エピローグ
[1085]吾背子わがせこに 亦不相跡またあはじかと 念墓おもへばか 獨可吾波ひとりかわれは 念将歎おもひなげかむ諒主くんと最後に会ってから、3か月半が過ぎました。心身の状態は落ち着いています。相変わらず、不眠状態は続いているので眠剤は飲みますが、酒の量はコントロールできるようになりました。諒主くんへの思いを綴ったこのブログ「ひとり万葉集 巻1~巻3」…潮時が来てしまいました。最後のうた…こじ付けですが、詠めました。 本当に最後のうたになるでしょう。[1086]夏過而なつすぎて 秋来良思あききたるらし 葛城之かつらぎの 川路乎往者かはぢをゆけば 草深くさふかみ 往去憚いゆきはばかる 真葛原之まくずはらの 奥繁尓おくのしげみに 雉之聲きじがこゑ 汝聲聞者ながこゑきくは 須臾毛しましくも 今者秋辺跡いまはあきべと 響者とよもせば 由原里乎ゆはらのさとを 忍鶴しのひつる 番之雉者つがひしきじは 将全可またけむか 戀公者わがこふきみは 聞都跡ききつやと 雖念公尓おもへどきみに 後居而おくれゐて 吾往方之わがゆくかたの 道者不知みちはしらず 曽我之流者そがのながれは 雖近ちかけれど 共不往跡むたゆかじかと 念墓おもへばか 多時不知尓たどきしらずに 無乏すべもなく 夙興乍はやくおきつつ 亦漕将往またこぎゆかむ[1087]由原野ゆはらのに 亦不往跡またゆかじかと 念墓おもへばか 朝雉あしたのきじの 數愛哭あまたかなしも今でも諒主くんのことを思い出すと、少し胸が苦しくなります。 でも、そういうこともだんだん少なくなりつつあります。[1088]斑鳩いかるがの 曽我之流之そがのながれの 茜刺あかねさす 吾戀公尓わがこふきみに 不相鴨将在あはずかもあらむ「巻3」は「長歌+反歌」がメインで現代日本語少な目で書いてきました。難解であったことをお詫びします。諒主くんに恋したことで歌を詠む喜びを知ったけれども、思い絶えた今、それが出来なくなってしまいました。2年余りの短い時間でしたが、全てのフォロワーの皆様、[いいね]してくださった皆様、メッセージを頂いた皆様に心から感謝いたします。僕の心の支えでした。でも「詠めない」、「書けない」では続けられません。今後、諒主くんに会うことも無いでしょうから…思いを綴ることもできません。ネタも尽きました…だからこれをもって、「ひとり万葉集」は完結したいと思います。巻1~巻3の[いいね]、[コメント]は解放することにします。またどこかでお会いしましょう。今までありがとうございました。感謝という言葉だけでは言い表せません。ありがとう。ほんとうにありがとう。全てのフォロワーの皆様・読者の皆様へ西園紫人ひとり万葉集 完