※写真は、アルフレッド・アドラー。



2021123日、寒気が東日本にも停滞し、今日から明日にかけて氷雨が降るようだ。



窓から外界を見渡す限りでは、

雨が降ったり止んだりしている。



本日は奇しくも、7年前に某院へ入院を

した日である事を、自身のブログプロフィールより知った。



特に何処にも出かける予定はないため、

ずっと気になっていた本の感想記事を、

記そうと思う。




ブログタイトルである

【嫌われる勇気】という著書との出逢いは、7年前に遡る。



当時、急性骨髄性白血病(M4)に罹患し、

入退院を繰り返していた頃、高校時代から

の親友からお見舞品として贈っていただいたものだった。



お見舞品として数ある書籍のひとつで、

「あなたにも読んでほしいから」と、

わたしにバトンが渡された、

想い出のあるものでもあった。



あの頃、たくさんの書籍をお見舞いに

いただいたのだが、物語を紡ぐ作家の

ものよりも、啓発書、体験談やエッセー

なるものを好んで読んでいた。



昔からの読書傾向は、病人になっても

変わらないものだ。




当時もベストセラーになっていて、

いまだ売れ続けている名著である事は、

薄々は知っていた。



しかし、何故か触手が延びず、

昨年の5月頃まで書籍の表紙が

開かれる事は無かった。




6年間温めた書籍を読み出すきっかけと

なったのは、

第一回めの緊急事態宣言が

発令され、おうち時間が長くなり、

暇つぶしのひとつとして、

読み始めた。



それに、渡されたバトンをこのまま

落としてはいけない、という気持ちや、

このまま読まないで放棄する、後ろめたさ

も抱えていたので、

このままに決着をつける時だ、

と強く想い、

表紙を捲った。。。





哲人と学生との問答形式で、

アルフレッド・アドラーの

個人心理学【アドラー心理学】への

アプローチについて、

さらには、その心理学をどのように

人生や実生活に落とし込んでいけるのか、

という話しが、双方納得がいくまで、

繰り広げられていく。



わたしがこの著書から読み取った

エッセンスは、下記の通り。



アドラー心理学の基本思想について


「全ての悩みは、

対人関係(わたしと【あなた】との)

の悩みだ」


本当の自由とは、嫌われる事を怖れず、

人付き合いをすること。

わたしと【あなた】の《課題の分離》を

すべき。

わたしの課題なのか?

あなたの課題なのか?

をしっかり見極めて、課題や問題の向き合い方を双方が意識すべき。

突き詰めていけば、わたしの課題や問題で

無い【あなた】の課題や問題には、

介入しない方がいいし、介入出来ない。


よって、わたしの場合も同じ論理が適用されて、わたしと【あなた】との人間関係の形を保つ事が出来る。

時間やさまざまな状況、

環境の変化で、

人は容易に変わる。


哀しいくらい、変わる。


しかし、わたしも変わる。

そして、あなたも変わる。


いつの時も、わたしにとって

必要な人しか残らない。


必要で無い人は、去っていく。


さよならだけが人生だ、という

フレーズは、真理。

《課題の分離は、人間関係の出発点》

《共同体感覚=幸福なる対人関係を考える、

最も重要な指標》

あなたは共同体の一部であって、

世界の中心ではない。


「この人はわたしに何を与えてくれるのか?」

ではなく、

「わたしはこの人に何を与えられるのか?」

を考えなければならない。


何かを与えて、自らの居場所を獲得していく。

《より大きな共同体の声を聴け》

という原則に従う。

《横の関係》について、

褒めても叱ってもいけない。

横の関係に基づく援助のことを、アドラー

心理学では「勇気づけ」と呼ぶ。



わたしの感想としては、


わたしと【あなた】の

《課題の分離》をし、

お互いを幸せに導くための、

気遣いや言葉掛けが必要である。


それは時に、相手には辛く厳しくて、

心が痛くなる気遣いや言葉掛けになる事も、あるかもしれない。


それもやさしさのひとつであり、

敢えて(嫌われる勇気)を持って

アプローチをする事が、

ゆくゆくわたしも【あなた】も、

互いが幸せになるきっかけと

なっていくのだ、


と。



《共同体感覚》とは、衣食住に

直接的、間接的に関わる人人をも想像し、

想いを馳せ、感謝し、幸福を願う事だ。


世界は繋がっている。


独りではない、


と。



互いに良好な距離感を保ちながら、

誰しも、一人でも、独りでも、

生きられないのだから、

わたしや【あなた】の人生に関わる人人

を愛し、敬う気持ちを根底に持ちなさい、



と。




この著書を読み進めれば、進めるほど、

現在のわたしの心理と同調しているかの

如く、言葉が脳や心にスッと沁み込まれて

いくのがわかった。



わたしも若い時分、人間関係には

思い悩んだ。



お節介過ぎる自分に、

又、相手からの

わたしへの、望まないリアクションに

勝手に苦しんだ。



親友に相談した事がある。



どうして人間関係が上手くいかないのか?



と。



彼女はこう答えた。


「あなたは、相手に期待をし過ぎなんだよ。

だから、自分が望まないリアクションが来たら傷つくんだよ。わたしは、相手に期待しないから、良き悪しきのどちらのケースに転んだとしても、ダメージは受けないよ。」



彼女のひとことで、目の前が開けた感覚に

包まれたのを、今でも鮮明に覚えている。




期待しない、というと、

ネガティブなイメージを持たれる

かもしれない。



ひとりよがりな嫌な感じを受ける人も

居るだろう。



しかし、わたしには妙にしっくりきたのだ。



パズルのピースが嵌まった時のように。



期待しない事も、相手を信頼する事の

ひとつである事なのだと、

しれたからだ。





数日前、長らくブログで繋がっていた方の

自殺予告めいたブログを読んでしまった。



彼女がめいっぱい苦しんだのは、

ブログの端々からも、わかる。



けれど、自殺だけはしてほしくなかった。



何故ならば、生きたくても生きられない

人人が、数多居るのだから。



残念で仕方ない。



実際の顛末は直接の友人では無いので、

真偽はわからない。



しかし、もしそれが本当に起きてしまって

いたならば、


謹んで御冥福をお祈り致します。



来世では、幸福に包まれた人生で

ありますように。



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