力士の状態を見る場合、自分は初日から3日間の動きを見て調子をはかるようにしています。
新年最初の場所など特にそうですが、どうしても張り切り過ぎたり、普段より肩に力が入って、初日だけではあまり参考にならないからです。
その〝自己流基準〟からすると、3日間の関脇御嶽海は、安定した力強さが光ります。
4日目の相手は、小結の明生(めいせい)。うっかりすると、御嶽海よりも先に大関に駆け上がっていくのではないか、というほど力をつけてきています。御嶽海の好調さが本物かどうか、見極めるうえでも格好の相手です。
最初の一番は物言い。取り直しの相撲は、明生が腰を痛め、本調子ではないことを差し引いても、御嶽海はうまさと力強さを発揮して一気に押し込みました。
幕内優勝2回の経験に加えて、昨年は全6場所勝ち越し、九州場所では11勝4敗の好成績。誰が見ても実力は十分。今度こそ大関にという声は、今場所、特に特に大きくなっています。
課題は、精神面です。上位戦ではしばしば互角以上の力を発揮するものの、九州場所で平幕力士に3敗したように、ムラがあります。
15日間の中でどうしても力が入らない日がある、と、本人もいうように、取り口以上に「気持ちのムラ」が目立っていました。
2週間、緊張を保ち続けるのは、確かに大変なことです。しかし、力士が毎日の取組に費やす時間は1分足らず。1分を超えれば、中継アナウンサーが〝大相撲”になりましたあ〟とすぐ絶叫するほどです。
(勝負がその1分だけでないことは十分承知のうえで、言います)
連日稽古を積んでいるはずのプロ力士が、1日わずか1分に集中できない、力が入らない、なんて言ってほしくないですね。
4日間の相撲を見る限り、最近にない〝本気さ〟が伝わってきます。
連日、途切れることなく相撲に集中し、持てる力をフルに発揮しさえすれば、必ずチャンスはやってくる。
自分を信じて、やってください、御嶽海関!
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