2021年9月9日木曜日

規制機関の設立レベル(国レベルの管理が必要?)

今回は、水道コンセッションの規制機関(Regulator)について記載します。

規制機関はコンセッション期間中、民間企業から得た情報を分析し、利益追求に向かいやすい企業の運営を管理・規制する役割を持ちます。

・規制機関の設立レベル

規制機関の設立レベルですが、国レベル、州・県レベル、市レベルと各国で異なっています(例は以下)。

国や州レベルの方が当然情報量が多く、専門担当者も多く雇用できると考えられます。日本は、発注者である県・市が個別に規制をする方針の様ですが、その体制で海戦山戦の水メジャーや日本の大企業と、対等に戦えるか疑問が残ります。

コンセッションを適切に管理するためには、国レベルの規制機関が必要との意見もあり、今後議論していく価値があると思います。


国レベルイギリス、ポルトガル、チリ、ボリビア

1つの規制機関が全国を一括して管理する。完全民営化のイギリスが代表で、全国の事業から一律の手数料をとって運営費としていることが多い。

県・州レベルメリカ、インド、ブラジル

州・県の自治レベルが高い国では州・県ごとに規制機関が設立される。道路等、他インフラ分野も併せて規制する場合が多い。

市レベルフランス、フィリピン、インドネシア、(日本)

昔からコンセッションを実施してきたフランスは市ごとに管理。最近民営化が進められた国も事業数が少なく、市レベルの管理が多い。自治体が中小規模の場合、充分な体制(組織・予算)が取れるか懸念あり。

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