著者は1997年生まれです。いわゆるZ世代というのでしょうか。
結論として導き出されているのは、セレンディピティです。
著者が言うところのブックオフの「なんとなくさ」「なんとなく
ブックオフを覗いて」「なんとなく興味ある分野の本棚を歩いて」
「なんとなく手に取った本」と言う感覚です。
しかもブックオフは安いので、お金の無い学生も多数訪れます。
新刊本の本屋ではそうはいかないです。
つまり多くの人にとって偶然の出会いに満ちているのが、ブック
オフということです。
でも、それってある年齢より上の人にとっては「当たり前では?」
と思ってしまいますが、AMAZONなどのネット販売が中心とな
った現代では、「あなたにおススメ」というように押しつけられ
てしまうのです。
やっぱり自分の足で、目で、探した方が「これって運命かも」
「私は生きている」という実感を味わえると思います。
本来なら街の本屋がその役目を担わなくてはいけないのですが、
今や郊外の書店は壊滅状態です。
かろうじてロードサイドのブックオフが郊外文化の発信拠点に
なっているらしい。
かつて、本の文化、出版文化を破壊する異端児として敵視された
ブックオフですが、それが今や地方の日本の文化を支えている
とは何とも皮肉な事実です。
それでも「紙の本」を扱うことはありがたいと思います。
地方のブックオフにも旅行のついでに覗いてみてたくなる一冊
です。