カラスとわたしのこと、その4

サッと目の前を横切って、一羽のカラスさんが降り立った。咥えていた白い発泡スチロールトレイのようなものを足で掴み直し、齧り付いている。何を食べているのかと観察していると、納豆の空パックをくちばしでつまんで細かくかじりとり、そのまま食べているように見えた。

「それはプラスチックだから、食べられないよ!食べたらお腹壊しちゃうよ!」と、慌てて話しかけたわたしに、少し動きをとめ、ついっとつまんだ何かを見せてくれたカラスさん。そのくちばしには「納豆」の粒。

そう、カラスさんは「プラスチックが食べられないことくらい百も承知よ。中に入った納豆を食べてんのさ。」と、わたしに教えてくれたのだ。

カラスさんには、言葉が通じていると確信した。

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