[1021]

夢之相者いめのあひは 苦有家里くるしかりけり 覺而おどろきて 掻探友かきさぐれども 手二毛不所觸者てにもふれねば

~大伴家持・万葉集 7-741

 

諒主くんの夢を見た。
夢の中で彼と僕は同級生だった。
修学旅行か何なのかわからないが、団体での宿泊旅行だった。
民宿の7~8人部屋で彼と同室になった。

 

chapter 1
僕と諒主くんは隣ではなかった。
夜眠れない僕は他の皆が眠っているのを確認して彼の寝顔を見に行った。
可愛い寝顔だった。
僕は我慢しきれなくなって、彼の唇にそっとキスをした。
バレなかった。
しばらく彼の寝顔を見つめていた。
もう一度彼にキスしようと至近距離まで詰めていったとき、彼は目を開けた。
彼とは目が合ったのだけれども、困惑することもなく、ソッポを向いて再び眠りについてしまった。

 

目が覚めた。
トイレに行った。
普段は一度起きてしまうとなかなか眠れないのだが、この日は違った。
しかも、夢の続きを見ることが出来た。

 

chapter 2
いつの間にか眠っていた。
真夜中のことだろうか。
目を覚ますと諒主くんが眠っている僕に馬乗りになって僕の顔をのぞき込んでいた。
僕は彼を抱き寄せた
彼は嫌がることもなく僕に体を任せた。
彼と抱き合いながら、軽くキスを交わした。
そして、お互いの体の温もりを感じながら、僕は彼の体に足を絡めた

 

chapter 3
明け方とことだろうか。
ふと目が覚めると諒主くんが枕元に座って僕の顔をのぞき込んでいた。
僕は彼にキスしようと思って抱き寄せようとした。
そしたら、彼の姿は消えてしまった

 

夢の逢いは苦しい。

 

巻2-[753]

夢逢波いめのあひは 苦狩蹴くるしかりけり 吾背子尓わがせこに 雖掻抱かきむだくとも 此間不在者ここにあらねば

本歌(元ネタ)
~大伴家持・万葉集 7-741

 

もう夢に出てこないでくれ。

 

[882]

獨寝ひとりぬる 枕片去まくらかたさる 烏玉ぬばたまの 一夜不欲ひとよもほらぬ 夢相鴨いめのあひかも

 

彼の呪縛から解放されることはないのだろうか…