28. 高知の注連縄、キモい話を添えて

 お正月の注連縄(しめなわ)飾り。

『歳神様』をお迎えする印だといわれています。




注連縄飾りのワークショップをしてみようと、色々調べてみました。

形もさまざま、飾りもさまざま、語呂合わせもさまざま。
お正月の注連縄飾りがこんなに多種多様であることを知りませんでした。
(語呂合わせ、と言えば高尚な感じもするんですが、駄ジャレですよね・・・(小声))





高知の注連縄は、「大根じめ」と呼ばれるタイプ。
大根みたく、元の方が太くてだんだん細くなる形のものです。
そこに、橙(だいだい)・ユズリハ・ウラジロ・アシを取り付けます。
シンプルですよね。



橙は、鏡餅の上にも乗せる柑橘系の果実。
ユズリハという葉っぱと合わせて「代々譲る」という駄ジ・・・語呂合わせになるのだそうです。

子孫繁栄を願っている、ということですね。
ウラジロは、裏が白いので「裏のないきれいな心」を表しているとか、白髪を連想するところから長寿を願うとか、諸説あります。
アシは束ねたワラのことで、3本取りつけます。



さて、問題はここから。
高知の注連縄は、飾る向きがあるんです。
元の部分(束ねた太い方)を、東か南の方角に飾ります。
太陽が明るく照らす方向ですよね。
その力をもらうとかなんとか。




つまり、西向きと南向きの玄関なら、元の部分が右側のもの。
東向きか北向きの玄関なら、元の部分が左側のもの。
・・・ということです。
あまり気にしない方も多いですが、聞いてしまうとやらずにいられないですよ〜



そして、もう一つの問題。
注連縄の綯(な)い方です。



日本には昔から、左が『神聖』で右が『俗』という考え方があります。
神様への印である注連縄は、もちろん神聖なものでないといけません。
だから、左綯いです。



ただ、左右の概念に違いがあるようなのです。
どっちを右とし、左とするか。
だから、日本にはどちらの綯い方も『左綯い』として存在しています。




注連縄について研究されている森須磨子さんの絵本『しめかざり』では、『彡』の方向に綯ったものを左綯いとしています。
でも、高知は『ミ』の方向のものを左綯いとしているようなのです。
『彡』も『ミ』も、地域ごとに伝えられてきたものであり、それこそ民俗学という感じです。
それでいいんだと思います。


ミッション!年末年始は注連縄を観察!ラジャ!



高知では、葬儀の時などに反対の綯い方をするのだそうなので、簡単に変えられる話でもないんですよね。
でも、ホームセンターなど県をまたいだ企業のお店で買う方が増えてくると、だんだん変わっていくのかもしれませんね。




ここから、ちょっと気持ち悪い話をするので閲覧注意です。
気持ち悪い話が大丈夫な方だけ、進んでくださいね。
(逆に進みたくなりますか・・・?笑)
注連縄は、絡まる蛇を模しているという説もあります。




蛇は、古い時代から水と農耕の神とされてきたといわれています。
日本でもそうですし、アステカ文明のケツァルコアトルも、元々は水と農耕の蛇神といわれていたり。
確かに、見かけると少し怖いです。
静かに移動するところなど、神懸ってる部分もあります。



田舎に住んでいると、野生動物によく出会います。
キジ、猪、狸、ハクビシン、もちろん蛇も。
そして、ネズミに手を焼くことも、田舎あるあるです。



ある日、倉庫の鉄骨のハリから何かがポタリと落ちてきました。
見ると、生まれたばかりのネズミの赤ちゃんです。
声にならない叫び発動。
ドラえもんとママのように大騒ぎしていると、もう一匹ポタリ。
ますます大騒ぎです。




結局、三匹落ちてきました。
そして、落ち着いたかと思ったその時、ハリから顔を覗かせたもの。
蛇です。
チュウチュウ鳴く四匹目を、ゆっくり飲み込む蛇がいたのです。
思わず固まるのどQをよそに、動画を撮る強者もいましたけれど。




その光景を見た時、蛇が農耕の神とされる理由の一つがはっきりと理解できました。
理屈とかではなく、腑に落ちたというか。
蛇は穀物などを食べません、ここもポイントなんですよね。
音もなくスーっと退場していく様は、やはり神懸っていました。




今年の衝撃度ランキング第1位の出来事なので、書かせてもらいました♡

年末なので、許してください!
注連縄を飾って、良いお年をお迎えくださいね。

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