いた当時、この茂って見えない場面を明確に意図していたわけではありませんが、Stand up / Sit downの2つのSにも注目していました。


よく見て探すため視点の高さを意識してみます。

(SLLSの記事はコチラ)
https://karikurashi.jp/2021/01/27/know-how_solo-hunting_the7th_hunting-field_stop/


自分が気付いことだけ注意したのでは不足があるでしょう。
Twitterの先人たちにお尋ねします。

皆さん、惜しみなく教えていただきありがとうございます。

見通しの悪さという猟に関する情報以外に、熱中症やヘビハチなどの対策を講じる大切さに言及されています。


さて、肝心の狩りに話を戻します。

視界が開けた斜面を登りながら周囲を見渡します。
冒頭の写真と比べると目の高さより下の緑が少ないので探しやすいエリアです。

こちらにお尻をむけた姿勢で足を畳んで座っている鹿がいました。
くつろいで何かを食んでいて、警戒はゼロですが遮蔽物が少ないため不用意に近づけば気付かれてしまうでしょう。足音に最新の注意を払い距離を縮めます。

恐らく同じ等高線上にいるのでしょう。ほぼ水平ですが登り斜面のためバックストップはしっかりと視認できます。

両耳がピンと立ち上がり周囲を気にし始めたように見えます。目測50m。
十分に撃てる距離まで来ています。
立ち木に銃身を押し付けます。構えてスコープをのぞきます。

首と顔を起こしているのですが背面から撃つのは初めてです。
周囲を見るためか顔を左右に向けているので、頭や首の上部を狙うと外す可能性があります。
バイタル正面は見えませんので、致命傷となる首の付け根が安定して狙えそうです。

心拍音が頭に響いてこないようなトクントクンと落ち着いて集中できたタイミングで、ゆっくりとトリガーを引きます。

もたげていた首が地面にパタリと落ちて動きません。仕留めたようです。

鹿探しです。お尻の白いハート柄が写っていますね。この記事の最後で答え合わせしてください。

動く気配はありませんが、追い矢の可能性を意識して近づきます。
こういうシュチエーションで見えていなかった別の獲物が走り出すことがあるので、念のため周囲に目配りしますがこの一頭だけです。

※第一種銃猟免許保持者が有害鳥獣対策の従事者として法令に則り駆除したものです

右から回り込んで近づくと、首が大きめの枝の下に潜り込むような姿勢で絶命しています。口から血反吐が飛散しています。

スコープ越しには分かりませんでしたが、パタンと首が倒れたのではなく、左に振って頭を右に振り戻しながら枝下に滑り込むように動いたようです。

※第一種銃猟免許保持者が有害鳥獣対策の従事者として法令に則り駆除したものです

逆サイドに回り込んで着弾位置を確認します。
背骨と肩甲骨の間に着弾。バイタルを撃ち抜くような角度で入っています。

前面または側面から撃った経験はありますが、背面からでも仕留められることが分かりました。

※第一種銃猟免許保持者が有害鳥獣対策の従事者として法令に則り駆除したものです

鹿を解体します。
成獣ですが小柄、ささっと完了したいですね。山道までは遠いのでここでばらして持って帰ります。

この日はロープやパラコードもないため、引き出し用のワイヤーで片足を吊ります。

※第一種銃猟免許保持者が有害鳥獣対策の従事者として法令に則り駆除したものです

とった肉を置く場所がないため袋も吊るして詰めます。
数枚あれば部位を分けられるし、肉を冷やせます。

※第一種銃猟免許保持者が有害鳥獣対策の従事者として法令に則り駆除したものです

皮を剝ぎます。できる限り木の表皮に触れないように気を付けます。

吊り下げている足を残して四肢をばらしました。
背中を撃っているので、ロースは一本だけきれいにとれました。

【MEMO】

・背面から仕留められる。
獲物の背面から撃つシチュエーションではバイタル正面が見えないので、ネック・ヘッドを狙うことになると予想していた。実際は背中に着弾しても即倒した。下手に回りこんで気付かれるよりは適正な距離まで近づいて致命傷となる部位を狙う方が成功率が高そう。

・季節による視界の違い
春は猟期と異なり非常に見通しが悪い。矢先や獲物の確認には通常以上の注意が必要。開けていて見つけやすいエリアを入念に探すことと、視線の高さを下げて、視界を確保する動きを取り入れることが重要。

【諸条件】

・鉄砲:ボルトアクション銃20番

・照準:スコープ vixen1-6X24

・弾種:Dupo 

・弾数:1

・距離:目測50m

・獲物:鹿1頭 -背中からバイタル

・目的:有害鳥獣対策

※当ブログでは、狩猟と有害鳥獣の駆除で異なる表現を同一に扱ったり暗喩・直喩を用いたりする場合があります。作業工程の記述を省略している場合もあります。いずれの場合も法令に則り適切に行動・処置していますが、誤解を招く表現は速やかに修正しますので「お問い合わせ」よりご連絡ください。

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