ジブリで中国語を学ぼう!

ジブリ映画の中国語吹き替えを聴いて中国語を勉強しています。

「不然」の用法

中国語で「不然」という言葉があります。
形容詞と接続詞の用法があり
形容詞では「そうではない」「違う」
「いいや」などの意味があり
接続詞では「さもなければ」「そうでなければ」という意味になります。

中国語には「然」がつく言葉が多くあるので
ひとつずつ整理しています。

以前「果然」「虽然」「既然」について書きました。

「果然」の用法
「虽然」の用法
「既然」の用法


風の谷のナウシカ」の中では
接続詞としての「不然」が使われていました。

まずは王蟲に追われるユパ様を助けたあと
ナウシカとユパ様が再会した場面です。
「後でぜひ見て頂きたいものがあるんです、
私の秘密の部屋」
というナウシカのセリフの後に続く言葉です。

你不可以把它说出去
nǐ bù kě yǐ bǎ tā shuō chū qù 
みんなには内緒

不然大家会吓坏的
bù rán dà jiā huì xià huài de
怖がるといけないから

「说出去」は「言いふらす」
という意味があります。
前半は
「あなたはそれを言いふらしてはダメです」
となります。

後半は接続詞の「不然」から始まり
「さもなければ〜」という文章になります。
「吓坏」は「ひどく驚く」「怖がる」
という意味です。
「さもなければみんなが怖がります」
となります。

字幕はまた違った表現になっています。

不过你不能说喔
bú guò nǐ bù néng shuō ō 

我不想吓到大家
wǒ bù xiǎng xià dào dà jiā 

字幕では「不然」は使っていません。
不能」は「〜できない」
という不可能を表すほか
「〜してはいけない」という
禁止を表すこともできます。
ここでは禁止の意味になり
「しかしあなたは言ってはいけない
となります。

そのあとは
「不想」で「〜したくない」という意味になり
「私はみんなを怖がらせたくない」
となります。

 日本語の「怖がるといけないから」と
吹き替えの「さもないと怖がる」と
字幕の「怖がらせたくない」は
それぞれ表現の仕方が違いますね。
みんなを怖がらせたくないという気持ちは
どの言い方でも伝わってきます。


次はペジテの市長のセリフです。
王蟲に谷を襲わせるという計画を知って
ナウシカがペジテの市長に詰め寄る場面です。
腐海の木々が井戸の水をきれいにしている、
ということについて力説し
「その森を焼こうというの?」という
ナウシカの言葉に続く市長のセリフです。

不然你说该怎么办?
bù rán nǐ shuō gāi zěn me bàn 
ではどうすればいいのだ

このセリフの後に
「このままトルメキアの言いなりになるのか?」という言葉が続きます。

「不然」が文頭に来ていて
「そうでなければどうすべきなのか」
というような意味になります。
「你说」があるので
「どうすべきだとあなたは言うのか」
というニュアンスになると思います。

「不然」は日本語のセリフの「では」の部分にあたりますね。


「不然」と同じような意味で
「要不」「要不然」という接続詞もあります。
使い方、意味はほとんど同じですが
「要不」「要不然」の方が
仮定の意味としての語気が強くなるようです。



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