20代の頃のバイクは思いつきで買い気づけば通勤用だった

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高校生の頃、車の免許を取るついでに中型自動二輪免許(現在の普通自動二輪免許)を取った。どうしてもバイクに乗りたかったわけではなく、同時に取れば20万円ちょっとで済むし、せっかくだからという程度の理由だった。

免許を取った後は、家族が所有する250ccのバイクに時々乗るくらい。特にバイクに夢中になることもなく、生活の一部にはならなかった。

ふと思い立ってバイク購入

免許を取ってから数年後、20代前半のある日、突然

そうだ、バイクに乗ろう

と思い立った。特に趣味もなく暇だったからかもしれない。今のようにネットで何でも調べられる時代ではなく、バイク雑誌をパラパラめくって情報を集めた。

上野でバイク購入

上野のバイク屋へ行き、中古のクルーザータイプのバイクを購入。50万円くらいだった。

購入した時の記憶は、正直あまり残っていない。特別にワクワクしたとか、これからバイクライフが始まるぞ!という気持ちもなかった気がする。バイク仲間もいなかったので、当時の写真が一枚もない。

上野のバイク屋で買ったそのクルーザータイプのバイクは、何となくその場のノリで決めたような気がする。

通勤用バイク

ツーリングらしきことも特にした記憶はないし、どこか遠くへ行こうと思ったこともなかった。都内を走っているだけで満足していた。そして、気づけば通勤用になっていた。

今思うと、当時すごいなと思うのは、まだカーナビもなく、地図を見たりすることもなく、ただ標識を頼りに目的地にたどり着いていたこと。

今じゃ考えられないけれど、あの時はそのやり方で普通に走っていた。便利なものが増えてきて、カーナビやスマホで簡単に道を調べられるようになったけれど、それに頼ってしまうと、逆に頭を使わなくなるのではないかという恐ろしさを感じることもある。便利なものに頼ることが、知らぬ間に自分を楽にする一方で、何かを失っていくような気がする。

突然のバイク卒業

バイクを手放したのも、特に理由があったわけではない。

ある日、ふと

そうだ、引っ越そう

と思い立った。

引っ越し先は駅まで徒歩5分。バイク置き場もなかったので、雑誌に載っていたバイク買取業者に査定を依頼した。提示された金額は30万円。特に未練もなく、そのまま売却した。

たぶん、バイクを楽しんでいなかったのだと思う。ただ通勤手段として使っていただけで、ツーリングの思い出もなかった。思いつきで買い、思いつきで手放した、そんなバイクライフだった