さて、オオヤマツミの大山祇神社。
総本山は伊予の国、愛媛県。

ホツマツタエではハラミの宮、つまり富士山にいたとされている。

その後に、あるいはその前に伊予国にいたのだろうか。

面白いのが、同じ四国である阿波の国、徳島県板野郡に、『鹿江比賣(かえひめ)神社』という徳島にしか存在しない神社が鎮座している。

『鹿江比賣』とは、オオヤマツミの妻神、草の神『カヤノヒメ』と同一神だとされている。

カヤノヒメは『阿波忌部氏』の一族。

祭祀の一族である。


そして付近には『葦稲葉(あしいなば)神社』があり、主祭神は『葦稲葉神(ウカノミタマ)』だが、『鹿江比賣』が合祀されている。

元々は『大山』中腹にあったらしく、『大山』自体をご神体としていたとも考えられているらしい。

大山。

そう、伊予のオオヤマツミと阿波のカヤノヒメ。

共に四国に。

となれば、その御子神も同じく四国に隠れているのではないか…と勘ぐってしまう。

そして、オオヤマツミは月、牛。

カヤノヒメは別名『ノヅチ』。

「ツチ」は蛇だ。

牛と蛇の子。

それこそが、龍、つまり『龍神』なのである。

シュメール神話において、最重要神物(じんぶつ)である、二柱の神。




牛の角を持つ『エンリル』と、
蛇の身体を持つ『エンキ』。

ことあるごとに気が合わず、争いをしてきたこの二柱の和解の象徴が、二つの血を受け継ぐ『龍』という存在なのだそうな。


エンリルの息子は月神ナンナ(オオヤマツミ)。

ナンナと蛇神ニンガル(ノヅチ)との子供が、双子の
太陽神ウツ(ニギハヤヒ)、
金星の女神イナンナ(コノハナサクヤ姫)。
さらに、母親違いの姉のエレシュキガル(イワナガ姫)がいる。

エンリルの孫達こそが和解の象徴。



ではなぜ龍神なのか。。


四国にそのヒントがあった。

香川県、『讃岐(さぬき)』である。




ここから先の話は創作とも呼ぶべき、飛躍し過ぎた考察になるため、あまりためにならないかもしれません(笑)

苦手な方は飛ばして下さいな。





さてさて、古代日本において、『龍神』と聞けば様々な神様を思い浮かべるかと思う。

『讃岐』と『イワナガ・コノハナサクヤ姫』。

そして、『龍』。

これで繋がる神様がいる。


『高龗神(たかおかみのかみ)』と、
『闇龗神(くらおかみのかみ)。

総称して『オカミノカミ』とも。

『淤加美神』とも書きますね。


『龗』は雨を司る龍を表す言葉なのだとか。

『オカミノカミ』は、イザナミが火の神カグツチを産んだ際に、陰部が焼けて亡くなってしまい、怒ったイザナギがカグツチを剣で斬り殺した際に産まれた…という、現代の私達の多様な解釈まで産み出してしまった話だ。

『闇御津羽神(クラミツハ)』という神も一緒に産まれたともされており、「水神『ミヅハノメ』っぽいよね」と言いたくなるが、一旦、二柱の『オカミノカミ』に照準を合わせたい。

この二柱は水を司る龍神。

同一神との説もあるが、
高龗神の「高」は山の上を、
闇龗神の「闇」は谷間を表しており、
微妙にニュアンスや役割が違う気がする。

名古屋に出張に行った時に『白龍神社』を参拝した。


祭神は『高龗神』と『須佐之男命』。
二柱を総称して『白龍大神』され、「白龍さん」と親しまれている。

二柱ともイザナギの御子神とされてはいるが、なぜにこの二柱で白龍さんなのだろうか…と思ってはいた。

しかし今、現時点では私の中で『スサノオ』は女神であり『コノハナサクヤ姫』である。

『高龗神』が『イワナガ姫』だとすれば、白龍神社は姉妹の龍神を祀っていることになる。

ここで気になるのは、他の神社はどうだろうか…ということ。


『オカミノカミ』を祀る神社を少しリストアップしてみよう。


『大山阿夫利神社』
神奈川県伊勢原市大山に鎮座。
大山は別名「雨降(あふり)山」。
祭神 
本社 大山祇大神(オオヤマツミ)
奥社 大雷神(オオイカツチ)
前社 高龗神(タカオカミ)


『丹生川上神社』
奈良県吉野郡に鎮座。
○丹生川上神社上社
祭神 高龗神(タカオカミ)
配神 大山祇神(オオヤマツミ)
   大雷神(オオイカツチ)

○丹生川上神社(中社)
祭神 罔象女神(ミツハノメ)

○丹生川上神社下社
祭神 闇龗神(クラオカミ)



『貴布祢神社』
福岡県北九州市小倉に鎮座
祭神
高淤加美神(タカオカミ)
闇淤加美神(クラオカミ)
弥都波龍売神(ミツハノメ)
大山祇神(オオヤマツミ)


『貴布禰神社』
兵庫県尼崎市に鎮座。
祭神 高龗神(タカオカミ)
配神 賀茂別雷大神(カモワケイカツチ)


『貴船神社』
京都府京都市左京区に鎮座。
祭神
本宮 高龗神(タカオカミ)
結社(中社) 磐長姫命(イワナガヒメ)
奥宮 闇龗神(クラオカミ)

本宮内末社
牛一社 木花開耶姫命(コノハナサクヤ姫)
    (牛鬼とされている) 


さて、ここまでで気づくことがいくつかある。
例えば、オカミノカミの祀られるところには、イワナガ姫・コノハナサクヤ姫・オオヤマツミ、あるいは賀茂別雷が必ずいる…ということ。

賀茂別雷は↓に書いたが、
ミシマミゾクイ(オオヤマツミ)の娘の『タマヨリ姫』の御子神である。

つまり、コノハナサクヤ姫の御子神ということ。

オオヤマツミ一家とオカミノカミは明らかに関連している。


タカオカミとクラオカミの同一神説は、同一ではなく、限りなく近い存在、つまり姉妹ということなのではないか…と推測。



ニニギに捨てられ山奥にとどまる『イワナガ姫』と、富士山に身を投げて火山を鎮める(谷に落ちる)『コノハナサクヤ姫』。

この姉妹が、牛(月)の神と蛇(太陽)の女神の血を引く龍神であったとしたら。


タカオカミとクラオカミの特徴と重なるのではなかろうか。

高龗神⇒イワナガ姫
闇龗神⇒コノハナサクヤ姫
なんじゃないだろうか。

そう言えば、三島神社にもたしか…

上津姫命はイワナガ姫
下津姫命はコノハナサクヤ姫だとされていた。

タカオカミ・クラオカミのイメージとぴったりだ。


ならば高照姫や下照姫は…


また、栃木県佐野市に鎮座する
『星宮神社』。
主祭神は迩々杵尊(ニニギ)
配神は岩裂(いわさく)神と根裂(ねさく)神。

ニニギに関連した配神であるこの二柱も、やはりオカミノカミと同様、カグツチから産まれている。


岩裂神⇒イワナガ姫⇒タカオカミ
根裂神⇒コノハナサクヤ姫⇒クラオカミ


栃木県には星宮神社の他にも磐裂根裂神社など、不思議とイワサクネサク神を祀る神社が多い。


小学生の頃は那須高原にも住んでいたことだし、またいずれ栃木県にも行きたいものだ。




『龗(おかみ)』は雨を司る龍神を意味する。

よくみると、この字ってホント面白くて↓



雨と龍の間に「口」が三つある。

なぜだろうか。


オリオンの三ツ星なのではないだろうか。

つまり『カラスキ星』である。

姉妹神の親はオオヤマツミでありミシマミゾクイミミであり、八咫烏である。

三本足のカラスなど創造上の生き物だとは思うが、
「三本足」がオリオンの三ツ星を表しているのなら、とても意味がある。


八咫烏は神武天皇を導いた者だが、神武東征にはいくつかの物語が混ざって伝わっている可能性もある。

神武東征とアレクサンダー大王の東征の内容があまりにも似ていること(中東経由で伝わったか、その逆もありうる)。

そして、神武東征時にはすでに大君(大王)となっていたニギハヤヒという存在。

そしてなぜか、ニギハヤヒと兄弟とも言われる天孫降臨の『ニニギ』。

この『ニニギ』こそが、天から…ではなく外国から九州に渡来し、後の時代の日本を支配した人物だという可能性もありうる。

神武天皇はいなかったのではなく、いくつかの人物を掛け合わせた神様(天照もそうですね)。


『ニニギが持ってきた稲』の意味はまた後日ちゃんとまとめよう。


日本の山の総まとめ『オオヤマツミ』。

なぜだか神話において、その扱いが小さい理由。

なぜ日本書紀において『大山罪』という字が当てられたのか。

なぜ、『トガ(咎)』と名のつく神社に『三島大明神』が祀られているのか。


本当に想像の創造でしかないが、渡来した『ニニギ』が外国の王であり、オオヤマツミは喜んで『コノハナサクヤ姫』を差し出した。


そしてそれは

失敗だった。


日本神話では、ニニギに貞操を疑われたコノハナサクヤ姫が、火の中で子を産む…という描写がある。

そこに何かしらのメッセージが込められているのだと感じる。

そういえば、姉のイワナガ姫など、醜いからとニニギに結婚を拒否されている。

ニニギに娘を差し出したオオヤマツミは「罪」を感じたのではないだろうか。

大山の罪

『大山罪』である。


高千穂峰に降り立ったニニギは、吾田(あた)の長屋の『笠沙(かささ)の御﨑』で『神吾田津姫(コノハナサクヤ姫』と出会う。

「かささのみさき」は、『カササギ』を暗示しているように思える。

七夕伝説では、カササギが天の川に橋を架け、織姫と彦星を会えるよう「導いた」。

また、織姫星は「月の船」に乗って、天の川を渡るという伝承もあるのだそうな。

「月の船」や「カササギ」。
これらが月の神格を持つ『オオヤマツミ』のことであり、織姫と彦星が、決して出逢ってはいけなかったニニギとコノハナサクヤ姫であったのだとしたら。

白い羽と黒い体を持つカササギは、
漢字だと『鵲』。
別名『高麗烏』。
大きく分類すると『カラス』の仲間である。

カササギは朝鮮半島からやってきた。
オオヤマツミが百済からやってきたと言われることに関係があるかもしれない。




さて、四国の話を回収しよう。

山梨県都留郡富士河口湖町に鎮座する河口浅間神社は、富士山をご神体とし、祭神はコノハナサクヤ姫。
浅間神社から山を登った先には、その遥拝所『天空の鳥居』がある。

そして遠く離れた『讃岐の国』。
香川県観音寺市の『稲積山』山頂に『高屋神社本宮』があり、そこにも『天空の鳥居』があるのだ。


高屋神社は別名『稲積神社』。
祭神は、
邇々杵命(ニニギ)
咲夜比女命(コノハナサクヤ姫)
保食命(ウケモチ) 


二つの天空の鳥居と、その祭神。
そして『讃岐(さぬき)』。

ここに二つの暗号が隠されている。

ひとつ、『大山積(月神ナンナ)』の子は、
豊穣の女神である『稲積(イナンナ)』。

「稲積(いなづみ)」は『稲妻』にも繋がり、『大雷神』の妃。

イナンナとコノハナサクヤ姫は同一神。


もうひとつ、
コノハナサクヤ姫は『桜大刀自神』。
「刀」つまり「剣」。

オカミノカミはカグツチが剣で斬られて産まれた神。

コノハナサクヤ姫はもうひとつ別の称え名があったのではないだろうか。


たとえば…




『桜大神』。





『クラオカミ』を『クラオオカミ』と呼ぶ神社もあるそうだ。


「讃岐(さぬき)」。

「サを抜く」

『桜大神(サクラオオカミ)』から「サ」を抜いたら


『クラオオカミ』である❗


以上が、コノハナサクヤ姫とクラオカミが同一神とする根拠です。

おあとがよろしいようで。

つづく。

ではまた❗




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