介護施設で看取り介護をしたいと考えている施設は多いのに、実際に看取り介護をしようとすると時、スムーズに進まない事はありませんか。
介護施設で看取りを開始しようとすると不安になる職員が大勢でてくると思います。
この記事は最後まで読むと看取り介護に対する悩みが解決する内容になっています。
バルーンカテーテルは入れない
尿量が少ないと心配になってバルーンカテーテルを入れている施設はありませんか。
病院では、週末期にはバルーンカテーテルで尿量をきちんと測定します。少しの量でも適当に測ってしまうと怒られます。
バルーンカテーテルは身体に管がつながれているという、違和感や、膀胱に管を入れる事で感染の原因にもなります。
介護施設での看取りでは尿量が出ていなくても、バルーンカテーテルを入れる必要はありません。
もし今、看取り期の利用者様にバルーンカテーテルを入れたり、点滴をしている場合は中止した方がいいと思います。
尿量は測らない
バルーンカテーテルを入れていなくても、尿取りパットの重さを測って尿量の把握をしている施設はありませんか。
私が働いている施設では、尿取りパットを量り器で測って、看取り期にある利用者様の尿量を測っていました。
そして、測り忘れてしまうと、忘れた職員は怒られたりしていました。
介護施設では治療をする場所ではないので、尿量を厳密に測る意味はあまりないのではないかと思います。
- 看取りが近いってわかる目安でしょ?
- 看護師が測れっていうから
- どうして測ってるのかわからない。ここに入った時から測っているから
- (看護師は)病院では測るの当たり前だった
- (看護師は)医師に報告する時なんて言えばいいの?
など尿量を測る意味がわからなく測っていたりきちんとした意味があって測っている感じではありませんでした。
どうして測るのかと言えば、自分たちが目で見える証拠や確信が欲しくて、尿量が○○ml ○○gってわかれば安心するから測っている感じです。
尿量を測っていた時は
尿取りパットに出た尿量を測定するので、利用者様には、直接負担はかかっていないと思います。でも職員の負担は大きかったと思います。
- 量り器を物品庫から持ってくる
- 持ってくるのを忘れたら取りに行く
- 持ってくるのを忘れたら、尿取りパットを手に持って廊下を歩く(不潔)
- 尿量を測る利用者様という事を忘れない様にしないといけない(精神的負担)
- 容量をメモする(手間がかかる)
- 尿量を測る事を忘れたらすごく怒られる(精神的負担)
- 尿量を測る事だけに目が行き利用者様をみていない(観察不足)
尿量さえ測ればいいんだと言う気持ちから、尿取りパットの尿の量しかみていないのです。
尿量を測るのを止めると
尿量を測るのを止めました。
尿量を測らないけど、尿取りパットに出ている色・量・臭いを覚えておいて記録に残す。利用者様の身体を看る事にしました。
- この利用者様は看取りの方という意識がでてきた
- 尿の色・量・臭いから身体の観察をする様になった
- 尿がパットに少ししか出ていないからお腹を触ってみたという人が出てきた
- 尿が前回より濃いと気が付く人が出てきた
尿量を測定していた時は測定する事に一生懸命になっていたので、身体を見たり色とかまで気がつかない事が多かったのですが、いろいろな精神的な負担や手間がはぶけると心と時間に余裕がでてきました。
尿量の量り忘れで怒られる事もありません。
大丈夫です。
もしも、その時尿取りパットの状態をみるのを忘れてしまったら、後から思い出せば大体はわかるので便が出なくても様子見る
介護施設の中で、排便コントロールのルールを作っている所はありませんか?
私が働いている介護施設では、2日排便がないとラキソベロンを30滴。3日目になって排便がないとラキソベロンを40滴。4日目になっても便がないとラキソベロン40滴+テレミンソフト座薬を挿肛。5日目になってもないとラキソベロン40滴+浣腸または摘便というルールがありました。
上記は悪い例だと思います
人それぞれ排便リズムも食べる量・水分量も体の大きさも違います。
排便コントロールについては、他で書きたいと思います。
食べていなければ、それほど便はたまりません。
看取り期の方で食事を食べていない方には、看護師が腹部の状態を触って・聴診器で音を聞いて苦しくなさそうであれば、10日出ていなくても様子をみる事にしました。
- 体位変換をする
- 温めたタオルでマッサージをする
- 肛門に指を入れてガス抜きをする
上記を最低限の身体に負担がかからないようにケアする事にしました。
苦しそうな時はきちんと医師に報告して対応します。
まとめ
尿も便も方法を変えれば、看取り期にある利用者様に負担をかけずに対応する事ができます。
そして看取り介護する職員も、尿量を測ることに一生懸命になったり、食べていない人に便下剤を飲ませたり座薬や浣腸で処置をしたりしなくてすみます。
看取り介護は、利用者様と職員にとっていい事ばかりだと思います。
尿や便という物質に目が行っていたのを、利用者様その人に目を向ける事ができます。
看取り介護が怖いと思いっている職員が減り看取り介護がもっと増えていけばいいなと思います。