【不登校】運命の始業式の日

不登校
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2018年4月6日


その日は朝から雨が降っていました。


双子姉妹での不登校が始まってから1年が過ぎていました。


紆余曲折がありましたが、いよいよ中学3年生となる始業式の日がやってきたのです。


妹は自分が知らないところで嫁に『3年生になったら学校に行けるから』と話していたらしいのですが、これだけは当日を迎えてみないとどうなるのかが全く分かりません。


姉はどうするのか?


きっと、妹の行動に合わせるはずです。




そして運命の始業式当日がやってきました。


自分は受験の発表を待つかのような緊張感、そして恐怖感で一杯です。


まずは朝、二人とも自ら起きてきて身支度を始めました!!


二人で一緒に朝の身支度をするのはいつ振りなのでしょう・・・


まるで夢を見ているようです。


この日が来ることをずっとずっと願い続けていたのですから。


見た感じでは妹は気力が充実していて元気な感じ、姉は乗り気でないような感じがします。


姉からは『行きたくないけど、しょうがない・・・』というオーラが出ているように見えました。


自分だけではなく、嫁も同じことを思っていたようです。


しかし、そんなオーラを放ちながらも学校へ行く準備をしている姿が可愛くも見えました。


ほんのちょっとだけ朝食を食べる二人。


二人が学校へ行く姿を見たかったのですが自分は会社へ出勤の為、二人に『車に気を付けて行ってくるんだよ』と声を掛けて家を後にします。


(ここから先は嫁から聞いた話になります)


それから少しして、まずは妹の幼馴染みの友達二人が迎えに来てくれました。


この二人がいてくれなければ、妹がここまで元気に回復してくれることはなかったのかもしれません。


我が家にとっては本当に大恩人なのです。


妹は元気に『じゃ、行ってきま~す』と雨の中、三人で傘を差しながら学校へ向かいました。


一方姉は仲の良い友達と一緒に行く約束をしていたようで、雨降りだった為に友達との待ち合わせ場所まで嫁が車で送っていったそうです。


『二人ともちゃんと学校に行けたよ!!』という嫁からのLINEを会社で見たときは嬉しさよりも安堵感のほうが大きかったです。


その時の気持ちは、今でも忘れることができません。


言うならばガッツポーズをしたくなるような嬉しさでではなく、1年前まであった日常に戻ることができた感慨深い気持ちでした。


不登校になったとき、出勤の車の中で登校する子供たちを見て【我が家だけが違う世界にいる】ような感覚に襲われ、涙を流しながら会社に向かったこともありました。


子供が部屋に籠り2~3日も姿を見れずに『ホントに生きているよな・・・』と変なことを考えてしまうこともありました。


もっともっと数えきれないくらいの辛さ、苦しみ、悲しみ・・・


普通に学校に通っている家庭では経験できない多くの事を家族で乗り越えたからこそ、この日を迎えることができたのだと思います。


登校した二人ですが、妹は途中で心が苦しくなり保健室へ駆け込んだそうです。


1年以上ぶりの本格的な出席でのストレスや、新しいクラスでの緊張、これからの不安・・・妹の心身は、まだそれだけの物に耐えられる状態になかったのだと思います。


しかし、そこで保健室の先生にとてもやさしくしてもらったようで『優しくていろいろ話聞いてくれるし、また行こう』となったとの事。


何よりも自分の意思で保健室に行くことができたことが成長した証なのかな?と思いました。


自分の心を守る術を実践できたのですから。


それでも保健室で休ませてもらったあと教室に戻り、最後までいることができました。


一方の姉は、その日の出来事を詳しくは教えてくれませんでしたが、大きな問題もなく普通に過ごすことができたようでした。


二人ともとりあえず初日は登校することができましたが、この後どうなるのかは誰も分かりません。


このまま元気に通うことができるかもしれないし、また学校に行けなくなる日が来るかもしれません。


でも、どんな状況になろうとも乗り越えることができる自信がありました。


この1年を思えばどんな困難も乗り越えることができる・・・


そう思えました。


自分は、この日が我が家全員が【新しく生まれ変わった家族】となった記念日だと思っています。







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