↑のつづき。

さて、前々回は『オオヤマツミ』について、前回はその娘、『イワナガ姫』『コノハナサクヤ姫』姉妹が『高龗神』『闇龗神』と同一神なのでは⁉️
と、いう話を書いた。

最近、度々「スサノオは女神説」を謳っていた。

まず、前提として、『コノハナサクヤ姫』は女神である『スサノオ』と同一神であったのなら…という方向性で進めてみる。

そうすると、面白いように隠された暗号が解けてゆくのだ。

前回書いた通り、香川県観音寺市に鎮座する『高屋神社』別名『稲積神社』の祭神はウケモチとニニギ、そしてコノハナサクヤ姫であった。

山梨県甲府市にも『稲積神社』はある。
祭神は宇迦之御魂大神(ウカノミタマ)。
そして、
『大宮能売大神(オオミヤノメ)』。

オオミヤノメは一説によると『アメノウズメ』と同一だとも言われているが、その話はまた後日にしよう。

大宮と言えば『大宮氷川神社』が思い浮かぶ。
祭神はスサノオ。

実は、コノハナサクヤ姫は『大宮』に住んでいたともされている。

埼玉の…ではない。

静岡県富士宮市の「大宮」である。

富士宮市大宮町と言えば、駿河国一宮『富士山本宮浅間大社』が徒歩圏内に鎮座している。

埼玉の大宮と富士宮の大宮。

もちろんこれだけでスサノオとコノハナサクヤ姫を繋げるのは乱暴だ。

もうひとつの根拠(というか暗号)。

コノハナサクヤ姫が一夜にして宿した子を、ニニギは「国津神との子ではないか」と疑った。

自身の潔白を証明するため、コノハナサクヤ姫は、戸の無い産屋に入り火をつけ、「国津神の子なら産まれず、天津神(ニニギ)の子なら無事産まれる」と言い、見事に三つ子を産んだ…という有名な神話がある。

その時の「戸の無い産屋」を『無戸室(ウツムロ)』と言い、富士河口湖の『無戸室浅間神社』に遺されているのだそうな。

神社の祭壇の下には地下洞窟へと繋がるトンネルがある。

面白いのは、無戸室浅間神社の場所が、富士山の北の「裾野」に広がる青木ヶ原樹海から程近いということ。

「裾野」とは山麓の緩やかな傾斜地のことで、「裾野市」の「裾野」も同じ意味であろう。

「裾野(スソノ)」⇒「スサノオ」の暗号なのではないだろうか。

また、ホツマツタエでも、富士山を見渡せる「裾野」に産屋を建て、三皇子を出産し、自殺を図ったが、何処からともなく『峰の龍』が現れ救出した…とある。

さらに、ホツマツタエでは『イワナガ姫』とその母親が、『コノハナサクヤ姫』の悪い噂を流し、そのせいでニニギに誤解された…という。

イワナガ姫は完全に悪者である(真実だとは思いたくないなあ)。


ちなみに、「裾野市」の市章は↓


『五芒星』。

「桜」を暗示しているのかもしれない。

隣町には「三島市」もある。


ニニギノミコトが九州に天降りした為、産んだ場所も九州なのでは…と疑うこともできるが、現在でも出産の時には故郷に帰って出産する方々も大勢いるだろう。

故郷が富士山であったのだとしたら。



さてさて、コノハナサクヤ姫はやはり『富士山』なのかと思い始めたところで、姉神『イワナガ姫』はどうなのだろうか。

やはりどこかの山におられるのか。

ここでひとつの伝承がヒントになる。

『八ヶ岳』である。

中学生の頃、嫌々登山に行かされた頃の記憶が甦る(笑)


山梨県の大泉村(現在は合併して北杜市大泉町)。

八ヶ岳連峰の赤岳を中心として、南北に長い帯状に広がる村。

多くの縄文遺跡が遺された場所。

大泉村に伝わる伝承は以下のとおり。

美しさで勝ってたコノハナサクヤヒメだが、
高さや力ではイワナガヒメには勝てずにいた。
コノハナサクヤヒメは、八ヶ岳が寝ている間にケリを入れたため、八ヶ岳は崩れ、富士山の方が高くなったのだそうな。

八ヶ岳は、富士山に叩かれて痛くて悔しくて大泣きし、その涙が土に染み込んで泉になって湧き出たことから『大泉』という地名が生まれた。


八ヶ岳には別の『山の背比べ』伝承もある。

富士山の女神(浅間神社)と八ヶ岳の男神(権現神社)が高さを競って争った。
喧嘩の仲裁に入った阿弥陀如来は、高さを確認するため、両山の頂上に樋をかけ、中央から水を流した。
水は富士山の方へ流れ、八ヶ岳の方が高いことが判明した。



負けた富士山は悔しさの余り、八ヶ岳の頭を太い棒で叩いた。
すると頭が割れて八つの峰(硫黄岳、横岳、阿弥陀岳、赤岳、権現岳、旭岳、西岳、編笠山)に分かれ、以前より低くなってしまったのだそうな。

実はこれは単なる伝承ではない。

八ヶ岳の標高は約25万年前で3400m、約10万年前でも今と同じく阿弥陀岳で2805m、赤岳が2899mあった。
同じ時期の富士山は、まだ2700m程しかなく、元々は八ヶ岳の方が高かったようだ。
約1万年前から富士山の火山活動が始まり、噴火の度に標高を上げて現在の高さ(3776m)となった。

しっかり事実に基づいたお話なのである。

そして、八ヶ岳の権現様は、実は男神ではなく、女神であったとする説もある。

つまり、『イワナガ姫』のことだ。

古来、山岳信仰が盛んだった甲斐の国では、八ヶ岳と言えば『権現岳』であった。


コノハナサクヤ姫とイワナガ姫は対立関係にあったのかもしれない。

ホツマツタエの話がどこまで本当かはわからないが、全くのデタラメという気もしない。

八ヶ岳(イワナガ姫)VS富士山(コノハナサクヤ姫)。

姉妹は仲良くしていただきたいものです。



さて、面白いのはここから。

八ヶ岳と富士山の丁度真ん中に何があるかと言うと…↓


昇仙峡を登りつめた地に鎮座する『金峰山』を御神体としている『金櫻神社』である。

御神宝は、この地で発掘され磨かれた水晶『火の玉・水の玉』。

意味深だ。

火と水の神格。

火水(カミ)。



火の神カグツチから産まれた水を司る龍神『オカミノカミ』を連想させる。

つまり、イワナガ姫とコノハナサクヤ姫のことである。

さらに、本殿には昭和30年の大火により焼失してしまったものの、後に復元された『昇竜・降竜』が奉納されている。

昇る⇒山の上。
降りる⇒谷。

まさに、『高龗神』と『闇龗神』ではないか。

姉妹神は富士山と八ヶ岳の真ん中で和解した…と考えると面白い。

御神木の「金櫻」は、古くから民謡に唄われている「金の成る木の金櫻」とされている。

「金の成る」とは、お金の事ではないと解釈したい。

例えば、「金星」。
例えば、「金龍」。

そういえば、小樽の『金吾龍神社』には、
主祭神『大元尊神』の他、
配祀神にはクニトコタチ・オオヤマツミ・オオワタツミが祀られている。
※奥宮のアラハバキ大神も気になるところだが。。

皆さん、ご家族なんではないか…と感じてしまう。


「金櫻」は『鬱金(ウコン)ザクラ』のこと。

「鬱(ウツ)」⇒太陽神ウツ(ニギハヤヒ)
「金」⇒金星の女神イナンナ(コノハナサクヤ)

つまり、双子の兄妹を暗示しているのである。

富士山や八ヶ岳などの中心である金峰山は、古代日本の神様家族が集まる場所であったのかもしれない。


さて、今日はそんなほのぼのした感じでは終われない。


『八岐大蛇(ヤマタノオロチ)』の話である。



『ヤマタノオロチ』は、オロチ族だった…とか、簸川の氾濫の比喩だった…などと様々な説が飛び交う中、新説❓を用意したい。



ヤマタノオロチは『八ヶ岳』だった❗


八ヶ岳のイワナガ姫。

八つの頭⇒ヤマタノオロチに繋がってしまうからだ。

ホツマツタエでは、「イワナガ姫はヤマタノオロチの生まれ変わり」だと記述されている。

また、歌舞伎では、記紀の出雲神話、ヤマタノオロチを題材とした『日本振袖始』というものがある。

スサノオが稲田姫を助け、ヤマタノオロチに酒を飲ませて退治する…と大筋の話は同じだが、実は、美女を憎む『イワナガ姫』が登場するのだ。

そして、その正体こそが、『ヤマタノオロチ』❗


『イワナガ姫』は『ヤマタノオロチ』だと。


京都府福知山市に鎮座する『伊勢内宮 皇大神社』の境内には『天龍八岐龍神社』があり、すぐ近くには
『岩長姫命社』がある。

さらに『さざれ石』も。。
君が代にある通り、「苔のむすまで」。
『イワナガ姫』のことである。

ヤマタノオロチとイワナガ姫の関連性を想起させる。


また、「酒」にも暗号がある。

『酒解神』はオオヤマツミの別名。
『酒解子神』は、その娘コノハナサクヤ姫の別名である。

京都府乙訓郡大山崎町に鎮座する、通称「酒解神社」、
『自玉手祭来酒解(たまでよりまつりきたるさかとけ)神社』。
祭神はオオヤマツミ、配神にスサノオ。

これもまた、酒解子神=コノハナサクヤ=スサノオの根拠のひとつである。

「解」を分解すると、「角」「刀」「牛」。

桜大刀自である『オオヤマツミ(建角身)』や、「コノハナサクヤ姫(牛鬼)」を意味しているのではないだろうか。



ヤマタノオロチと言えば、どうしても『八代龍王』を連想してしまう。

奈良の『大神神社』。
白蛇(ニギハヤヒ)を祀る、最古とも言われる神社の摂社『龗神神社(おかみのかみじんじゃ)』には『八大龍王辨財天大神』が祀られているという。

またしても「龗神(オカミノカミ)」。

他にもスサノオ(牛頭天王)を祀る八坂神社など、オオヤマツミ一家に関連する神社には『八大龍王』の陰が見え隠れしている。

八大龍王はインドでは『ナーガ』。
イワナガ姫も『イワナーガ』。


つまり、ヤマタノオロチとスサノオの戦いは、
イワナガ姫とコノハナサクヤ姫の対立を表しているのではなかろうか。


これが『新説ヤマタノオロチ』でございます。

どうか信じないで下さい(笑)



八坂
八雲立つ
八岐大蛇

出雲、そしてスサノオは「八」を聖数としている。

私の中で、スサノオとコノハナサクヤ姫、そして、シュメールの金星の女神イナンナは同一神である。

イナンナの象徴は「八芒星」であり、「八芒星」は『金星』を表す。

牛頭天皇の像もまた…↓


『八芒星』を持っている。




つづく。

ではまた❗



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