自動運転に関わる難しい英語の略語30個を、分かりやすく解説します

自動運転に関わる難しい英語の略語30個を、分かりやすく解説

自動運転に関わる仕事を始めようとしている方、略語多い!と思いませんか?そもそもADADASって何?と思われているエンジニアの方、

そんな疑問にお答えいたします。

本記事では、自動運転関連で使われている英語の略語をまとめて、それぞれどんな意味、機能なのかを分かりやすく解説していきたいと思います。

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AD:自動運転

Autonomous Driving

自動運転そのものを意味します。人の関与なしに自動車が搭載する各種機能が様々な環境、行動を把握し、目的地にたどりつく装置であり、その自動化の程度により5つのレベルに分類されています。レベル分けに関する詳しい記事は下記。本レベルの1~2は運転支援と位置づけれらており、システムが判断をする、いわゆる「自動運転」はレベル3以上の事を言います。

参考:自動運転に必要な車載カメラモジュールの5つ役割【自動運転には必須】

参考:自動運転車のレベルと、活用されるセンサ技術4種、課題も含め紹介。

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ADAS:先進運転支援システム

Advanced Driver Assistance System

先進運転支援システムというのは、上記自動運転レベルだと、レベル2に位置付けられます。これは意思決定の主体、事故を起こした時の責任の所在が運転手にある事を意味しています。ADとの共通技術として、外界情報を察知するカメラやレーダー等のセンサ、自動運転制御を実施するECUと共通技術が多くありますが、下記の考えて分けると分かりやすいかもしれません。

  • ADAS:自動運転レベル2まで 人主体の運転支援。責任は人。
  • AD :自動運転レベル3以上 システム主体の自動運転。責任はシステム。

ACC:車間距離制御装置

Adaptive Cruise Control

高速道路や自動車専用道路で、車間距離を一定に保ち走行できる機能です。前に走る車との車間距離を車が検知して、前の車の速度が落ちれば自動ブレーキをかけ、速度が増せば、アクセルを踏み追従する。速度の設定が出来ますので、例えば前の車が急に速度を上げ130km/hとか出した時は無理に追従せず、設定された速度で走行できますので、ご安心を。

AEBS:衝突被害軽減ブレーキ

Advanced Emergency Braking System

自動ブレーキです。歩行者の飛び出しなどでドライバーがブレーキを踏むのが遅れた場合でも、衝突を察知し、車が自動的にブレーキ操作をし、衝突前に停止、または減速させるブレーキ装置。

日本では2021年11月から、新車において自動ブレーキが義務化される事になってます。

参考:車の衝突被害軽減ブレーキ。何故事故は起こるのか?仕組みと規格の謎

参考:【ホンダ N-WGN】ホンダセンシングの機能一覧と実車レビュー、欠点の紹介

参考:トヨタセーフティセンスとスマートアシストの違いを分かりやすく解説

AHB/AHS:自動防眩型前照灯/自動ハイビーム

Automatic High Beam

Adaptive High Beam System

自動ハイビームです。走行時の基本はハイビームです(私は知りませんでした。)ヘッドライトのハイビームとロービームを自動で切り替えて、先行者や対向車を感知すると、運転するドライバー等が眩しくないようにヘッドライトをロービームに切り替えます。前方に何もない時はハイビームで視界を確保。

APA:高度駐車アシスト

Advanced Parking Assist

自動駐車アシストです。モニターにステアリングの舵角に応じた車両の進路を予測するラインをつけたり(今でも多くの車がそうなってますね)縦列駐車時の切り替えしのタイミングを案内する機能。縦列駐車自体を自動車が自動に行う機能(よくCMでやっている機能です)

BSM:後方車両検知

Blind spot monitor

後方に位置する他の車両を検出する装置です。自動車の車体、ドアミラー等に内臓されたカメラ等で車外の状況を監視する機能。

自動車の運転集が走行中に車線変更するような場合、死角に入った自動車(車両)への衝突を防ぐため、運転手に、視覚的、聴覚的、振動的に警報を発する。

また、駐車場から後退出庫する場合に、後方左右から接近する自動車(車両)を警告したりする機能

CASE:Connected, Autonomous, Shared&Services, Electric

Connected, Autonomous, Shared &Services, Electric

コネクテッド、自動運転、カーシェアリングとサービス、電気自動車の頭文字をとった造語です。

  • コネクテッド
    • ICT端末(ネットワークに接続できる機能)を持ち、車の状態や周囲の道路状況をネットワークを用いて接続し、情報を集積、分析可能な「つながる車」。いろいろなサービス提供が考えられている。例えばスマホとの連携、事故時に緊急通報を実施。盗難時に車両の追跡をする等のサービスが例をしてあげられます。
  • 自動運転
  • カーシェアリングとサービス
    • 車を個人持ちではなく、ライドシェアをするサービスです。例えば無人タクシーのサービスが有名ですね。スマホで連絡すれば無人のタクシーが迎えに来て、どこまでも運んでくれ、乗り捨てすると、タクシーは自分で帰っていく。そういった時代が来るかもしれません。
  • 電気自動車
    • 言わずと知れた電気自動車です。各国では、ガソリンやディーゼル社の販売を禁止する方針が国家レベルで促進されています。

DCM:車載用通信機

Data Communication Module

車載用の通信機です。24時間365日サーバと通信し、安全で便利なサービスを提供。

例えば

  • 車の盗難等の被害を受けそうなときに、通知する機能
  • 車の駐車位置をスマホで確認する機能
  • ドアロック、ウィンドウの閉め忘れ、ハザードの消し忘れの通知
  • ナビの地図の自動更新

DMC:ドライバーモニタリングカメラ

Driver Monitoring Camera

車室内に装備され、ドライバの眠気や脇見を検知し、警報や表示をしたり、車両制御を実施する為の装置。下記の記事に詳しく書いてありますので、ご参照お願いいたします。

参考:ドライバーモニタリング用カメラの仕様【自動運転時代には必須】

EDSS:ドライバー異常時対応システム

Emergency Driving Stop System

「ドライバーモニタリングカメラ」や「車線逸脱警報」によりドライバーの運転姿勢や車両の挙動をモニターし、体調急変などによるドライバーの異常な状態を自動検知して徐々に減速し車両を停止させる機能。

FCW:前方衝突予測警報

Forward Collision Warning

前方を走行する2台前の車両を検知し、急な減速などにより、 自車の回避操作が必要と判断した場合に、警報によって運転者に注意を促す機能。

GSR:欧州法規

General Safety Regulation

EU(欧州連合)が2020年をめどに車の安全性と環境性能の向上および法体系の簡素化を目的としたもの。新CARS21(ハイレベル会議が取りまとめた行動計画)に対応するもので、先進安全技術(TPMS、AEBS、LDWS、GSI、ESC)の導入の義務づけ等を実施。

HMI:ヒューマン・マシン・インターフェイス

Human Machine Interface

人間と機械とのやり取りを介するインターフェイス。人から車へ指示を送り、車が人に対してその結果に対するアクションを行う機構であり、タッチパネルや音声入力など、人と機械の間のインターフェイス。

ISA:速度自動抑制

Intelligent Speed Assist

車載カメラ、地図情報とGPSなどの衛星測位システムを組み合わせて、走行時の制限速度を認識し、表示させたり車速を制御する機能、日本では、カメラが道路標識の画像を認識し、メータ等へ制限速度を表示するすステムが組み込まれたものもあり。機能は次の2点。

  • 制限速度を超えている事をドライバーに表示や音で通知
  • 制限速度を超えていると、強制的に制限速度まで速度を抑制。またはスピードリミットをかける

LiDAR:ライダー

Light Detection and Ranging

レーザー光を対象物に照射してその散乱や反射光を観測することで、対象物までの距離を計測したり対象物の性質を特定したりする、光センサー技術。

LDW:車線逸脱警報

Lane Departure Warning

自動車が走行している車線を逸脱する危険がある又は逸脱したことを、聴覚、触覚、或いは視覚方式のいずれか2つ以上の警報方法によって運転者に知らせる機能(聴覚及び触覚方式による警報は、逸脱方向が明確に区別できる場合は1つでもよい)

例えば、車の走行中、車線を逸脱した際に警告を発する装置。画像センサーによって車線逸脱を感知し、ブザーやディスプレイ表示で警告を実施。

LDPSとの違いとして、LDWは警報を出すまでの機能で、LDPSはハンドル操作も実施する。

LDPS:車線逸脱抑制装置

Lane departure prevention System

本機能はLDPとLKA双方を含む装置の総称

LKA:車線中央維持機能

Lane Keeping Asist System

自動車が走行している車線内の中央付近を維持するよう、操舵系や制動系などに自動介入して車両挙動を制御する機能

LDP:車線逸脱抑制機能

Lane departure prevention

自動車が走行している車線を逸脱する危険がある又は逸脱した場合に、操舵系や制動系などに自動介入することで車線を維持するように車両挙動を制御する機能

カメラが道路/車線の境界線を検知し、車両が境界線を越えそうになると、ステアリングホイール操舵力を駆使して、自発的にステアリング操作を行い、車両を車線内に戻す。

MaaS:サービスとしてのモビリティ

Mobility as a service

ICT(情報通信技術:インターネット)を活用して、様々な移動手段をシームレスに接続する事です。具体的にはインターネットに接続された、公共交通、ライドシェア、カーシェア、自動車シェア、タクシー、レンタカーなどさまざまな交通手段のサービスを用意し、例えばスマホアプリで、配車予約、支払い等をするようなサービスを用意する事です。

NCAP:安全評価基準/自動車アセスメント

New Car Assessment Program

新型車の安全評価基準/自動車アセスメント(エヌキャップ)。新型量販車の安全情報を消費者に提供する公的な制度で、新しい車を衝突させて乗員の安全性を調べるとともに、ブレーキなどの安全に関する項目の試験・評価も含めて、その結果を公表している。この情報公開制度は1979年から米国で始まり、欧州・日本・中国などが追随している。各国における名称は、US-NCAP(米国)、EU-NCAP(欧州)、J-NCAP(日本)。

OTA:無線通信

Over The Air

無線通信を経由してデータを送受信することを指し、ソフトウェアの更新などを行う際に用いられる。従来ソフトウェアの更新や修正は、ディーラー対応で実施される場合が多かったが、DCM(車載通信機)等の活用により、OTA対応可能な車両が増え、スマホ同様簡単にアップデートが可能となる

PCS:衝突被害軽減ブレーキシステム

Pre-clash safety/Pre-Collision System

車両前方の歩行者、車両等の標的に対し、衝突が予測された場合に制動をかける機能

RSA:ロードサインアシスト

Road Sign Assist

制限速度の標識や止まれの標識を認識して車速の制御を行う機能

TMN:先行車発進告知機能

Traffic Movement Notification

信号待ちや渋滞で先行車に続いて停止後、先行車の発進に気づかず停止し続けている場合に、警告音やディスプレイ表示でドライバーに発進を促すシステム。

SWS:ふらつき警報

Sway Warning System

ふらつき運転を警報する機能。車線の中をふらふらと蛇行しているような時に、警報やディスプレイ表示をし通知。

TSR:交通標識認識支援

Traffic Sign Recognition Assist

走行時、道路の標識支援を行う機能。道路標識を車前方に設置されたカメラで認識し、ディスプレイ等へ表示する機能。

TJA:渋滞運転支援機能

Traffic Jam Assist

前走車の車速変化に合わせながら車間距離を保ち、車線の中央付近を維持するようにステアリング操作を支援することでドライバーの運転負荷を軽減する機能。

渋滞時に前の車が進めば進み、止まれば止まる、ハンドル操作は車線に合わせて実施する事で、渋滞時の運転者の負荷を軽減する機能。

V2X:車と何かの接続

Vehicle to X

V2Xとは、「Vehicle to X)」を意味し、クルマと何か(クルマや歩行者、インフラ、ネットワークなど)との接続や相互連携を総称する技術です。クルマのセンシング技術だけでは感知しきれないクルマや歩行者などを検知したり、ドライバーの快適性やインフォテインメントなどを向上させます。

具体的には下記のような接続があります。

  • V2V(Vehicle to Vehicle):車同士の接続
    • 例1:死角になっている車の接近を通知。
    • 例2:後続車への情報通知(障害物、救急車の有無等)
  • V2I (Vehicle to Infrastructure):車対インフラの接続
    • 例1:信号機との通信により、赤信号無視の警告
    • 例2:信号待ち時間の表示
    • 例3:右折時に対向車や歩行者を無視して発進しようとした時の警告
  • V2P (Vehicle to People):車対歩行者の接続
    • 例1:スマホとの通信により、接近する歩行者、自転車を通知
  • V2N (Vehicle to Net work):車対ネットワークの接続
    • 例1:車の制御ソフトの更新
    • 例2:ナビの地図更新
    • 例3:エンタメコンテンツの配信サービスの受信

自動運転に関わる記事は下記にも載せておりますので、よろしければご参照お願いいたします。

参考:自動運転に必要な車載カメラモジュールの5つ役割【自動運転には必須】

参考: 【次世代】RGB-IRイメージセンサ―とAIを活用した、車室内カメラ

参考:安全機能として車に搭載されている、ステレオカメラの役割と距離測定の原理

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