玉鷲(たまわし)がまた勝った。
5日目、元関脇の明生(めいせい)と対戦。鋭い踏み込みで動きを止めると、明生はズルズル後退し前のめりに落ちてしまった。
前日は、けがも回復し、3連勝と勢いを取り戻している25歳の尊富士(たけるふじ)を一気に押し出した。これが40歳の力士かと目を見張るスピード、勢いある相撲に、館内が沸きまくった。
このままいけば、ひょっとすると三度目の幕内優勝も夢ではないかもしれない。
大相撲は現役で活躍できる年齢が短い。
最近の力士で見ると、横綱貴乃花が30歳、同稀勢の里が32歳、けがも少なかった白鵬も37歳で引退している。元大関の貴景勝は28歳で土俵を去った。
100キロを超える大きな体で、まわし一つでぶつかり合い、たたかうスポーツの宿命だ。
その中で、40歳で幕内の現役(東前頭10枚目)で活躍している玉鷲は、どう考えてもすごすぎる。一般社会、企業などと比べれば、とっくに定年を超えている。
しかも所属部屋は、力士が玉鷲を含めてわずか4人。〝超零細企業〟の片男波部屋だ。これも考えさせられる。
玉鷲関。ここまできたら、可能な限り土俵に上がり続けてください。
若手や下位力士などへの、これ以上の励まし、エールはないですよ。