公表されている2019年の人口統計によりますと、中国の15の大都市では、いずれも女性人口が男性人口を上回っています。それは、大都市の方が女性が住むのに適しているからでしょうか?
中国の第7回国勢調査は2020年に行われましたが、データはなかなか出てきません。そんな中、大都市の統計年鑑は次々と発表されています。
2019年のデータによると、北京、上海、広州、深圳などの超巨大都市をはじめとした、中国の15大都市の人口は、いずれも男性よりも女性が多い傾向にあることがわかりました。
もっとも男女比が不均衡なのは広東省仏山市で、女性100に対する男性の割合は94.71でした。もっとも男性比率が高かったのは深圳で、女性100に対する男性の割合は99.68でした。
ウィスコンシン大学の中国人口専門家である易富賢氏は、高齢化が深刻になるほど女性が男性を上回り、香港は女性の割合が最も高いとツイートしています。
ニューヨーク市立大学の政治学教授である夏明氏は、大都市で女性人口が多いのは、さまざまな理由が重なった結果だと述べています。
夏明氏は、中国では一人っ子政策が長年行われたため、後継を求める農村部を中心に男性の出生数が女性の出生数を上回ってきたが、大都市は教育水準が高く、家父長制が薄れてきたため、女性は大都市で息抜きができるようになったと分析しています。
また、大都市では、サービス業を中心に女性従業員の需要が高いため、農村部の女性の多くが都市部に集まってきています。
中国の農村部にはまだまだ女性に関わる差別があり、例えば春節の食卓には女児を同席させない地域もあります。このような差別があると、女性たちは「田舎には希望がない」と感じてしまいます。
夏明氏は、「農村部では家庭が彼女たちを外に追い出しているので、特に都市部への女性の移動度は高くなるでしょう」」と語っています。
中国全体を見ると、中国国家統計局のデータによると、1994年以降に生まれた人の男女比は110:100となっています。
2015年に一人っ子政策が撤廃され、二人っ子政策が実施されましたが、出生数は年々減少しているだけでなく、第二子の男女比率は毎年女児100に対し男児130~160を推移しています。
地域によっては男児が女児の2.6倍に達する地域もあり、男児を欲しがる風潮は第二子に顕著に現れているようです。
中国では2015年から2045年の間に男性の余剰人口が毎年15%以上増加すると予測されており、中国最大の人口問題は現在は少子高齢化ですが、まもなく男女の不均衡が追い越すだろうと言われています。
男女比率の不均衡は男性の「深刻な結婚難民化」を引き起こすだけでなく、農村部での「未成年女性の早期結婚」、「ベトナム人の花嫁」という現象を招いています。
中国の第7回国勢調査データの発表の遅れが話題になり、外国メディアが「中国人口初の減少」と報じ、国家統計局が必死に否定しています。
もしかすると「少子高齢化」と「男女比率不均衡拡大」を隠そうと、必死に鉛筆を舐めながらデータを操作しているのかも知れません。
夏明氏は、男女比率の不均衡を解決するには、都市と農村の経済発展の二極化を解決し、戸籍制度を改革することから始めなければならないと述べていますが、一朝一夕にできる事ではありません。
ちなみに日本の人口の男女比率は女性100に対して男性95.8だそうです。女性の方が平均寿命が長いからとされていますが、一部からは女性の方がタフで、男を尻に敷いているからだと陰口が、、、、
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参考記事
<徳国<自由亜州電台>中国十五个大城市女多男少 为什么?
http*://bit.ly/3exK99e