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伝説のニューウェイブバンド「ハルメンズ」。彼らが時代に残した爪痕を振り返ってみる。

HALMENSアイキャッチ
Image:Adobe Stock

2010年頃だったと思います。私は会社が運営するメディアサイトの取材で衝撃な出会いをしました。その独特の音楽性と彼らが生み出す文化性に惚れ、私は音楽に対しての姿勢が大きく変わりました。そのバンドの名は『ハルメンズ』。
知名度はマニアックでありますが、しかし日本の音楽史に確実な足跡を残してきました。

…時は遡り、1980年代。
世界がテクノポップの魔法にかかっていた頃に彼らは生まれました。

ポップでちょっと奇妙、シュールな歌詞と独特なサウンドで、多くの若者を虜にした彼らですが、わずか数年でその幕を閉じました。しかし令和になって再びその名が注目を浴びるようになったのです。その理由は一体何なのか?この記事では、伝説のニューウェーブバンド『ハルメンズ』の魅力を深掘りしてみようと思います。

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第1章:ハルメンズとの出会い

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先に触れた通り、私はメディアサイトの取材と称し、都心の色んなライブハウスで新進気鋭と呼ばれるバンド達を取材する日々を送っていました。そんな中、渋谷の老舗ライブハウス「O-WEST」にて伝説のバンドが蘇るとの情報を聞き、取材に行き出逢ったのが「ハルメンズ」でした。

彼らの音楽はとても独特でオリジナリティがあり、当時のJ-POPに辟易していた私は、なんてシュールで、なんてモダンな、なんて病みつきになる音楽だと衝撃を受け、取材抜きですぐに虜になってしまいました。

そして奇妙な縁は繋がり、ハルメンズのライブを撮影することになったのです。
今回はそんな大好きなハルメンズの歴史のお話し。

第2章:ハルメンズの誕生とニューウェーブの熱狂

Image:Adobe Stock

1980年代に生まれた『ハルメンズ』という異色のバンドですが、中心メンバーのサエキけんぞう氏や上野耕路氏が織りなす音楽は、ポップさの中にシュールな世界観が溢れ、当時の音楽シーンに鮮烈なインパクトを与えました。

当時はテクノポップが大流行し、YMOが世界的に評価されていましたが、ハルメンズはYMOとはまた違ったアングラ感覚やユーモアを持ち味に人気を集めていたのです。ライブパフォーマンスは奇抜でエンターテインメント性に富んでおり、多くのファンが熱狂しました。当時比較されたバンドには『プラスチックス』や『P-MODEL』などがあり、共にニューウェーブシーンを盛り上げた重要な存在であり、まさに一時代を築いた存在でした。

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第3章:ハルメンズが生んだ才能たち~戸川純、野宮真貴との関係~

ハルメンズのもう一つの魅力は、才能あるアーティストたちを生み出したことだと言われています。その代表格が戸川純と野宮真貴です。戸川純は独特な世界観を持つソロアーティストとして、その後の日本音楽界に衝撃を与えました。

一方の野宮真貴はピチカート・ファイヴのヴォーカルとして活躍し、渋谷系カルチャーの象徴的存在になったのです。二人はハルメンズとの出会いを通じて多くの刺激を受け、自らのスタイルを確立しました。(ハルメンズよりこちらの二人の方を知っていると言う方も多いのではないでしょうか。)

第4章:ニューウェーブから渋谷系、そして現代の再評価へ

Image:Adobe Stock

ハルメンズはニューウェーブの枠を超え、渋谷系、シティポップといったジャンルにも影響を与えています。特にSNSやサブスク配信が普及した現代においては、「レトロでおしゃれ」という切り口で再び若い世代に発見されています。

また、近年ブギーザマッハモーターズのようにハルメンズに影響を受けたバンドが登場し、新たな注目を浴びています。YouTubeやSpotifyなどでの再生回数も伸び、ハルメンズは単なる過去のバンドではなく、現在進行形のカルチャーとして再評価されているのです。

ちなみにブギーザマッハモーターズですが、ボイスチェンジャーのボーカルが独特なテクノロックのバンドで、こちらも名曲を沢山産み出しており、注目のバンドです↓

Video:YouTube
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第5章:ハルメンズが40年先の未来を先取りした理由

ハルメンズが他のニューウェーブバンドと一線を画していた最大の特徴は、「未来志向」の独創性にありました。彼らの作品には、1980年代には早すぎるほど斬新なテーマやアイデアが詰まっており、例えば、アルバム『ハルメンズの20世紀』や再結成後にリリースした『35世紀』というタイトルそのものが、彼らが未来的な視点を持っていたことを示しています。

また、歌詞においても彼らが描く世界は非常にシュールで実験的でした。当時は理解されづらかったその歌詞が、SNSやYouTubeなどの動画配信が日常化した現代では、「面白い」「クセになる」と再評価されています。いわば「時代が追いついた」のではないかと。

さらに、ハルメンズのファッションやヴィジュアルもまた、驚くほど現代的でした。彼らが当時行ったライブパフォーマンスやアルバムジャケットのデザインは、2020年代の若者が熱中するレトロフューチャーな美学とぴったり一致しています。だからこそ、今また新鮮な感覚で受け入れられているのです。

そして、テンテンコやブギーザマッハモーターズなど、新しい世代のアーティストたちがこぞってハルメンズをリスペクトする理由も、彼らが示した未来性にあります。ハルメンズが提供した自由な音楽表現や奇抜なアイデアは、現在の音楽シーンにおける重要なインスピレーション源となっています。

つまり、ハルメンズが40年前に描いていた未来は、テクノロジーや文化が発展した今だからこそ鮮やかに輝いていると私は考えます。

第6章:ハルメンズが生み出した名曲と評価

ハルメンズの名曲は個性豊かで、そのユニークなタイトルだけでも強烈です。『昆虫軍』や『母子受精』などは特に評価が高く、尖った歌詞とポップなメロディが絶妙にマッチしていると評されています。

音楽評論家やミュージシャンからも「時代を先取りしていた」「今聴いても新鮮でクセになる」と絶賛されています。特に『昆虫軍』はユーモラスでありながら毒も含んでおり、ハルメンズらしさを象徴しています。また『電車でGO』など日常を奇妙に描いた作品も根強い人気を持ち、いま再び脚光を浴びている。

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第7章:ハルメンズ再始動…令和に蘇った伝説

Image:Adobe Stock

令和になって、ハルメンズはついに再始動しました。再結成ライブではオリジナルメンバーに加え、新たな世代のミュージシャンとも共演。

往年のファンはもちろん、新しい若いファンも加わって盛況を見せました。メンバーは再始動の理由について「今だからこそハルメンズの面白さが伝わると思った」と語っています。さらに若手バンド『ブギーザマッハモーターズ』などがハルメンズのカバーを行うなど、世代を超えたコラボレーションが進んでいます。

第8章:つまるところ、ハルメンズの魅力とは何なのか

結局のところ、ハルメンズの魅力とは一体何なのでしょうか?それは、徹底した「独創性」と「遊び心」に尽きるだろうと思います。また、『ハルメンズX』として再始動した際に発表したアルバム『35世紀』では、元BiSのテンテンコなど新たな才能を迎え、過去の楽曲を現代的に再解釈したことも大きな魅力です。

彼らはポップでありながら実験的、シュールですが親しみやすいサウンドを追求しました。時代の先を行く冒険的な姿勢が今なお新鮮さを感じさせる理由だと思います。彼らが目指した「未来的なポップミュージック」は、現代になってようやく正しく評価され始めたのかもしれません。

と言ってもハルメンズを知る人は決して多くないと思います。しかしその絶妙な知名度と独自の突き抜けた音楽性がアンダーグラウンドにマッチし、何か離れられない引力のような魅力をいつまでも放ち続けています。

まとめ

ハルメンズは単にニューウェーブ時代のバンドとしてではなく、時代を超えて影響を及ぼす文化的アイコンとして再評価されています。その独特な世界観、実験的なサウンド、遊び心満載のパフォーマンスは、音楽界に革新をもたらし、多くの後継者を生みました。

現代のデジタルメディアやSNS文化とも相性が良く、新たな世代が彼らの音楽に触れる機会が増えています。つまりハルメンズが40年前に蒔いた種が、今まさに満開の花を咲かせているのではないでしょうか。

ハルメンズが描いていた未来は、テクノロジーや文化が追いついた今だからこそ、最も鮮やかに輝いているのかもしれません。

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<参照元>

音楽ナタリー「ハルメンズX『35世紀』特集 サエキけんぞうインタビュー」
ハルメンズの再結成プロジェクト「ハルメンズX」に関する詳細なインタビュー記事です。
https://natalie.mu/music/pp/halmensx

All About「めんたい人力テクノ、Boogie the マッハモータース」
Boogie the マッハモータースの結成背景や音楽性、サエキけんぞう氏とのコラボレーションについて詳述されています。
https://allabout.co.jp/gm/gc/446794/

USEN「伝説のニューウェイブバンド、ハルメンズが復活!」
ハルメンズの再結成や新作アルバム『35世紀』のリリースに関する記事です。
https://e.usen.com/archive/sub-archive/12112.html

OTOTOY「テンテンコ『テンテンコ sings ハルメンズ』を独占ハイレゾ配信スタート!!」
テンテンコがハルメンズの楽曲をカバーした作品に関する詳細な記事です。
https://ototoy.jp/feature/2015090407

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有邊冬萠|Tomo Aribe広告映像デザイナー・ディレクター
広告デザイン歴25年、映像制作歴20年のガジェット好きのトランスジェンダーです。 2021年2月よりガジェットレビューブログ「ガジェットマニアZ」を運営開始。広告クリエイター目線で選ぶデザイン性・機能性に優れたガジェット情報を発信しています。また、Amebaチョイスの公認専門家としても活動中。スマートタグの記事はこちら。

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