十両の落合=宮城野部屋=の強さには目を見張ります。
中日(なかび)を全勝で折り返し、9日目も幕内経験者の英乃海を突き落としで破って連勝を伸ばしました。
入門から3場所目。幕下をわずか1場所で通過して十両に昇進。
これまで大変なスピードで昇進してきた貴乃花(元横綱)や逸ノ城(今場所引退)どころではありません。
まだ髷もゆえない19歳の若者が、どこまで勝ち星を伸ばしていくのか。
相撲関係者はもちろん、多くのフアンが固唾をのんで見守っています。
同じ部屋の力士たちはどんな気持ちで落合の活躍を見ているのか。興味があります。
師匠の宮城野親方(元横綱白鵬)が、弟子の活躍を喜んでいるのは当然としても、中には、複雑な気持ちで見守っている力士も、いるのではないか。
昔から相撲界は、番付がすべてと言われてきました。
力士は、番付のどこに位置しているかで、大きな差が生まれ、区別されます。
年齢、入門、経験は関係ありません。十両以上の関取とそれ以下の力士は、待遇も天と地ほど違ってきます。
最も大きな違いは、給料が支給されるかどうか、でしょう。
幕下以下は、場所ごとに少額の場所手当がでるだけ。これが十両になると、月額110万円の給料が支給されます。
さらに大きな違いは、十両以上になると付け人(世話係り)がつくことです。
十両で2人から3人、幕内で3人から4人。横綱ともなると8人から10人の付け人がつきます。
付け人は関取のまわしのつけ外しから洗濯、入浴など身辺の世話いっさいをすることになります。
相撲界に入ってわずか数場所の十両力士に、入門して何年も経つ元兄弟子が付け人として世話をするようなことが、相撲世界では生じてきます。
それが「よし、次は俺が…」という励みになって奮起し、関取になって活躍している力士も少なくありませんが、そこまでたどり着けない力士のほうが大半です。
落合の活躍を見ながら、実力社会の厳しさを改めて考え込んでしまいました。
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