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2023.12.31
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マトリックスメモリーズ インターミッション 2 (これまで登場した主要な登場人物 その2)
 (※少しですが、内容にはネタバレを含みます)


【光軍総省所属:天の川銀河 第7艦艇 軍師団:オリオン連合大艦隊】

⑫ベーリック・ホールデン
 上位三次元の存在で、族種は動物族ヒューマノイド種
 階級は「ペテルギウシアン」

 オリオン座ペテルギウス星系「惑星ラリルレラ」の出身。
 現在は「オリオン連合大艦隊」の総司令で、軍の階級は元帥
 ベーリックの祖父は、名将「コットンペッパー・ホールデン大元帥」で有る。
 祖父ホールデンの現役時代は、「第三次オリオン大戦」末期に活躍して「聖輝大将軍」と成ったベッセル星系が生んだ大英雄「バイトマス大元帥」の再来とまで言われた。
 主な功績としては、ネオルシフ軍と三度戦って、それに全てに勝利した事が挙げられる。
 またベーリックの父も、彼の「妻(光軍総省筆頭次官の娘)」の内助の功が有って、退役後に「大元帥」の地位を贈られた。
 父の現役時代には目立った功績は無く、周囲からは父コットンペッパーの七光りに依る昇進だと囁かれていた。
 そう言う状況も有って、父はホールデン家の名誉回復の為に、ベーリックに数多くの家庭教師を付けて「エリート軍人」としての道を歩ませようとした。
 だがベーリックは、そうした窮屈な生活に嫌気がさした為に、悪友に手引きをさせて「惑星ラリルレラ」の恒星で有る「バヒット星」から遠く離れた「恒星ベルボア」の「惑星デボン」に家出した。
 「惑星デボン」は「皇帝ラストキャンディー」が統治する「王星」だったが、ベーリックは手引きした悪友の紹介で「ジャーナアバヨ団」に見習い団員として入団した。
 「ジャーナアバヨ団」は、ベルボア星系を中心に生命が滅びた天体を回って財宝や遺物を収拾して、商団に売る事を生業にしている団だった。
 ベーリックが「ジャーナアバヨ団」に入団すると、直ぐに団長が彼の全く物怖じをしない性格を買って、悪徳商団を含めた商団群との取引責任者にしてしまった。
 厚かましいが憎まれないベーリックの性格が功を奏して、ベーリックは団が運よく発見したお宝を高値で商団に売り付ける事に成功した。
 こうして「惑星デボン」に凱旋した「ジャーナアバヨ団」だったが、ベーリックの悪友がうっかり口を滑らせた為に、ベーリックがあの「コットンペッパー大元帥の孫」で有る事が既に皇帝の耳にまで入っていた。
 ベーリックが「惑星デボン」に到着すると、既に王宮からベーリックに呼び出しが掛かっていて、ベーリックは王宮で「皇帝ラストキャンディー」から娘の「シャルドネ王妃」を紹介される。
 「ラストキャンディー皇帝」曰く、今、デボン王朝に皇帝の跡継ぎが居なくて困っているので、娘のシャルドネと結婚して貴方が私の後継皇帝に成ってはくれまいか?と言う驚きの内容だった。
 皇帝にそう言われて改めて「シャルドネ王妃」を見ると、これがとんでもない美人の王妃で、ベーリックは腰が砕けてヘナヘナとその場に座り込んでしまった。
 それからベーリックは、彼の人生の中で最も幸せだったシャルドネとのロマンス期とも呼ぶべき蜜月を過ごしたが、「惑星ラリルレラ」に戻った悪友が、ベーリックの父から詰問を受けて彼の居場所を白状してしまった。
 その日の王宮は、遮る雲も無く鳥達が囀る晴れやかな朝だったのだが、シャルドネと共に王妃御殿のベランダに出たベーリックを待っていたのは、彼の父が派遣した私設艦隊の特殊部隊で、彼らが母星から持参した「ポンピング・アブソーバー」で、ベーリックはその身体毎、私設艦隊の艦船に吸い上げられて行った。
 「暫しお待ちを!ベーリック様!」「シャルドネ!アイルビーバック!」
 「惑星ラリルレラ」に連れ戻されたベーリックは、地元「ペテルギウス軍事アカデミー」の「参謀科」に、父と母の肝入りで「高等クラス」に、飛び付けで入学させられた。
 ベーリックの年齢的な遅れを取り戻したい両親の計らいだったが、学力的には到底ついて行く事が無理な「高等クラス」で、彼は「ジャーナアバヨ団」で学んだ「ド根性」を発揮して、必死をこきながらも何とが同校を卒業した。
 アカデミー卒業後、軍に配属されてからのベーリックは、祖父、父、そして母の義父の七光りを最大限に活用しつつ、「ジャーナアバヨ団」で培った人心掌握術や交渉術を巧みに駆使して、軍人としての功績が全く無いにも関わらず、若くして「元帥」の地位まで登り詰めた。
 ベーリックのその昇進意欲は、今でも文通を続けていて独り身を守るシャルネ王妃の元に、「オリオン連合大艦隊の三代続いたベーリック大元帥」として戻りたい強い意欲から湧き出ている物だった。
 彼の両親を始め、周りの多くの者がベーリックに結婚を進めたが、彼はこれまで頑として首を縦に振らなかった。
 そして今は、既に彼の両親は亡くなりベーリックへの束縛圧力は無くなっているので、早々に大元帥に昇進して、その後即時退役して「惑星デボンのラストキャンディー皇帝」が存命中に、晴れて王妃の元に戻りたいと切に願って居るベーリックだった。 


【フライズ五次元艦隊】 

⑬ホルスタール(ベレザン・フォン・ホルスタール)
 下位五次元の存在で、族種は動物族ヒューマノイド種
 階級は「真カネアニー」

 天使界の最高階級に位置する「右天使ミカエル」と「左天使ルシフェル」だったが、琴座宙域に巡礼銀河ザイアスが接触して、天の川銀河に取っては「未知のエネルギー」だった「ネガティブエネルギー」が伝播し始めた。
 琴座宙域の管轄をしていた「左天使ルシフェル」は、直ぐ様、そのエネルギーの伝播を収束させるべく琴座宙域に向かった。
 ところが、その「未知のエネルギー」は、これまでの天の川銀河には決して無かった「甘美な香りに満ちたエネルギー」だった。
 その為、ルシフェルはこのエネルギーを自らの意識内に取り込むと「新たな経験」を自分の中に起こせると確信して、彼と同じ様に「ネガティブエネルギー」を賞賛している琴座の生命存在達と共に「ダークサイド」と言う一種の「イデオロギー的徒党」を組んだ。
 この事態を重く見た「右天使ミカエル」は、自らの勢力を「ダークサイド」に対抗する「ライトサイド」と名付けて、「左天使ルシフェル」への追討命令を下す。
 これを契機に、「真なる大宇宙」の「天の川銀河」に、姉妹銀河で有る「アンドロメダ銀河」の一部まで巻き込む「オリオン大戦」が勃発した。
 生命存在達の「意識と意識」がぶつかり合い、永きに亘った「オリオン大戦」も、結局は「ライトサイド」が優勢に成って「ダークサイド」の首班で有った「左天使ルシフェル」が「輪廻転生世界」から「オールザットイズ」の手で「真なる大宇宙」に連れ戻された後に、「ライトサイド」に投降した事で「協定無き終戦」を迎えた。
 それまでの経緯を考えれば、余りにあっさりとしたこの「終戦」は、それまで「オリオン大戦」には不介入だった「オールザットイズ」が、「ワンネス」からのインスピレーションを受けて、「真なる大宇宙」から半度音階を下げた「輪廻転生世界」を創造して「全てのダークサイダー達」をその世界に押し込んだ事で決した。
 それは「オールザットイズ」に取っては、「生命存在達」の争いに介入する事が目的では無く、「霊性」しか持たない今の「生命存在達」に「魂」と「身体(ボディ)」を持たせる事で、「生命体としての経験値」をフィードバックして欲しいと言うワンネスの願望にも応えるべく「天の川銀河に特定した実験的な試み」を実行したに過ぎなかった。
 一方、「輪廻転生世界」に押し込まれた「ダークサイダー達」は、「ルシフェル」が「真なる大宇宙」に召還されて精神的支柱を失った中、天使界で「左天使ルシフェル」に次いで地位が高かった「大熾天使ベゼルブブ」を統領と仰いで、彼に今後の進退を預けた「ダークサイダー達の一派」が有った。
 それが、ホルスタールが所属する「フライズ」と言う勢力の起源で有る。
 本題のホルスタールだが、彼は軍族として誉れが高い「ベレザン家」の長男として今世の生を受けた。
 「ベレザン家」は、主要な軍族が多く居住する「カナアン星系」の「恒星カナアン星」でも、神皇が棲む「ベルガンザリア神皇祈殿」が有る「ドッセル島のラッカーナ地区」に邸宅を構える事が許されている「名家」だった。
 ところで「カナアン星」の様な「恒星」についてで有るが、五次元の物理空間は、三次元の様に重くて荒々しい空間を演出する必要性が可成り軽減される為に、天の川銀河も三次元よりはずっと安定しており、楕円状星雲や渦状星雲の様な形状エネルギーを発する星系的な仕組みは有るものの、「超新星(スーパーノヴァ)の爆発」の様な過激な現象は無い。
 「 恒星」は、その重力で惑星等の星系を安定させる役割が主で、三次元に様に「恒星」が莫大な熱量を有している様な事は無い。
 故に、五次元には「ソーラーエネルギー」と言うエネルギーは存在せず、全ては宇宙空間を五次元レベルでは有るが遍く降り注いでいる「光」、即ち「フォトンエネルギー」だけがエネルギーの供給源で有る。
 そしてその「フォトンエネルギー」は、「光」として常に宇宙空間に「顕在化」しており、三次元の様な「フォトンが顕在化している天然フォトン」と「フォトンがゼロポイントフィールドに埋没して顕在化していない宇宙フォトン」の区別は無い。
 また、三次元の銀河はダイナミックで荒々しい構造で有るが故に、「超新星や超超新星の爆発」等に由来する「幾何級数的な巨大熱量を内包している宇宙線」の様な「物騒な物質」が存在するが、五次元にはそうした物質も存在しない。
 これらの「銀河的な構造や性質」の差異は、その次元が転生して来た生命体に保証している「生命活動の質と環境」の違いから生じている。
 そうした差異は、三次元が絶叫系マシーンが多く配置されているテーマパークで、四次元がテントを張って催されるサーカスで、五次元が教室で行われる人形劇に例えると、それぞれで基盤となる装置立てが異なる事に似ている。
 逆を言えば、人形劇の舞台では人が絶叫系マシーンに乗って遊ぶ事が出来ないので、三次元はそれが出来る様なパワフルな装置立てに成って居るとも言えるだろう。 
 そうした五次元の特質が有って、「恒星カナアン星(低位四次元の恒星カナアン星はソーラーエネルギーを有している為、生命体は存在しない)」は穏やかで緑豊かな星だった。 
 その「カナンア星」の出身だと言う事も有ったが、軍族の子弟なら誰もが憧れる「カナアン教立司令養成アカデミー」を、ホルスタールは過去に例を見ない優秀な成績で卒業した。
 「アカデミー」からは、「主任教務主教」として学内に残る様に熱望されたが、彼は軍族として部隊の指揮官に成る道を選んだ。
 才能豊かで判断力にも優れるホルスタールは、派閥に属さない潔い態度が「神皇」の気に召して、若くして「聖大主教」の資格を授けられた。
 「琴座大ポータル」の「スパイラル変化」が真近に迫った時、「ベゼルブブ教団」の政治部門で有る「教密院」が「秘された教義(シークレットドクトリン)」に基づき、地球の衛星で有る「月」の基地を独占する事を主張し始めた。
 当初は、それに反対していた「権現院(銀河住民の代表選挙で選ばれた権現達が主要な政務を行う役所)」だったが、最終的に「教密院」を抑え切れなった「神皇」からの裁断が下って、多次元の連合艦隊を編成して「アンチャラプレーン」から「月」に侵攻する事が決まった。
 だが「侵攻」が決まったものの、軍部を統括する「権現院」は、軍人なら誰でも分かるこの「無謀な作戦」の総司令を誰にするのか、その人選に頭を痛めていた。
 そんな或る日、これまで伝統的に「教密院」と「権現院」に等距離を保ち続けて来た「ベレザン家」に白羽の矢が立って、当主のホルスタールは「神皇」から直々に「総司令」を任命された。
 これを幸いに「権現院」は、三次元侵攻部隊を急ぎ編制した。
 「神皇」から「総司令」を任命されたホルスタールは、三次元のエレメンタルボディを纏う事で「戦死」する可能性も有るこの危険な任務に同行して呉れるのは「非派閥」のメンバーだけだと考えて、「カナアンアカデミー」の同期で盟友のビシュタルトから快諾を得て、彼を副司令とした。
 かくしてホルスタールは、「第三次オリオン大戦」での「ライツ」軍に対する悲憤が色濃ゆく残っている「四次元複合次元同盟艦隊」を引き連れて、「琴座の大ポータル」経由で「三次元物理空間」の決戦場に向かった。
 しかしこの戦いは、ユウカが放つ念波「パワー・オブ・ウォーウェアリネス」を浴びた事で、自軍の兵士が次々と戦意を失い、白旗を掲げると言うホルスタールに取っては全く想定外の「戦局」に成ってしまった。
 このままでは、部下が無益に命を散らしてしまう事を悟ったホルスタールは、拘束したリルジーナの裁定に従って「ライツ軍」と「停戦協定」を締結して、全軍無傷のまま下位五次元に帰還した。
 五次元に戻ったホルスタールに対して、「教密院」は「敗軍の将」だと決め付けて「軍事司法裁判」にかけるべきだと主張した。
 一方、「権現院」は誰もが想像し得なかった「不測の事態」を迎えたにも関わらず、「3つの次元に亘る全軍」が無傷にまま帰還出来たのは、彼の英断が齎した快挙だと主張して互いに譲らなかった。
 結局、今回も「神皇」が最終判断を下して、「ベレザン家」からは当面の間、「軍族の資格」を剥奪するが、ホルスタール個人には功績も大きいので、皇族に準じる「一代限りの従皇薔薇爵」とし、「カナアン教立司令養成アカデミー」の総裁に任じるとの裁定が下った。


⑭ヒクスベリア・ゼクス 
 下位五三次元の存在で、族種は動物族ヒューマノイド種
 階級は「真ヒブスタン」
 現在は、フライズ五次元艦隊主任エンジニア 宇宙機械工学・フォトンエネルギー工学・分子転換再生工学博師、軍の階級は参帥

 「オールザットイズ」に依って、或る意味で「輪廻転生世界」に封印された「ダークサイダー達」だったが、彼らのリーダーで有り精神的支柱だった「ルシフェル」が、「自分はオールザットイズからこの世界で転生すれば、魂と身体が与えられて、疑似的では有るがワンネスや自分と同じ様に三位一体が完結した感覚で霊性の経験を積む事が出来ると聞いている」とダークサイダー達に伝えて、彼らに先駆けて「転生」してしまった。
 半信半疑の「ダークサイダー達」だったが、ナンバー2のベゼルブブの「我らもルシフェル様の後を追うべし」との号令で、「ダークサイダー達」は全員、「転生」する事を選択した。
 彼らの「転生先」は、輪廻転生世界に封印される前に、オールザットイズに依って集められた「竜座」ファフニール星系の「惑星エデン」が写し絵に成って居る世界だった。
 「輪廻転生世界の惑星エデン(現在に於ける上位12次元の惑星)」に「転生」して見ると、驚く事にこれまでの「生命存在」としての「感覚」とは全く異なる「生命体としてリアルに生きていると言う実感」が得られた為に、「ダークサイダー達」は皆、激しい衝撃を受けた。
 更に、「転生」すれば「これまでの記憶を全て失う」と聞かされて来た「ダークサイダー達」だったが、「転生」しても「自らに起きた出来事」はその全てを覚えていた。
 唯一、意識面で異なっていたのは、それまで「真なる大宇宙」で「生命存在」として「生命活動」を行っていた時の「ダークサイドに対する強固な信念体系」が、やや薄れた事だけだった。
 要するに「ダークサイダーで有る事」が、もうどうでも良い事の様に僅かだが思えたのだ。
 こうした現象に、強い懸念と危機感を持った「ダークサイダー」が三体居た。
 一体は「ダークサイド界ナンバー2のベゼルブブ」、二体目はナンバー3で「ルシフェルの忠実な腹心だったサターン」、三体目が「ダークサイド界に於ける極ダーク集団の棟梁アヌ」の三体で有る。
 彼らは、記憶が失われる事については気にかけて居なかったが、「ダークサイドに対する強固な信念体系」が薄れる現象に対しては何れも大いなる警戒感を抱いた。
 この「輪廻転生世界」は「真なる大宇宙の実音」から半度、その音を下げた「虚音」で創造されている世界なので、元々が天使だった「ダークサイダー達」なら、一瞬だけだが自身の周囲の狭い空間を「実音化」させて「真なる大宇宙に存在するアカシックレコード」から自身の記憶をダウンロードすれば、記憶を取り戻せる話だったからだ。
 だがその仕掛けは分からないが、「転生」に依って「ダークサイドに対する強固な信念体系」が薄れるとすれば、それは「ダークサイド界」に取っては大問題で有る。
 そのうち「ネガティブエネルギー」の正しい使い方まで、彼らは忘れてしまうかも知れない!
 そこで結局、この三体は彼らの配下達と共に、それからの「転生」を最小限に留めた。
 彼らは「ボディの劣化」に伴う老衰死時のみ「転生」を行い、「その転生先」も最初に転生した「次元(現在に於ける上位12次元)」を選び続けた。
 一方、「ルシフェル」の方は、この「輪廻転生世界」は三次元の九階層で構成されていて、今回の「転生先」は「上位三次元」と言う階層で有り、更に下位の階層に「転生」すれば、より濃密な「生命体感覚」を得る事が出来ると「ダークサイダー達」に伝えて、自身は「アポトーシス(計画的な自殺死)」で、さっさと「中位三次元」に「転生」してしまった。
 その後の進退をベゼルブブに仰いだ「ダークサイダー達」だったが、「私は低位次元に転生する事が危険に思えるので転生はしないが、これまでの統率者で有るルシフェル様の後を追う者を止める事はしない」と言う彼の意向に依って、「転生」するかどうかは各自の「自主的判断」に委ねられる事に成った。
 或る時、「転生」の誘惑に耐えられなく成った「一部のダークサイダー達」が、「ルシフェル」が残した「アポトーシスプログラム」を自身にインストールすると、「中位三次元」に「転生」し始めた。
 既に「輪廻転生世界」での「生命体ごっこ」に夢中に成り掛けていた「多くのダークサイダー達」もこぞって「中位三次元」に「転生」して行った。
 結果、この時点での「上位三次元の物理空間」に残ったのは、ベゼルブブを含めた三体とその配下の存在達だけに成った。
 その後も「ダークサイダー達」の「転生」に依る「次元下降意欲」は留まる所を知らず、瞬く間に「下位一次元」に到達すると、更なる濃密な「生命体経験」を求めた。
 すると「虚音」で創造されている「輪廻転生世界」は、そのヴァーチャル性を最大限に活用して、オールザットイズの手で直ちに「新たな三次元九階層の物質空間」が創造された。
 この出来事に依って、ベゼルブブ達が「生命体活動」を行っている物理空間は「上位三次元」から「上位六次元」と呼び名が変わったが、その実態には何の変化も無かった。
 「輪廻転生世界」に更に濃密で、そこに用意されている「アトラクション」が「よりリスキー」に感じられて、生命体がハラハラ、ワクワク、ドキドキしてしまう「新しい遊園地」が誕生したに過ぎなかったからで有る。
 只、それを契機に、自らの分身で有る「生命存在達」に「意識の多様化」を求める「ワンネス」からのインスピレーションを受けて、「オールザットイズ」は「皆の意識を統一させてしまうカリスマ性を持つルシフェル」を「真なる大宇宙」に呼び戻してしまった。
 かくして「輪廻転生世界」は、ルシフェルが存在しない、所謂、「ポストルシフェル」の時代を迎えるので有る。
 本題に戻ってゼクスで有るが、ゼクスは「カネヤン星系」の隣の星系「ベナンタル星系」の「惑星ヒブス」が出身惑星で有る。
 その「惑星ヒブス」で、フライズに於いて「祭事」を行う「祭司達」の統領家で有る「ヒクスベリア家」の次男としてゼクスは誕生した。
「金剛蠅卿真大祭司ヒクスベリア家」は「ベゼルブブ教団」で「歴代に亘って裏神皇」とも呼ばれる強大な権力を持つ一族で、「教密院」に対しても強い影響力を持って居た。
 「ヒクスベリア家」では、長男を「継大祭司」に指名しており、既に彼は父から「ヒクスベリア家一子相伝の秘儀」のイニシエーションも受けていた。
 そうした事も有って、ゼクスは「ベゼルブブ教」に関心を寄せる事も無く、エンジニアとしての道を順調に歩んだ。
 彼の幼少時は、家庭教師の指導のみで宇宙機械工学の「博師豪」を取得して「神童」の名を欲しいままにして居た。
 だが或る日、ゼクスは「父で有る金剛蠅卿」から呼ばれて教団からの「密命」を受ける。
 その「密命」の実行に気が乗らないゼクスだったが、思慕する母親から「それがヒクスベリア家の一族として生まれた者の務めだ」と諭されて、「五次元艦隊」に先行する形で「三次元世界」に出向く事を決意する。
 その表向きの使命は、高次元の戦士達が三次元の物理空間で戦闘する事を可能にする「環境」を構築する事をで有った。
 そしてそれが「密命」で有る為に、五次元からゼクスに帯同する者は付けずに、「四次元複合次元同盟艦隊」のエンジニア達を帯同して、「琴座の大ポータル」から「三次元物理空間」にゼクスは降り立って行った。
 尤も、エンジニアとしては高名なゼクスとは言え、ゼクスに帯同して困難を極めるばかりでは無く生命の危険にも晒される任務に志願する者など、五次元には居ない筈だから、結果は「密命」で無くでも同じだったのだが。
 ゼクスは「ヒクスベリア家の子息」なので教団から高い資格を得る事も簡単だったが、三次元ではそうした資格は意味を成さないので、彼は軍の階級で有った「参師」のままで三次元に降下した。
 結果、定められた期限内に「戦闘可能環境」を見事に整えたゼクスだったが、「フライズ」と「ライツ」の「停戦協定」が締結された後、「五次元艦隊旗艦マーメイド」に戻ってホルスタールに挨拶を済ませると、「自分は三次元に残って月の基地建設の指導に当たる旨」を彼に伝えた。 
 ゼクスが得た三次元での経験や知見を、「次回の次元降下作戦」に生かしたいと考えていたホルスタールは、彼を自分と一緒に五次元に帰還させるべく必死に彼を説得したが、ゼクスの「三次元残留意志」は固かった。
 何故なら、それこそが「本来の密命」として指示されていた内容だったからで有る。
 ゼクスが身に纏っているのは、三次元では比類が無い長寿命の「マテリアルボディ」だったが、所詮は「マテリアルボディ」に過ぎず、五次元の「アストラルボディ」に比べれば「蜻蛉の一生」ほどの寿命しか無い。
 だがそれが「それがヒクスベリア家の一族として生まれた者の務め」で有るのなら、それもまた自身の宿命だと割り切るゼクスだった。
 この物語の後半で、ゼクスは「ユウカ達が不時着した惑星セラ」に「謎の人物」として、突如、登場する。





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Last updated  2024.01.01 00:19:38
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