夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

老いの豊かさを支えるのは、一に生活費、二に健康、三に生きがい、つたない満77歳の私でも学び、共感を深めて・・。

2021-10-21 14:58:48 | 喜寿の頃からの思い

先程、ときおり愛読している公式サイトの【 AERA dot.】に於いて、
『 老人はなぜ「怒り多く、欲深くなり、心を乱す」のか その原因は子にあり?
            貝原益軒 養生訓 
と題された見出しを見たりした・・。

今の世、老(おい)て子に養はるる人、わかき時より、
かへつていかり多く、慾(よく)ふかくなりて、子をせめ、
人をとがめて、晩節をたもたず、心をみだす人多し。

 

養生訓では、巻第八の前半に「養老」という題名をつけて、
老人の養い方や老人の振る舞いについて語っています。

そこでは27項目にわたり、老いに対する考え方を披露しています。
その一つは、こういうものです。

「いまの世は、老いて子に養われる人に、
若い時より怒りが多くなり、欲が深くなって、子をせめ、人をとがめて、
晩節の節度をたもつことができずに、心を乱す人が多い」(巻第八の5)

なかなか厳しい見方ですが、これに対する子どもの対応として、こう説いています。

「子は、そういうものだと思って、
父母が怒らないように、日頃から気をつかい、慎重になるべきである。
父母を怒らせるのは、子としては大いなる不孝となってしまう」(同)

この老いて乱れるというのは、ひとつには、
子に養われるというところに、起因しているのではないでしょうか。



以前にも紹介しましたが(6月30日号)、
養生訓の研究家として名高い立川昭二先生が、
「人生の幸福は、後半にあり」という益軒の慧眼について、
老いの豊かさを支えるのは、一に生活費、二に健康、三に生きがいであると補足しています。

老いても、生活費を自分で確保できることが、
実は心の平穏にとっては、重要なのかもしれません。

人生の後半を見事に生きた人物として立川先生が、
著書『足るを知る生き方』(講談社)で紹介しているのが
神沢杜口(かんざわとこう・1710~95)です。

益軒の晩年期に生まれた杜口は、益軒とは面識がなかったでしょうが、
その影響は強く感じられます。

彼は40歳頃に、それまで務めていた京都町奉行所の与力を退職し、
娘婿にあとを譲りました。

44歳で妻に先立たれ、末娘の一家との同居をすすめられるも、
別々に住んで、時々会うほうがうれしい心地がすると言って、
京都の下町に住んで、市井の人となりました。

杜口は、この市井の一人暮らしの見聞をもとに、
『翁草(おきなぐさ)』200巻を書き上げました。
江戸時代を知る第一級の史料です。

杜口は、家禄の一部を年金のようにして生活費にあてていました。
借家での質素な暮らしですが、一人で生きていくのには十分です。

健康については、とにかく、よく歩いたようです。
好奇心旺盛に歩き回って、見聞を広めていたのですから、足腰が丈夫でした。
80歳になっても一日に5~7里(20~28キロ)歩けたというのです。

生きがいは、『翁草』の執筆です。
ライフワークと定めた著作を世間や家族に煩わされることなく
続けることができたのですから、幸せだったでしょう。

まさに老いの豊かさを支える3条件を満たして、
「人生の幸福は、後半にあり」を実践したのです。・・ (略)・・ 》

注)記事の原文に、あえて改行を多くした。 

 
 

私は東京の調布市に住む年金生活の77歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
雑木の多い小庭の中で、古ぼけた戸建て住んでいる。

そして私より5歳若い家内も、お互いに厚生年金、そしてわずかながらの企業年金を頂だいた上、
程ほどの貯金を取り崩して、ささやかな年金生活を過ごしている。

こうした中、私たち夫婦は経済的に贅沢な生活は出来ないが、
『働らなくても、何とか生活ができるので助かるわ・・』、
と家内がときおり、 呟(つぶや)くように私に言ったりする。

『そうだよねぇ・・』
私は苦笑しながら応じたりしている。



今回、《・・養生訓の研究家として名高い立川昭二先生が、
「人生の幸福は、後半にあり」という益軒の慧眼について、
老いの豊かさを支えるのは、一に生活費、二に健康、三に生きがいであると補足しています。

老いても、生活費を自分で確保できることが、
実は心の平穏にとっては、重要なのかもしれません。・・》、
このようなことを学び、つたない人生航路を歩んできた私でも、
確かにそうですよねぇ・・共感を深めたりした・・。

私の定年退職後の日常生活については、このサイトで数多く記載してきたので、
今回は省略する。
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