↑のつづき。
さて、ニギハヤヒである。
竜神様であり、太陽神の神格を持つ。
様々な名で語られており、隠されており、数々の神と同一とされる説がある。
・天火明命
・饒速日命
・櫛玉命
・天照国照彦火明櫛玉饒速日命
・櫛玉神饒速日命 等
天照の名から、本当の天照は男神で、古史古伝に登場する『アマテル』と呼ばれていた神のことだとも。
十種の神宝を持ち、ニニギノミコトに先立って天磐船に乗って天孫降臨した。
ここで、『ニギハヤヒ』を主祭神とする神社を一つ紹介したい。
奈良県大和郡山市矢田町に鎮座する
『矢田坐久志玉比古神社』である。
『櫛玉神饒速日命』が天磐船に乗って空を飛んでいたという伝承から、航空祖神として崇められ、この神社の楼門にはプロペラが奉納されている。
古くから「矢田」と呼ばれた理由は、ニギハヤヒが降臨する際に、弓で天羽々矢を三本放ち、三本とも同じ場所に落ちたため、この地に住まうことを決めたという伝承からきている。
境内には『ニの矢塚』があり、周辺には一の矢、三の矢が落ちた場所も残っているという。
矢田坐久志玉比古神社は、別名「矢落神社」とも呼ばれている。
矢田と八咫は関係がありそうだ。
毎年1月8日に行われる「綱掛祭」。
そこで使用される綱の形状は、ある者には「龍」のように見え、ある者には「エビ」のようにも見えるのだそうな。
「エビ」と「龍」。
確かに似ていると言えば似ている。
連想するのは七福神の一柱「エビス様」である。
「蛭子」とも書き、これが「ヒルコ」とも読める。
『蛭子(ヒルコ)神』と同一神だという説がある。
イザナギとイザナミの最初の子と言われているが、後にその事実を消されてしまう。
不具の子。
なんらかの障害があった為、『天磐櫲樟船(アマノイワクス船)』に乗せられて捨てられてしまう神様こそが、『蛭子神』である。
「天磐船」を思い浮かべてしまうのは私だけだろうか。
「蛭(エビ)」という字は「虫へん」に「至る」と書く。
「虫」とは本来は昆虫等ではなく、古来は蛇を表す言葉であった。
蛇に至る。
龍に至る。
蛭子神が龍のような姿であったなら…
「至」という字の意味を調べたら、とても面白いことがわかった。
「ぎりぎりのところまで行き着く」
「この上ない」
「いたって」
「太陽が回帰点に達した日」
「成り立ち 矢が地面に刺さった象形で、矢があるところまで「いたる」ことを表す。」
…
⁉️
太陽神… そしてまさに矢のイメージは『ニギハヤヒ』そのままである。
ヒルコ神=エビス様=ニギハヤヒ
だとしたら、隠されてしまう理由の一つが説明出来てしまうではないか。
『エビス』は渡来神、客人神などとも呼ばれている。
一度日本から離れて戻ってきたとも解釈出来る。
客人神という扱いは『アラハバキ』とも通ずる。
また、神格化された漁業の神として、「クジラ」のことだとも。
古くは『勇魚(イサナ)』とも…
イザナギ・イザナミとの関係は…
エビスを『事代主』と同一神だとする説もある。
実際に、『事代主』を祀っており、後にエビスを祀ることになった神社も多数存在する。
島根県松江市に鎮座する『美保神社』。
主祭神は事代主神と美保津姫神。
『美保神社』と『出雲大社』を合わせて
『出雲のえびすだいこく』と総称されている。
そして、『ニギハヤヒ』もまた、『事代主』と同一神だとされているのだ。
「国譲り」の際に、『事代主』は
「釣りをしていた」という。
いや、エビスやん…
つづく。
ではまた❗
○書き忘れていた事
『矢田坐久志玉比古神社』の主祭神は
久志玉比古神(櫛玉饒速日命)と
御炊屋姫命(みかしきひめ)。
みかしき姫はナガスネヒコの妹である。
そして、市杵島姫と同一神とする説がある。
と、いうことは、やはりニギハヤヒの妻の…
ちなみに、『みかぼし』とは『金星』のことだとされている。
金星の女神と言えば。。。