わくわくワクチン

先日とうとうSARS-CoV-2ワクチン(以下単に「ワクチン」)の2回目の接種を受けた。

 

私は決して早い方ではないが、現時点では4割を超える人がワクチンの2回接種を受けていないそうであり、特にひきこもり界隈ではまだ1回目の接種も決めかねている人も多いであろうから、私の経験を共有したい。

 

 

私もワクチン接種するつもりがなかったわけではないが、自治体の新規接種は長らく麻痺状態で、大規模接種は何回試しても予約できない──という状況が続くなかで嫌気が差し、興味を失っていた。

 

ところが先月になって久々に自治体の枠が復活するとのアナウンスがあったことから、急遽ワクチン接種が具体化することとなった。

 

正直なところ、面倒なので接種したくないという気持ちもあった。

 

家族は既に2回接種を済ませて必要な期間も経っているし、外出することも少ないから、人にうつすこともない。

 

そして、はなはだ不謹慎なことを言うが、COVID-19で死ぬことは別に嫌ではないし、避けたいとも思わない。苦しいのは確かだろうが、どちらにせよ近い将来にのたれ死ぬことを考えれば、どうでもいいことである。

 

しかし実際には、私の年齢で死亡や重篤な後遺症に至ることはあまり多くないようである。それに対し、軽微な後遺症は年齢にかかわらず高頻度で出現するという。

 

 

つまり、このまま未接種でCOVID-19に感染した場合、細々とした持病が追加されるだけで終わる確率が高い。

 

それは厄介である。そこで、可能な限り早くのワクチン接種を決定した。

ひきこもりもワクチンを接種すべきか?

ひきこもりであってもワクチンを接種すべきであると考える。現在主流のデルタ株では従来株に比べて感染力が大きく上がっていることが知られているためである。

 

 

デルタ株についても、ワクチンが高い効果を示すことがわかっている。

 

その後の(日本ではまだ広がっていない)変異株に対しては効果が薄い例があるという報告もあるが、少なくとも未接種よりはマシなようである。

 

 

また以下の理由から、ひきこもりであっても比較的容易に接種が可能である。

  • 好きな時間帯にすぐ近所の会場で接種が可能である。
  • 待ち時間を除けば2-3分で接種が完了し、待ち時間を含めてもせいぜい30分程度である。
  • 予約はウェブサイトで可能で、キャンセルも簡単にできる。
  • 対応するのは多くの場合ベテランの医療従事者である。
  • 完全に無料であり、一切の勧誘を伴わない。
  • ひきこもりであればずっと自宅で安静にできるため、副反応の心配をあまりしなくてよい。

副反応について

副反応は医療行為に伴う望ましくない効果のことであり、主に以下が報告されている。

 

ファイザー(コミナティ)

接種部位の痛み、疲労、頭痛 / 筋肉痛、悪寒、関節痛、下痢、発熱、接種部位の腫れ / 吐き気、嘔吐

 

モデルナ(スパイクヴァックス)

接種部位の痛み、疲労、頭痛、筋肉痛 / 関節痛、悪寒、吐き気・嘔吐、リンパ節症、発熱、接種部位の腫れ、発赤・紅斑 / 接種後7日め以降の接種部位の痛みなど

 

 

一般にモデルナ製ワクチンのほうが副反応が重くなる傾向にあると言われている。発生頻度もモデルナ製の方が高いことが知られている。一方で、米国CDCの調査ではモデルナ製のほうが長期的な効果に優れることが示されている。

 

 

 

 

とはいえどちらを接種しても大差はないので、住んでいる自治体で接種できるものを受けるのが賢明かと思う。

 

私が接種したのはファイザー製で、副反応は以上のうち「接種部位の痛み」と「疲労」だけで、それも軽いものだった(正確には頭痛、下痢、吐き気もあるのだが、これは普段からであり、特に増強した感覚もない)。詳細は以下の「経過」で述べる。

 

なお発熱については、わざわざ何度か測ってみたにもかかわらずみられず、平熱であった。

安全性について

私はワクチンの安全性にもあまり興味がないのだが、補足として私の認識を述べる。

  • ファイザー・モデルナいずれのワクチンも国内でも既に膨大な接種実績があり、効果と(少なくとも短期的な)安全性が明らかになっている。アストラゼネカのワクチンも海外で大きな実績があり、一定の条件下での効果と安全性が確認されている。
  • 長期的な影響についても、早期の報告は安全性を示している。
  • 特にモデルナ製で品質管理に問題のあるロットの存在が報告されているが、接種量が多く社会的な注目度も高いため比較的早期に発覚しており、影響を受けるリスクはそう高くないと考えられる。
  • 接種後の死亡例等について調査徹底の確約ではなく「因果関係不明」で押し切る姿勢は論理的に誤っているが(因果関係がないのかも不明である)、他方で他の医療行為と比べて頻度が高いという説得力のある指摘もない。

結論として、ワクチンはおそらく他の日常的な医療行為と同じくらいには安全であると見做してよいと思う。

 

対してCOVID-19感染によるリスクは歴然として存在するのだから、接種しない理由はない。

 

それにそもそも、心配するには既にあまりに普及しすぎている。

 

たとえば極端なところでは接種後の不妊化や接種から5年後に死亡するなどとの主張が展開されているが(当然これらは専門家によって否定されている)、万が一事実であったとしたら、一部の人がワクチンを忌避したところで世界人口の激減は避けられないだろう。

 

そうすれば文明の維持はもはや困難であり、場合によっては人類は絶滅するかもしれない。

 

もしそうなれば、それほど素晴らしいことはないが。

経過

1回目 9月上旬

接種当日

1回目は市の施設を使った接種会場にした。早い時間帯のほうが人が少ないがあまり早くても起きられないという兼ね合いから、昼過ぎを指定した。

 

接種にあたっては、予診票、接種券の付いた台紙、本人確認書類を持参する必要がある。

 

認められる本人確認書類は自治体によって異なるようなので、事前に確認する必要がある。私は健康保険証を持参した。予診票は同じものが2枚同封されているので、そのうち1枚をあらかじめ記入しておく。

 

当日の注意事項やリスク等に書かれた紙も同封されているので、あらかじめ目を通しておく。

 

施設内は広々としていて換気もよい。接種に貸し切りなので人も少ない。

 

本人確認書類の確認、問診、予防接種済証の交付など機能ごとに別れた多くのブースにそれぞれ職員が座っており、順路に沿って手続きを進める。学校の健康診断に近い。

 

やや煩雑さは否めないが,案内係も配備されており、スムーズに移動できる。

 

問診は儀式的なもので、予診票の質問の一部が早口で読み上げられるので「はい」と言うだけである。

 

接種場所はパーティションを立てたブースになっており、職員は2人。1人が接種する看護師で、もうひとりは様子を見る医師かと思う。

 

接種に際しては利き手を訊かれ、その反対側に接種した。接種時の痛みは全くなかった。

 

接種終了後、帰る際に呼び止められて、副反応への対応についての書類を渡されるとともに口頭で簡単な説明を受けた。これは2回目ではなかったが、市が別途用意したものなのか、1回目だけのものなのかはわからない。

接種後

3時間程度でわずかな痛みが出始め、接種箇所を中心に円状に広がる。最終的に二の腕の上半分が影響を受ける。

 

翌朝にはそれなりに痛みが出たが、それでも腕を動かすのに不自由するほどではない。先述の通り、その他に目立った症状はない。

 

チクチクした痛みが3日間ほど続いたが、寝返りを打つときに気になる程度だった。自覚症状は痛みだけだったが、3日間程度、普段10時間程度の睡眠時間が12時間以上に増えた。

2回目 9月下旬(数日前)

接種当日

1回目と同時に予約を取る手順になっていた。1回目と同じ会場はなかったため、ほど近い総合病院にした。今回も昼過ぎを指定した。

 

予診票、接種券の付いた台紙、本人確認書類が必要なのは前回と同じである。

 

それなりの規模の病院であったが、待合室はただでさえ狭い1階ロビーの半分程度を仕切ったものなので、かなり「密」になる。換気も悪い。

 

説明は入り口に貼ってあったA4の紙だけである。もっとも、狭い空間で全てが完結するので戸惑うことはない。

 

書類は特設の受付ひとつでまとめて出す形で、整理券を渡される。問診と接種もひとつの診察室でまとめておこなう。接種済証は待合室にて整理券と引き換えになる。

 

問診はやはり予診票の確認だけだが、前回ほどには儀式的ではなかった。

 

接種場所には4人ほどがいたが、実際に関与するのは問診の医師と接種する看護師だけである。

 

今回は効き手を質問されなかった。ひょっとしたらカルテが共有されているのかもしれないが、左利きの人は自分から主張する必要があるのかもしれない。接種時の痛みはわずかだった。

接種後

3時間後には前回のピークに近い水準の痛みがある。ただし、痛みの広がり方は変わらない。

 

翌朝には痛みで腕が上がらなくなるが、夕方には60度くらいまで無理なく上がるようになり日常生活への支障はなくなる。

 

翌々日には痛みも収まり、痛みの収束は1回目よりむしろ早かった。

 

もっとも、やはり3日間程度に渡り睡眠時間が増えたほか、今回は普段はしないような単純なミス(コップを置いたことを忘れてぶつけてこぼしてしまう、説明を読み落とすなど)も目立った。

結語

ワクチン接種すると5G接続できるようになるそうなので、とても楽しみである。