50代からの車選びとライフスタイル研究所

このサイトでは50代以上の方を対象とし、車選びとライフスタイルについて参考になりそうな情報をお伝えしていきます。運転歴35年以上で軽自動車からワンボックスまで9台を乗り継いできました。50代、60代ともなりますと車の選び方や働き方、日々の生活も変わってきます。人生100年時代ともいわれる成熟の世代を楽しく生きるためのクルマ情報やライフスタイル情報、私の考えや思いをエッセイ的にまとめていきたいと思います。

最近発表の車のサイズにモノ申す

もともと本ブログは50代以上の方のクルマ選びに資することを目的として開設したものでした。

しかし、最近、発売される車を見ていると、食指が動くような車が見当たらないのが残念です。確かにクルマ単体で見れば、魅力的な部分はあります。レンタカーなら借りてみたいと思うかも知れません。

ですが自分が所有するとなると選択肢が限られてきます。

と申しますのも私が主に生活しているのは地方都市、一応県庁所在地ではありますが、片側2車線の道路は主要国道一部の道路に過ぎず、さらには中央車線すらない道路も普通に存在しており、この地の人々は日常的にそうした道も通勤や買い物で利用されます。

 

クルマと運転技量が見合わない

一番の問題が上記の見出しのとおりなのです。

全幅1800mm以上のクルマが対向車として狭い道ですれ違うとき、こうした車のドライバーはまず、自ら左端ギリギリに寄ったりすることはありません。

それどころか「オラオラ」運転で、中央よりを速度を落とさず、突っ込んでいらっしゃいます。「そこの軽、5ナンバーの大衆車、お前らがよけるのが当然だろう」といわんばかりの威圧感で前方から迫ってきます。

ぶつけられたくないし、ぶつかりたくなし、事故になると面倒ですから、結局はこちらがスローダウンして左端ぎりぎりに寄って、恰幅のよい(そして全長も4500mm超の)クルマを通してさしあげるのが常です。

もちろん、手を挙げて挨拶されるなどということはありません。向こうはそれが当然と思っているのですから・・・・・・。

 

なるほど、小さいクルマにマウントをとっているわけね、と思っていたのですが、もちろんそれもあるものの、運転が下手なのではないかという結論に最近は傾きつつあります。

と申しますのも、すれ違いの場面ではなく、一般道でも高速でも、工事などがあって、どうしても車幅が狭くなり、左に寄せなくてはいけない場面があるのですが、こうしたクルマの方々が大変な苦労をされているお姿をたびたび、拝見します。

 

東京都心部のセンターラインがあって、歩行者や自転車の走行帯が区分されているような道しか走らない場合はよいかもしれませんが、東京都だって23区の山手線内をはずれようものなら、狭い道だって普通に存在します。ケーブルの地下化が進んでいいないエリアでは電柱だって当たり前に立っています。

これが地方になると、そして地方でも人口が多い都市部では、道路はそれほど整備されていない割にクルマが多く(一人1台ですから)、さらに運転「マナー」はこのブログで何度も触れているように、ないに等しく、それどころか交通法規も運転技術もかなりアバウトが状態で、老若男女がハンドルを握っているのですから、こうした方々が「ワイド&ロング」のクルマを選択されますと、ほかのクルマは、かなり迷惑します。

 

もちろん、例外はあります。憧れの海外のスポーツカーに乗った紳士が、さりげなく左端によって、こちらに道を譲ってくれたりすると「カッコいい!」となります。人生のゆとりを感じさせます。本当の意味でクルマと運転が見合っているな、と心底思います。

また日本の商業施設の駐車場の1台分の幅もご存じのように広いわけではなく、そこにこうした大きいクルマがラインに沿ってならまだしも、曲がって止めていたり、ミラーもたたまれていなかったりすると、そしてその隣しかスペースが空いていなかったりすると、隣人になる身としては相当に神経を使います。

 

クラウンもZR-Vも、エクストレイルも・・・

――みんな車幅は1840mmです。全長も4500mm超、クラウンは5mに迫ります。

そして最近のクルマ雑誌の記事(Web)も、「車幅は1800mmに抑えられ、日本の道路にジャストサイズ・・・・・・」などと書いています。

いつから日本のジャストサイズが1800になったのか。

昔はcivicもカローラもノアもVOXYもステップワゴンもみんな、5ナンバーサイズでした。そしてどのクルマ雑誌も「5ナンバーに収まっており、日本の道路事情が考えられている」という論調でした。昭和から平成初期は少なくてもそうでした。

その頃から日本の道路は大幅に拡幅された、などということは勿論、ありません。首都高速だって5号線などは特にカーブがきつく、路肩もありません。住宅街の道も当然ながら昔のままです。大規模な区画整理を行わない限り、住宅をセットバックさせて道幅を広げるなどということは不可能だからです。

 

クルマの巨大化によって5ナンバーのクルマの選択肢は非常に限られてきています。3ナンバーでもモデルチェンジのたびにサイズアップされ、たとえばヴェゼルはモデルチェンジ前は1700㎜前半でした。それが現行モデルでは1790mmまで広くなってしまいました。

 

どんどん広く大きくなれば、お値段も比例していきます。

今後、年金もどうなるかわからず、老後の生活を現実的に考えていかなくてはならない世代の庶民にとって、最低のオプション込みの車両価格で300万円超、諸費用込みの乗り出し価格で300万円台半ばからとなる車種は視野に入りづらくなります。

 

2022年上半期の車種別販売ランキングでも、上位10位のうち、70%は5ナンバーです。車長も4mをちょっと超える程度です。

メーカーも収益性などの観点から車格も値段も上方シフトしていくのでしょう。ただ大衆車(やがてこの言葉も死語になる?)ジャンルにも、もう少しいろいろな選択肢をもてるようなラインナップにしていただくと、車好きとしては嬉しく思う次第です。

 

お礼を兼ねて・・・

過去からの読者の方はご存じかもしれませんが、kindle本を3冊、昨年に発刊しました。

 

このうち『新車購入読本 失敗しない車の選び方』は、具体的な車種を挙げずに、車選びのポイントやディーラーの選び方、試乗のポイントなどを実践的に解説したものです。ご存じのようにkindle Unlimitedの会員の方は無料でお読みいただける設定にしてあります。

これら3冊のうち、kindle Unlimitedでお読みいただいているページ数が最多なのは昨年も今年も『新車購入読本 失敗しない車の選び方』でした。この本は昨年の発刊で、ランキングのデータは陳腐化しているにもかかわらず、ありがたいことに今年のほうが多くのページをお読みいただいています(電子本としてもこの本が最も多くお買い上げいただきました)。

 

まずは執筆者としてお読みいただいた方々に厚く(気持ちの上では”熱く”)御礼申し上げる次第です。ありがとうございます。

 

そして、やはり車選びは高価な買い物だけに、慎重に検討されているのだなということがうかがわれます。私のような素人が書いた本を読んでくださっているのは、メーカーに配慮せざるを得ないジャーナリストの方々の情報だけでは不安に思われているからかも知れません。

私自身も過去にこのブログでいくつか特定の車種にスポットをあてて取り上げました。しかし現在の新車状況ですと、興味をそそられる車種が少なく、やはり5ナンバーサイズ、せめて1740mmくらいまでの車幅のクルマの選択肢がもう少しあってほしいと願います。

かつては「5ナンバーだけれど高級車」というコンセプトでトヨタプログレという車がありました。1998年から2007年頃の生産でした。今はそういった選択肢はなく、内装などにこだわると必然的にボディーサイズも含めてグレードアップされ、その分、入手コストもかさんでしまいます。

 

自分が経済的に手が届かないからひがんでいる、といわれれば否定はしませんが、冒頭に書きましたように、技量が伴わない方が1800mmクラスのクルマを運転されていることは、いつもよける側に回る身からすれば迷惑ですし、少し広いところで待っていてくれれば余裕をもってすれ違うことができるので、「我先に」と突っ込んでこられると、結果的に周囲の危険度を増すことになります。

すれ違い場面ではなく、速度が出ている走行中はもっと危険で、車体が大きいということは重量も重く、こうした車と軽自動車が衝突すると、軽のほうはたまったものではありません。

 

正直なところ、運転に不安があるからもう少し小さな車がいいけど、内装は豪華で後席にもシートヒーターがついていて革張り、各種運転支援装備はもちろん、ナビやオーディオが充実していて、タイヤも大径サイズで見栄えがよく、メッキが多用されている外装・・・などとなると必然的にワイド幅のクルマしか選べません。

 

ぜひメーカーには、もう一度日本の道路事情を直視していただき、5ナンバーサイズ前後の車種の開発にいそしんでいただきたいと思います。

 

本日は久々の記事ということもあり、長文になりました。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。