シーズンが終了したので、今後は様々なコラム、題して「徒然コラム」をお届けしたいと考えている。

 その第一弾として、「選手成績振り返り&残留予想」に関して書いていきたいと思う。

 初めてのB1の舞台を戦った広島ドラゴンフライズ。

 結果は9勝46敗の大惨敗だったわけだが、そのなかでも通用した選手、通用しなかった選手が出ていたと思う。

 そこで今回はポジションごとに各選手の成績を振り返りながら、残留できるかどうかの予想を行いたいと思う。

 【PG(ポイントガード)】

 今シーズン主にPGを担ったのは岡本、田渡、古野、柳川の4名である。
 まずは彼らの成績を見ていこう。

 〇岡本飛竜(48試合、10時間57分23秒出場)
 ・得点数:142点(1試合平均3.0点)
 ・2Pシュート成功率:35.7%(30/84)
 ・3Pシュート成功率:35.7%(20/56)
 ・フリースロー成功率:95.7%(22/23)
 ・アシスト数:91(1試合平均1.9)
 ・スティール数:26(1試合平均0.5)

 〇田渡凌(48試合、10時間23分13秒出場)
 ・得点数:138点(1試合平均2.9点)
 ・2Pシュート成功率:44.2%(57/129)
 ・3Pシュート成功率:18.2%(4/22)
 ・フリースロー成功率:70.6%(12/17)
 ・アシスト数:157(1試合平均3.3)
 ・スティール数:18(1試合平均0.4)

 〇古野拓巳(52試合、14時間38分54秒出場)
 ・得点数:203点(1試合平均3.9点)
 ・2Pシュート成功率:38.6%(27/70)
 ・3Pシュート成功率:34.9%(38/109)
 ・フリースロー成功率:87.5%(35/40)
 ・アシスト数:217(1試合平均4.2)
 ・スティール数:39(1試合平均0.8)

 〇柳川幹也(9試合、1時間1分19秒出場)
 ・得点数:11点(1試合平均1.2点)
 ・2Pシュート成功率:50.0%(1/2)
 ・3Pシュート成功率:30.0%(3/10)
 ・アシスト数:17(1試合平均1.9)
 ・スティール数:2(1試合平均0.2)

 柳川は特別強化指定選手なので、3人だけにフォーカスを当てたい。

 岡本は3P成功率とフリースロー成功率が1番高いものの、2Pシュート成功率とアシストの面で劣るところがある。

 田渡は2Pシュート成功率とアシストの面では強みがあるが、スティール始めディフェンス面と3Pシュート成功率で劣るところがある。

 古野はアシストと得点数、3Pアテンプト数で強みがあるが、2Pへのトライが少ないところとディフェンス面に弱みがある。

 これらを基に今後を考えると、古野はできる限り残したいところがあると思う。
 ディフェンス面は気になるところがあるが、周りを生かしたり自ら3Pを決められる点は得点力増加には欠かせないわけで、スタメンPGとしての編成ではないかもしれないが、残留の可能性は高いと思う。

 そして柳川もそのまま本契約となるだろう。
 地元広島出身で冷静にパスを出せるところは今後大きく育てたいとフロント陣は思うはず。

 そうなるとPGはこの時点で2人決定したわけだが、今後の補強であと1,2人補強、1人の場合はPGを、2人の場合は1人がコンボガードでもう1人がPGという可能性もある。

 仮に2人獲得する場合は、岡本も田渡もチームを去る可能性は高い。
 そして1人の獲得になった場合は、田渡になるのかなと感じる。

 B1での経験がある点でかなり期待されていたと思うが、ディフェンス面で対応ができていない場面があったところと、切り込んでのレイアップは決まることが多いがそれ以外の3Pやペイントエリア近くからのシュートは入らない場面が多く、その点の評価が低いのではないかと考えている。

 【SG(シューティングガード)】

 尺野ヘッドになってから田渡や古野が担うこともあったが、基本的には朝山、田中、マーフィーが担っていたポジションとなる。

 まずはその3人の成績を振り返ってみよう。

 〇朝山正悟(55試合、23時間58分34秒出場)
 ・得点数:479点(1試合平均8.7点)
 ・2Pシュート成功率:47.6%(88/185)
 ・3Pシュート成功率:40.1%(81/202)
 ・フリースロー成功率:87.0%(60/69)
 ・アシスト:119(1試合平均2.2)
 ・ブロック:3(1試合平均0.1)
 ・スティール:38(1試合平均0.7)

 〇アイザイア・マーフィー(55試合、22時間1分30秒出場)
 ・得点数:524点(1試合平均9.5点)
 ・2Pシュート成功率:44.3%(137/309)
 ・3Pシュート成功率:31.0%(54/174)
 ・フリースロー成功率:68.2%(88/129)
 ・アシスト:115(1試合平均2.1)
 ・ブロック:36(1試合平均0.7)
 ・スティール:53(1試合平均1.0)

 〇田中成也(54試合、18時間9分35秒出場)
 ・得点数:265点(1試合平均4.9点)
 ・2Pシュート成功率:35.6%(37/104)
 ・3Pシュート成功率:28.4%(54/190)
 ・フリースロー成功率:65.9%(29/44)
 ・アシスト:64(1試合平均1.2)
 ・ブロック:6(1試合平均0.1)
 ・スティール:25(1試合平均0.5)

 朝山とマーフィーは見事な数値を残したなという印象が強い。
 マーフィーは若干成功率が低いかなと思うが、新人という点を考えると上出来だろう。

 一方田中成也はB2で発揮していたものがB1では通用しなかったという印象が強い。
 守備面では通用していたと思うだけに、攻撃面で通用しないという点は厳しかった。

 この3人のうち、朝山とマーフィーは残留に向けて交渉を行っているだろう。
 どちらかというと、他チームに移籍をされる可能性の方が大きいのではないかと思う次第だ。
 その場合は自由交渉選手リストに公示される可能性もあるので、その際は皆で察することとしよう。

 こうなると難しいのが田中になるのだが、コンボガードないしはSGの補強に目途が立っているなら自由交渉選手リスト入りという可能性もあると思う。

 ただチーム1年目から所属をしている生え抜きであるし、守備面では十分通用していたところもあった。

 その点で、今一度B2ないしはB1の他のチームにレンタル移籍という形で修行させるのではないかと思っている。

 生え抜きを簡単に自由交渉選手リスト入りにすることを、田中と同期で同い年の岡崎GMがするかといったら、しないような気が何となくするのだ。

 【SF(スモールフォワード)】

 こちらのポジションは朝山、ケネディ、森山が担っていたポジションだ。

 朝山は既に掲載しているので、ケネディと森山の成績を掲載したいと思う。

 〇トーマス・ケネディ(52試合、23時間47分52秒出場)
 ・得点数:848点(1試合平均16.3点)
 ・2Pシュート成功率:50.4%(206/409)
 ・3Pシュート成功率:38.5%(116/301)
 ・フリースロー成功率:83.0%(88/106)
 ・トータルリバウンド:222(1試合平均4.3)
 ・アシスト:123(1試合平均2.4)
 ・ブロック:10(1試合平均0.2)
 ・スティール:46(1試合平均0.9)

 〇森山修斗(22試合、1時間31分42秒出場)
 ・得点数:27点(1試合平均1.2点)
 ・2Pシュート成功率:30.0%(3/10)
 ・3Pシュート成功率:37.5%(6/16)
 ・フリースロー成功率:75.0%(3/4)
 ・トータルリバウンド:5(1試合平均0.2)
 ・アシスト:1(1試合平均0.0)
 ・ブロック:2(1試合平均0.1)
 ・スティール:1(1試合平均0.0)

 ケネディは圧倒的な数値を残し、エチェニケに次ぐ攻撃の柱として機能したという印象が強い。
 森山は出場機会に恵まれなかったものの、終盤には10得点以上をあげる試合もあったりと、徐々にアピールできたと思う。

 とはいっても、残念ながら森山は自由交渉選手リスト入りの可能性が高いだろう。
 SFは今シーズンの最重要補強ポイントとなるだろうから、既に誰かしらの補強の目途が立っている可能性が高い。

 そうなると、彼をレンタル移籍させる選択肢も出てくるが、今年は入れ替わりが激しいと予想すると、彼が残留できる可能性は限りなく低いかもしれない。

 【PF(パワーフォワード)】

 シーズン序盤~中盤はトレイラー、終盤はケネディが担うことの多かったポジション。

 ケネディは既に掲載しているので、今回は荒尾と谷口の成績を取り上げたい。

 〇荒尾岳(36試合、4時間0分31秒出場)
 ・得点数:4点(1試合平均0.1点)
 ・2Pシュート成功率:66.7%(2/3)
 ・トータルリバウンド:29(1試合平均0.8)
 ・アシスト:15(1試合平均0.4)
 ・ブロック:0(1試合平均0.0)
 ・スティール:5(1試合平均0.1)

 〇谷口大智(31試合、3時間39分48秒出場)
 ・得点数:68点(1試合平均2.2点)
 ・2Pシュート成功率:35.7%(10/28)
 ・3Pシュート成功率:37.5%(12/32)
 ・フリースロー成功率:92.3%(12/13)
 ・トータルリバウンド:26(1試合平均0.8)
 ・アシスト:10(1試合平均0.3)
 ・ブロック:2(1試合平均0.1)
 ・スティール:10(1試合平均0.3)

 荒尾は外国人選手に代わって入ることが多く、なおかつ守りをメインとしていたため、攻撃の際もブロックを作ったりボールを回すことに徹していた。

 谷口は3Pシュートやフリースローの正確さを武器に少ない出場機会を生かす場面がそれなりにあったと感じる。

 この2人に関しては正直予想が難しいところがあるが、ディフェンス能力にも長けている外国人選手や日本人選手の補強に成功した場合、荒尾が残留する可能性は低いと思っている。

 以前から言っているようにセカンドユニットでもスターティング5に次ぐ攻撃力を持ちたいところを考えると、ディフェンス専門の荒尾を置いておく余裕がチームにないのではないかと感じる。

 一方の谷口もインサイドでの攻撃もできて3Pも打てる外国人選手や日本人選手が加入すると厳しいと思っているが、彼に関しては残留する可能性もあると思っている。

 というのも、出場時間が短くてもベンチで腐らずに声を出している姿を見せている選手は必要な存在だと思うからだ。
 それに加えてシュートの正確性を持っているのだから、ベンチに置いておく価値はあると思う。

 その点で、谷口は攻撃と守備に長けているタイプが2名加入しない限りは残留すると思っている。

 【C(センター)】

 最後となるが、ここのポジションはエチェニケとネパウェが担っていたので、2人の成績を振り返ってみたいと思う。

 〇グレゴリー・エチェニケ(55試合、29時間46分12秒出場)
 ・得点数:940点(1試合平均17.1点)
 ・2Pシュート成功率:62.2%(351/564)
 ・3Pシュート成功率:0.0%(0/2)
 ・フリースロー成功率:74.1%(238/321)
 ・トータルリバウンド:538(1試合平均9.8)
 ・アシスト:110(1試合平均2.0)
 ・ブロック:43(1試合平均0.8)
 ・スティール:44(1試合平均0.8)

 〇チリジ・ネパウェ(13試合、3時間19分48秒出場)
 ・得点数:83点(1試合平均6.4点)
 ・2Pシュート成功率:57.4%(31/54)
 ・フリースロー成功率:53.8%(21/39)
 ・トータルリバウンド:75(1試合平均5.8)
 ・アシスト:7(1試合平均0.5)
 ・ブロック:7(1試合平均0.5)
 ・スティール:3(1試合平均0.2)

 エチェニケはどの数値も高いものを残してくれており、B1のディフェンス相手でも当たり負けない強さを持っていることが証明された。

 ネパウェは途中加入ながら得点とリバウンドをかなり稼いでくれたと感じる。
 ただしフリースロー成功率が低かったり、ボールが手に付かない場面もあったりと、ハンドリングに難があるのかなと感じる場面もいくつか見受けられた。

 その点で、エチェニケを残すのであればネパウェは厳しいのかなと感じる次第だ。

 今やCに入る外国人選手でも3Pを打てる選手が増えている手前、エチェニケを残すのであれば、タイプの違う選手を補強するべきであり、そうなるとネパウェは残留が厳しくなるのかなと感じる。

 【全体統括】 

 ということで、各ポジションの予想をまとめると以下の通りとなる。

 〇残留濃厚
  古野拓巳(PG)
  柳川幹也(PG)
  朝山正悟(SG/SF)
  アイザイア・マーフィー(PG/SG)
  田中成也(SG)※レンタルで移籍する可能性あり
  トーマス・ケネディ(SF/PF)
  グレゴリー・エチェニケ(PF/C)

 〇状況により残留の可能性あり
  岡本飛竜(PG)
  谷口大智(PF/C)

 〇自由交渉選手リストに載る可能性が高い
  田渡凌(PG)
  森山修斗(SF)
  荒尾岳(PF)
  チリジ・ネパウェ(C)

 残留濃厚が7名いるので、新たなる選手が3~5人は必要となる。
 その補強状況で岡本と谷口は残留するか移籍をするかのどちらかになると予想している。

 更にいえばマーフィーやケネディ、エチェニケ辺りが他チームに移籍する可能性もあり得るので、その際は補強人数はもう少し増えると思われる。

 ただそれは今は考えないとして、残留濃厚の外国人選手はエチェニケだけで帰化選手が1人なので、外国人選手をあと2名は補強できる。

 そこから日本人選手を1~3名補強していく形になるのではないかと予想している。

   【おすすめ記事】