ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「必定」と「何必」

前に「不必」や「必须」「务必」について
書きました。

「不必」の用法
「必须」と「务必」

風の谷のナウシカ」の中で
「必」が付く言葉が他にもあったので
「必」シリーズということで
取り上げたいと思います。

ひとつは「必定」です。
「きっと」「必ず」という意味の副詞です。

この言葉はクシャナのセリフで
使われていました。
アスベルに襲撃されトルメキアの船が墜落後
城おじたちと風の谷に戻ってきて
クシャナが幽閉されている場面です。
ユパ様に本国へ戻るよう説得されて
それに対してもう後戻りできないと
反論する中でのセリフです。

即然巨神兵的存在已经广为所知
jí rán jù shén bīng de cún zài yǐ jīng guǎng wéi suǒ zhī 
やつの存在が知らされた以上

各国必定会陆续派兵攻击这里
gè guó bì dìng huì lù xù pài bīng gōng jī zhè li
列国は次々とこの地に大軍を送り込むだろう

「即然」は「〜である以上」
という意味の接続詞です。
「陆续」は「次々に」
「派」は「派遣する」
「攻击」は「攻撃する」という意味です。

「所」+「動詞」で
「〜するところの」という意味になるので
「所知」で「知るところ」
というような意味になりますが
「为〜所〜」で「〜に〜される」
という使い方もあるようで
「为人所知」で「人に知られる」「知れ渡る」という意味になるようです。
こちらの方がしっくり行きますが
「为」のあとの「人」が省略されてるのか
「为所知」という言い方があるのかは
ちょっと分かりません(汗)

セリフの「やつ」は
巨神兵のことを指しています。
「必定」があるので
「きっと」または「必ず」というニュアンスが加わります。

「きっと兵を送り込んで攻撃するだろう」
「必ず兵を送り込んで攻撃するだろう」
物語の流れから、どちらの解釈でも
違和感ないですね。

「必定」を辞書で調べると
「一定」が同義語、
「未必」が反対語と記してあります。

「必定」は「一定」や「必然」より
強い意味合いになるようです。
「未必」は「〜であるとは限らない」
という意味の副詞です。


もうひとつの「必」シリーズは
「何必」という言葉です。
「どうして〜する必要があろうか」
「なにも〜する必要はない」
という意味の副詞です。
反語文に用いられ、
文末に「呢」を伴うことが多いです。

ナウシカ」の中では
城おじのゴルのセリフで使われていました。
腐海の森に不時着した後
クシャナも一緒に脱出したと分かった時に
つぶやいた言葉です。

公主
gōng zhǔ 
姫様

这种人你何必救她呢
zhè zhǒng rén nǐ hé bì jiù tā ne 
なぜこんなやつを

中国語のセリフを直訳すると
「このような人をあなたはどうして助ける必要があろうか」
という意味になります。
「何必」があるので
そこには「なにも助ける必要はない」
という意味が含まれています。
文末には「呢」が置かれています。

日本語のセリフは
「なぜこんなやつを」だけなので
中国語の方が詳しく表現されています。

「何必」は辞書には
同義語として「不必」が記載されています。
「不必」は「〜する必要がない」
という意味なので
意味としては同じかもしれませんが
ニュアンスはちょっと異なるかもしれません。

この部分の字幕はこうなっています。

你为什么要救这种人?
nǐ wèi shén me yào jiù zhè zhǒng rén   

「あなたはなぜこのような人を助ける必要が
あるのですか?」となります。
「为什么」があるので「なぜ」「どうして」
という疑問を表す意味になります。
こちらの方が日本語のセリフのニュアンスに
近いかもしれません。


「必」がつく言葉は
「必得」「必将」「必然」「必需」など
他にもいろいろあります。
ナウシカ」のセリフでは、
使われていなかった言葉も
関連づけて覚えていきたいと思います。


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