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【ユニクロ】エクストラファインメリノセーターは本当に洗っても大丈夫なのか?気になる生地の縮みとダメージを検証。

少し前にアップした鎌倉シャツウォッシャブルウールシャツのレビュー記事の中で、「ウォッシャブル」とか「洗える」と謳われるウール製品でも信用できない的な内容を書きましたが、少し心変わりしつつあります。件のウールシャツを洗濯した後の状態があまりにも良かったので。

 

しかし、そうはいえども平織のシャツとニットは別物。

 

ということで、今回は手始めに自宅でのマシンクリーニングを大々的に推薦しているユニクロのエクストラファインメリノセーターを洗濯機で洗ってみました。果たして洗濯したら生地が縮んだのか、ダメージはあったのかを検証していきます。

 

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比較対象はこちら

洗ってみるのは簡単なことですが、この記事の趣旨としてはビフォー・アフターの比較が大切になります。そこでちょうどいいのがありました。今年の秋に購入したばかりのエクストラファインメリノモックネックセーター、2枚とも同じサイズです。

 

手前のグリーンは2回着用後に洗濯機へ、奥手のブラウンは同じく2回着用後未洗濯の状態で比べていきます。

 

洗濯方法についてはユニクロ公式に記載がある通り、生地を裏返してクリーニングネットに入れ、中性洗剤を使い単独で洗いました。なお、洗濯機によっては搭載されている「手洗いモード」や「お洒落着モード」のような機能は使わずに、一般的な自動モードで回しています。乾燥方法は平置きの陰干しです。

 

実際に見比べてみよう

生地の縮みで比較

まずは生地の縮み具合から見ていきましょう。比較方法としては未洗濯のブラウンを下に置き、洗濯乾燥後のグリーンを上に重ねます。上の写真では分かりやすいように少しずらしていますが、右肩のラインをピタリと合わせる形で比べていきます。

 

こちらは袖の様子。ご覧の通り、丈は全くといっていい程変化はなく、幅が約1cmぐらい細くなっています。正直この程度だと見た目と着用感に違いを感じにくいでしょうね。

 

次に最も変化が確認できた身幅。箇所にもよりますが最大で2.5cmの縮みが発生しています。身幅だけ見るとちょうど1サイズ落したぐらいの変化ですね。もともとタイト気味にサイズを合わせている場合なら、ある程度の違いを感じるかと思います。(当の私はややルーズに着ていたので、その差はあまり感じず。)

 

最後に着丈。こちらは全く変化なしですね。

 

総合すると幅(横)は若干の変化が見られるが、丈(縦)はほぼ変化なしといった結果になりました。

 

生地のダメージで比較

今度は生地のダメージを検証していきます。2枚のニットを横並びにしてみましたが、どうでしょうか?多分これじゃ分からないのでそれぞれアップにしてみましょう。

 

まずこちらは未洗濯のブラウン。手触りは滑らかで毛羽立はまだほとんどありませんね。

 

一方でこちらは洗濯機にかけた後のグリーン。先程のニットとは色味が違う影響もありますが、明らかに毛羽立ちが目立っていますね。実際に見る分にはこんなに近づかなくともその様子は認識できます。個人的にそこまで気になるレベルではありませんが、せっかくならきれいな状態の方がいいですね。

 

ただ、このエクストラファインメリノセーターの生地はある程度着用を重ねるとこれぐらいは毛羽が目立つようになるので、遅かれ早かれといった感じでしょうか。

 

そもそもウールはなぜ縮むのか?そしてなぜ洗えるようになったのか?

ウール衣料を洗ったら縮むなんてことは、誰から教わったわけでもなく皆が知っている常識です。では、なぜウールは縮むのでしょうか?

 

参照:あらためて、ウールのABC㊦ | 繊研新聞

 

それはウールの表面を覆う鱗状の物体「スケール」に由来します。このスケール、水分を含むことで鱗が開く性質を持っているのですが、その状態で摩擦を受けると繊維が絡まり元の状態に戻れず、結果として縮みが発生してしまうのだそうです。

 

上の画像は羊毛ですが、カシミヤにしろアンゴラにしろ獣毛は同じような構造となっていろので、やはり基本的に洗えば縮んでしまいます。

 

そこで開発されたのが、このユニクロのセーターで採用されているような防縮加工技術です。繊維の表面を樹脂等でコーティングすることでスケールを開きにくくしてしまいます。

 

ただ、そんな防縮加工も良いことだけではなくデメリットもあります。表面をコーティングしてしまうわけですから、どうしても天然繊維が持つ本来の美しさや柔らかさが損なわれてしまう可能性があるのです。

 

じゃあ、だからといって防縮加工のウールと無加工のウールの違いが分かるのかと言われれば、私の眼力だと多分ほとんど判別できないと思います。それぐらい現代の加工技術は優れているということ。もちろん世の中には違いが分かる人もいるのでしょうが。

 

まとめ

ユニクロの定番「エクストラファインメリノセーターを本当に洗っても大丈夫なのか?」という疑問に対しての検証結果は以下の通り。

 

  • 幅(横)は若干の縮みが見られたが、丈(縦)はほぼ変化なし。
  • 生地へのダメージ(毛羽立ち)は確認されるが許容範囲内。

 

この結果は1度目の洗濯によるもので、また洗濯機や洗剤等の条件によっては差異が生じる可能性をございますので参考までに。

 

最後に個人的な感想を述べますと、最新の防縮技術には感銘を受けた次第で、今後は「洗えるウール」の文言をある程度信頼しても良いのかなと思いました。

 

ただし、値段によります。ユニクロなら洗濯機に放り込むし、3~4万するようなニットならクリーニングに出します。(最近はそこら辺の価格帯でもウォッシャブルのニットが多いですからね。)

 

それが賢明な判断、そして貧乏人の性なのです。

 

今回は以上です。